北極圏国の外相会議に出席するため米アラスカ州アンカレッジを訪れた韓国外交部(省に相当)の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官が1日午前(韓国時間)、ジョン・ケリー米国務長官と今年3回目の会談を行った。
朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の訪中前日に行われた同日の会談で、尹長官は朴大統領の中国抗日戦争勝利記念軍事パレード出席が韓半島(朝鮮半島)全体に及ぼす意義について説明した。ケリー長官はこれに対し「十分に理解する」と答えたと同席者は語った。さらに、両長官は「韓半島の平和と安定には中国の建設的な役割が重要だ」という点で認識を共にしたとのことだ。
ケリー長官は会談の直前、報道陣に「韓国は安保や地域の懸案を超え、それ以上の議題を扱う上で最良のパートナー(superb partner)だ。優れたグローバル・パートナーに成長した」と述べた。北極圏国外相会議に今回出席した7カ国の外相のうち、ケリー長官が会談したのは尹長官だけだ。前日の歓迎晩さん会では外賓を紹介する際、オブザーバー格の尹長官を真っ先に紹介した。記念写真撮影時には自分の隣に尹長官が立つよう配慮したという。
韓国外交部当局者は「両長官は韓中首脳会談(2日)、習近平中国国家主席の訪米と米中首脳会談(今月下旬)、朴大統領の訪米(10月16日)と続く一連の首脳会談を通じて、北朝鮮の非核化など懸案事項に関し緊密な戦略的対話を続けていくことにした」と語った。外交消息筋は「10月初めと見られる北朝鮮による長距離ミサイル発射の可能性など、軍事挑発を抑制するため、中国の対北朝鮮レバレッジ(影響力)を活用すべきだという点で韓米は意見の一致を見た」と話した。この日の会談で「中国」に関する言及が数回あったことから、外交関係者の間では、朴大統領の軍事パレード出席が米政府や一般国民に広がっている 「韓国は中国寄り」説を悪化させるかもしれないことを考慮した「意識的行動」と受け止めている。
両長官はまた、先日の北朝鮮の地雷・砲撃挑発への対応から8・25南北合意(8月25日の南北高官級協議での合意)に至るまでの全過程で、韓米が緊密に協力したことを重視しているとも述べた。特にケリー長官は、韓国の安全を保障する米国の確固たる対韓防衛公約を再確認したという。尹長官はケリー長官にアカマツの苗木をプレゼントすることを明らかにし、その写真を渡したとのことだ。ケリー長官はこの苗木をボストンの自宅の庭に植えるそうだ。