斎藤隆「引き際」考え10年…運命変えたドジャースとの契約
スポニチアネックス 9月3日(木)8時31分配信
8月17日、仙台市内での現役引退表明会見を終えた楽天・斎藤隆投手(45)は会場を後にすると、こう言って笑った。「記者の皆さんが泣かせようと質問するんだけど、全然そういう感じではなくて」。確かに涙はなく、むしろ晴れやかな表情が印象的だった。
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その理由について、斎藤は「05年ぐらいから、どうやって野球をやめようかずっと考えていたからかもしれない」と明かす。しかし、「引き際」はそこから10年も延びた。横浜(現DeNA)に在籍していた05年は故障にも苦しみ、21試合の登板で主に先発で3勝4敗。3年契約を終えたオフに自由契約となり、メジャー挑戦を表明した。引退会見でも当時の心境を振り返った。
「いつやめても後悔しないようにアメリカに行った。引き際を考えた時に頂点であるメジャーのマウンドに一度でもいいから立ちたい。たとえそれがかなわなくても、納得できると思った」
既に35歳。直近の3年間では11勝しかしていない。誰もが無謀な挑戦だと思ったが、斎藤にはある確信があった。「もう斎藤は終わったと言われていたが、夏に球速が150キロまで戻り、自分の中ではいけるというのがあった」。その頃、同じ感覚を持っていた男がいた。当時ドジャースの日本担当スカウトだった小島圭市氏だ。「救援投手としてならば、メジャーでも通用する」とするリポートを提出。これを受けたローガン・ホワイト・スカウト部長も斎藤の能力を見抜き、当時のGMに獲得を進言した。
実は、ドジャース以外にも斎藤の獲得に興味を持っていた球団があった。ナ・リーグ中地区の古豪レッズ。マイナー契約でまとまりかけていたが、そこにドジャースから「待ってくれ。GMをもう一度説得するから」との連絡が代理人に入る。その数日後、マイナー契約を締結。斎藤は「僕に関わったドジャースの人たちが、GMとケンカしてまで獲ってくれた」と感謝の思いを明かす。
06年は開幕こそマイナーで迎えたが、直後に守護神ガニエが故障で離脱したことで枠が空き、メジャーに昇格。そこから守護神の座を勝ち取り、24セーブをマーク。翌年にはオールスターにも出場した。メジャーでは7年間プレー。4度のプレーオフ出場を果たした。
多くの人が「無謀」と見たドジャースとの契約が、斎藤の運命を変えた。ちなみに、レッズはメジャー30球団で唯一、日本選手と契約していない球団になっている。(甘利 陽一)
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