訪中の朴大統領、プーチン大統領とも接触へ

 韓国の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は、今回の訪中でロシアのプーチン大統領と2日から3日にかけて会う。2日には他の首脳らと共に歓迎夕食会に出席。3日には中国の抗日戦争勝利70周年記念行事と昼食会で主賓として同席する。両首脳は自然な形で両国間の懸案を話し合うとみられる。正式な首脳会談ではないが、共通の関心事、主な協力事案についてかなりのレベルで協議を行う可能性がある。

 朴大統領が北朝鮮の最大の友好国である中国、ロシアの首脳と同時に会うことは、さまざまな外交的解釈を生む。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党第1書記は就任から4年たっても韓国、中国、ロシアの首脳の誰とも会っていない。このため、朴大統領が習近平国家主席、プーチン大統領と相次いで会うことで、北朝鮮は大きな外交的圧力を感じる可能性がある。

 朴大統領は2013年9月、主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席するためにロシアを訪問。プーチン大統領と初会談した。2カ月後の11月にはプーチン大統領が公式に訪韓し、2回目の首脳会談を行った。当時朴大統領の「ユーラシア・イニシアチブ」とプーチン大統領の「新東方政策」にかなり共通点があると評された。双方は北朝鮮の羅津とロシアのハサンを結ぶ鉄道の連結事業に韓国企業が参入する案など韓国、北朝鮮、ロシアの3カ国協力に関する覚書を交わした。

 14年11月に中国で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議では、プーチン大統領が朴大統領に歩み寄り、会話を求めた。両首脳は北朝鮮の核問題など韓半島(朝鮮半島)情勢を話し合い、朴大統領はロシアの建設的役割を求めた。朴大統領は今年5月のロシアの第2次世界大戦勝利70周年の記念行事に政務特別補佐のユン・サンヒョン国会議員(セヌリ党)を特使として派遣した。

 朴大統領は今回の接触でもプーチン大統領に韓半島の平和と北朝鮮の核問題の解決などでロシアの協力を求める構えとされる。南北による8月25日の合意で形成された対話局面を生かし、北朝鮮の核問題解決のきっかけをさぐる狙いだ。昨年のウクライナ問題で西側の制裁を受けているロシアのプーチン大統領も、朴大統領との積極的接触を通じ、外交的孤立から脱却を図ろうとする可能性が高い。

鄭始幸(チョン・シヘン)記者
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