東京五輪:信頼損なう致命的ミス続出、遠のく「大国復活」

五輪の象徴、メーンスタジアムとエンブレムが相次ぎ白紙撤回
エンブレムめぐり盗作疑惑が浮上
メーンスタジアム、巨額の建設費に批判相次ぐ

 佐野氏は潔白を主張するため、原案のデザインまで公開したが、原案もまた、ドイツのタイポグラファー、ヤン・チヒョルト氏(故人)の展覧会のポスターをまねたのではないかとの疑惑が浮上した。ドビ氏はIOCとベルギーの裁判所に提訴する方針を表明し、日本国内でも「恥ずかしい」という批判の声が相次いだ。さらに佐野氏のほかの作品についても相次いで盗作疑惑が浮上した。AP通信は1日「佐野氏は盗作常習犯ではないか」という攻撃的なタイトルの記事で、佐野氏がデザインしたサントリーのトートバック、名古屋市の動物園のロゴ、群馬県太田市の美術館・図書館のロゴなどのデザインも、外国のデザインなどを模倣したとの疑惑が浮上していると報じた。

 東京五輪の準備をめぐって信頼を低下させる悪材料はこれだけではない。組織委は当初、イラク出身の有名な建築家、ザハ・ハディド氏に設計を依頼した(メーンスタジアムの)新国立競技場建設事業を白紙撤回した。一つのスタジアムの建設費としては史上最高額とされる2520億円まで費用が膨らみ、世論の激しい批判を受けてのことだった。日本政府は建設費を原案の58%まで引き下げる方針を打ち出した。だが、設計からやり直すことになったため、2019年5月に予定していた新国立競技場の完成時期も、五輪開幕の7カ月前の20年1月に延期された、現場ではこれも達成できないのではないかと指摘する声が出ている。

 東京五輪を通じ、東日本巨大地震の後遺症を克服し、軍事・経済両面での大国の復活を宣言しようとしていた安倍晋三首相も苦しい立場に追い込まれた。AFP通信は「五輪の準備に支障が出てきた」と報じた。

鄭智燮(チョン・ジソプ)記者
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