【社説】朴大統領訪中、米国の不信を解消する外交戦略を

 韓国外交部(省に相当)の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官は先月31日(現地時間)、米アラスカ州アンカレジで米国のケリー国務長官と会談した。韓米両国外相がわざわざアンカレジにまで出向いて会談を行うのは、この地で北極外相会議が開催されたためだ。この会議は主に北欧諸国と米国が中心となって開催されているが、韓国が参加するのは今回が初めてで、アジアから唯一の参加となった。会議と会談終了後、尹長官はハワイを訪問して米太平洋司令官らと会い、さらに2日から予定されている朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の中国訪問に同行するため、北京へ向かった。

 尹長官は今回、韓国外相として初めて北極会議に出席したが、これはもちろん無限の可能性を秘めた北極の将来に韓国も関わっていくためと考えることができるだろう。しかし会議に出席した本当の理由は、朴大統領が中国・北京で開催される抗日戦勝記念式典と軍事パレードに参加する問題について、米国の政府高官らにその背景や理由について直接説明するためだったようだ。ケリー長官との会談はおよそ30分ほどと短いものだったが、その場で実際に話し合われたのはやはり中国における戦勝節に朴大統領が参加する問題だった。二人は会談後「韓半島(朝鮮半島)の平和と安定のためには、中国の建設的役割が非常に重要との点で一致した」とコメントした。ケリー長官は朴大統領訪中の理由について説明を聞いた後、尹長官に「十分に理解する」と語ったという。またケリー長官は韓米関係について「北極などグローバルな問題まで話し合う戦略的同盟関係にまで発展した」とした上で「最高のパートナーシップ」と評したとも伝えられている。一見すると、この会談では二人の非常に良好な関係をあらためて確認できたかのようにも見える。

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース