ドクター・中松氏「50種類の新エンブレム案」一部を公開
東京五輪公式エンブレムの使用中止発表が決まった1日、一夜にして約50種類の新エンブレム案を考案したという発明家のドクター・中松氏(87)が、そのアイデアの一部を公開した。スポーツ報知のホームページ上に中松氏が作図した10案を掲載する。
2日に会見した中松氏本人が「一番研ぎ澄まされたアイデア」と自負したのは数字の「1」「0」のみからなるシンプルなものだ。コンピューターの世界の2進法を表し、2重にすることで「2020」を表している。
他には、日の丸と長細いTの文字を組み合わせた案。Tからは矢印が2本出ており、上向きのものがフィールド競技、下向きのものは水泳などの潜る競技を意味しているという。
次に左から横組みにTOKYOと並べた案。TとKが細く、少しクレジット、小売り事業のマルイのロゴに似ているようにも見える。また「五輪の原点に戻る」という意味を込めて、ギリシャ数字の2と日の丸を掛け合わせて案も。
Tを大きく型取り、幟(のぼり)のように仕立てた案も。Kは「KIND(親切)、Yは「ようこそ」を意味するという。中松氏は五輪組織委の再公募に参加する意向を示しているが「アイデアはまだまだ尽きない」と話しており、さらに創作していく考えだ。
現代医療では治療できない「前立腺導管がん」になり、医師から今年末までの余命と宣告を受けていると公表している中松氏。だが、5年後の東京五輪への提案は、エンブレムだけにとどまらない。整備計画の白紙撤回がことが決まった新国立競技場についても、総工費1000億円以下で工期を30パーセント短縮する「発明」を着々と進めているという。
具体的な設計構想を聞きたいところだったが中松氏は「それはまた今度」と煙に巻き、話は自身の歌手デビューへ。9月17日に米ハーバード大で予定されるイグノーベル賞の授賞式で、自身が作詞した「ガンの顔つき悪くても」の英語バージョン「Even Cancer Very Bad」を会場の1200人とともに合唱する予定だという。「スワンソングですよ。スワン(白鳥)は死ぬ間際に最も美しい声で鳴くのです」と中松氏。
自身の「死亡予定日」を今年の大みそかと設定しているという。「今年のNHK紅白歌合戦のトリで歌ってそのまま死んでいきたい」と最初で最後の紅白出場を熱望。「対抗する紅組の相手は誰を希望しますか」と問われると「うーん、そこまでは考えていませんでしたなあ。NHKからオファーが来たら考えます」と笑いながら想像を限りなく膨らませていた。