有料動画配信で世界最大手の米ネットフリックスが2日、日本でのサービスを本格開始した。既存の映画やドラマにとどまらない独自制作のコンテンツを武器に、世界50カ国以上で会員6500万人を集める「巨人」がいよいよ日本に上陸した格好だ。「テレビは無料」という意識が根強い日本市場を開拓できるのか。テレビ、携帯電話、コンテンツなどの世界のみならず、映画鑑賞やテレビの視聴スタイルを激変させる可能性を秘めたネットフリックス。その動向に注目が集まっている。
「長期的には、高速インターネットを利用する世帯の3分の1に視聴してほしい」。ネットフリックスのリード・ヘイスティングス最高経営責任者(CEO)は1日開いた説明会でこう意気込んだ。
同社は1997年に創業。DVDの宅配レンタルを手掛けていたが、2007年にインターネット配信を開始。テレビやゲーム機、スマートフォン、パソコンなどに配信される映画やドラマを定額料金で見放題で楽しめる点が爆発的人気を集めた。
米国では全世帯の25%が加入し、ネットフリックス専用ボタンがついたテレビリモコンももはや当たり前。各会員の視聴履歴を分析し、膨大なコンテンツの中から好みに合いそうな作品を勧める「レコメンド機能」などで支持を集めている。
そしてネットフリックスは加入者数が多いだけでなく、実際の利用率も高く1ユーザーにつき、月間平均35〜40時間視聴されているとのデータもある。これは、1日あたり1時間強に相当する。
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