【巨人】燕に4年ぶり5連敗 ポレダのクセ丸裸5失点
◆巨人3―5ヤクルト(2日・金沢)
金沢での2位攻防戦。巨人はヤクルトに敗れ、連勝は3で止まった。先発のポレダは毎回走者を許す苦しい内容で、5回途中を9安打5失点。7敗目を喫した。打線は初回、坂本が7年連続2ケタ本塁打となる10号2ランを放ったが、その後は7回に代打アンダーソンの4号ソロのみ。1位・阪神が広島に負けたため、首位との1ゲーム差は変わらなかったが、ヤクルト戦は4年ぶりの5連敗となった。
普段通りの口調だが、表情は険しい。試合後、原監督は“戦犯”のポレダについて、「初回の2点はともかく、その後の2点が非常に、らしくないな」と切り捨てた。続く斎藤投手コーチの足取りも重く、「4回はピッチャーへの四球からでしょ。問題外でしょ」といつになく厳しかった。
慣れない地方球場のマウンドとはいえ、あまりにもポレダが悪すぎた。制球が悪く、変化球が決まらない。捕手・加藤のミットは暴れた。指揮官が指摘した4回の2失点は、先頭の9番・小川に四球を与えてからのものだ。5回1死一、二塁で降板するまで全イニングで先頭を許し、9安打4四球で5失点KO。ポレダも「これだけボール球が多く、球数が多くなると勝負以前の問題になってしまう。小川に四球? 絶対にやってはいけない。それ以外に言うことはない」と猛省した。
研究されていた。3安打を浴び2失点した初回、1死二塁で比屋根に三盗を許し、山田の左前適時打で先制された。するとすぐ、その山田も二盗した。ともに左腕の右足が動く前のスタートだった。
セットの際の首の動きにクセがあるもようで「もっと意識していかないと」とポレダ。なおも1死一、二塁、打者・雄平を迎え、ポレダは間を取るために一度、プレートを外した。その際の動きに、ヤクルトベンチが「ボーク、ボーク」と大声で指摘。セットポジション時の弱点を、ツバメ打線はとことん突いてきた。
ヤクルトにはこの黒星で4年ぶりに5連敗。今季は10勝10敗だ。ペナント争い、そしてCSにおいて、最大のライバルになるのは間違いない。だがこの時期から、フォームのクセを直すには時間が足りない。ポレダが通用しないとなると、大きな戦力ダウンとなる。
この日はいい環境下で練習し、試合に臨んだ。石川県立野球場には昨夜(1日)からの雨の影響で、日中はシートが敷かれたため、同じ金沢市内にある星稜高の室内練習場を借りた。先輩・松井秀喜氏が育った思い出の場所だ。その壁には「勝つことに対する闘争心と執念にあふれている」「耐えて勝つ」「弱気は最大の敵」など、多くの金言が貼られ、当然ナインも見渡した。今の自分に欠けているもの、忘れかけていたもの、各自の胸にしみたはずだ。
分かりやすい負け方だから、次に引きずる必要はない。ポレダが悪すぎた。打線のリズムをも崩した。それだけだ。残りは20試合。耐えて勝て―。まだまだ、これからだ。(水井 基博)