Windows 10と共にMicrosoft Edge(以下Edge)という新しいWebブラウザーがリリースされた。従来のInternet Explorer 11(IE11)を拡張するのではなく、マイクロソフトが新たに作ろうとしている“モダンな”Webブラウザーとはどういうものか、気になるユーザーも多いだろう。
デフォルトの設定のままWindows 10をインストールすると、デフォルトのWebブラウザーが強制的にMicrosoft Edgeに切り替わってしまうため、すでに使っているユーザーも少なくないはずだ。ただ、いくつか気になる新機能はあるものの、IE11に慣れた身からするとかなり使い勝手が違っていて、あの機能はどうやって使うのかな、などと気になる点も少なくない。
そこで本記事では、従来のIE11に慣れたユーザーに向けて、Edgeで操作性などが変わってしまった点についてまとめておく。
Edgeの新機能はいくつかあるが、今回は簡単に次の3つの機能だけ紹介しておく。これらについては、いずれ詳しく紹介する。関連記事の解説も参照していていただきたい。
Edgeの新機能のうち、ユーザーに大きくアピールする新機能は次の3つである。
■Webページに手書きメモを追加する「Webノート」
Webページにマーカーやペンでメモなどを記入して、そのページのデータを取っておく機能。Webページのスクラップブック化ができる。
■余計な要素を表示させない「読み取りビュー」モード
Webページから広告や囲み、ヘッダー、フッター、メニュー、表などを排除し、本文と図などの要素だけを残して表示するモード。フォントの装飾なども外して、本文部分だけを読みやすくする。特にスマートフォンや小型画面のタブレットなどで有用だろう。
■お気に入りや履歴などをまとめて管理する「ハブ」機能
お気に入りや履歴、リーディングリスト(後で読むためのリスト)をまとめて管理する機能。
Edgeの起動直後の状態を次に示す。デフォルトでは次のような「マイ ニュース フィード」画面が表示されるが、[カスタマイズ]リンクで表示内容を変更することができる。IEのときのように、「ホーム」ボタンや「お気に入りバー」を表示させるには、後述の[設定]画面を利用する。
Edgeブラウザーの外見は、他のWindowsストアアプリ(ユニバーサルWindowsアプリ)のように、シンプルでフラットデザインとなっている。外見だけでなく、機能的にもシンプルで、PC向けのWebブラウザーというよりは、スマホやタブレットのWebブラウザーのような感じだ。
IEでは上部のタイトルバーの部分をつかんでIEのウィンドウをドラッグできた。だがEdgeにはタイトルバー領域はないので、ドラッグするためには、タブの右側の空き領域の部分(上の(4)のところ)をつかむしかなく、少々面倒である。
Windows 8.1のIE11には全画面表示モード([F11]キー)や「Immersiveブラウザー」があったが、Windows 10のEdgeにはこれらのモードはない。ウィンドウを最大化表示することはできるが、上部のバーや画面下部のタスクバーなども隠すような全画面表示はできない(Windows 10のIE11には全画面表示モードはある)。
Immersiveブラウザー(全画面の没入表示モードがサポートされたWebブラウザー)とは、Windowsストアアプリ側に登録されているInternet Explorerのことだが、その実体は、デスクトップ側に登録されているInternet Explorerと同じものである。ImmersiveモードでIE11を起動すると、他のWindowsストアアプリと同じように、全画面モードのシンプルなユーザーインターフェースのWebブラウザーとして起動する(デフォルトブラウザーをIE11以外にしているとこれはできない)。そのため、この2種類のブラウザーはお気に入りやクッキーなどのデータを共有できていた(セキュリティ的には、少し扱いが異なる部分もあるが)。
Windows 10ではIE11のImmersiveモードがなくなり、代わりにEdgeがその役割を担っている。だが、IE11とEdgeは異なるプログラムであり、お気に入りのデータなどは共有されていない(詳細は後述)。
IE11では、リンクを辿ってWebページをどんどん開いていった場合、「進む」ボタンや「戻る」ボタンで一気に何ページ分も移動できたが、Edgeでは1ページずつしか操作できない。1ページ戻るか、1ページ進むかを繰り返す必要がある。またページの履歴(ページタイトル)が表示されないので、今どこにいるか、1ページ進んだり戻ったりすると、どこへ行くのか、といったこともよく分からない。スマホのように小さい画面のシステムに向けて最適化したのだろうが、PCなどで利用する場合には少し不親切である。
以下はIE11の例である。現在のページや過去のページが一覧表示され、素早く目的のページへ戻ることができる。
タブ機能は一応あるが、IE11と比較すると、少しずつ機能が不足しているようである。例えば、新規タブを作成すると、IE11ではよくアクセスするサイト(の履歴)のアイコンが表示されていたが、Edgeのタブにはそのようなものは表示されず、「トップサイト」か「マイ ニュース フィード」のいずれかしか表示しない。また新規タブをデフォルトで最前面にする方法(オプション)がない([Ctrl]+[Shift]しながらクリックすれば前面になるが)、タスクバーのジャンプリストにタブの一覧が表示されない(詳細は後述)など、いろいろあるが、この辺りでやめておく。そのうち強化されるであろう。
Webページが表示されている場合に右クリックすると、IE11ではさまざまなコンテキストメニューが表示されたが、Edgeではその内容は非常に少なくなっている。
次の画面は、Webページへのリンクを右クリックしてみたところだ。必要最小限のメニューのみが表示されているという感じである。何もない場所をクリックすると、「すべて選択」「要素の検査」「ソースの表示」の3つしか表示されない。
次の画面は、同じ場所をIE11で右クリックしたところである。各メニュー項目にどのくらいの意味があるのかは別として、少なくとも表示される項目数はかなり多い。
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