東京五輪:信頼損なう致命的ミス続出、遠のく「大国復活」

五輪の象徴、メーンスタジアムとエンブレムが相次ぎ白紙撤回
エンブレムめぐり盗作疑惑が浮上
メーンスタジアム、巨額の建設費に批判相次ぐ

東京五輪:信頼損なう致命的ミス続出、遠のく「大国復活」

 開催まで5年を切った東京五輪(2020年7月24日-8月9日)の準備が、相次ぐ悪材料によって迷走している。東京五輪の招致を実現した安倍政権が野心をもって進めてきたメーンスタジアム建設事業が、血税の無駄遣いをめぐる論議の末、再検討を迫られたのに続き、今度は五輪の顔となる公式エンブレムも盗作疑惑が浮上し、発表から40日ほどで白紙撤回を余儀なくされた。

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は1日、盗作ではないかとの指摘が相次いでいた東京五輪・パラリンピックの公式エンブレムを白紙撤回することを決定した。組織委の武藤敏郎事務総長はこの日夜、緊急の記者会見を開き、エンブレムの白紙撤回について「国民の支持を得られないエンブレムを使用し続けることはできないと決断した」と説明、「国民の皆様に申し訳ない」と陳謝した。

 これまでにも、五輪のエンブレムのデザインが適切かどうかをめぐって論議を呼び、途中で変更されたケースはあるが、盗作疑惑が浮上して白紙撤回に追い込まれた前例はそうそうない。問題のエンブレムは佐野研二郎氏の作品で、組織委の説明(今年7月24日)によると、「Tokyo(東京)」「team(チーム)」「tomorrow(明日)」を意味するアルファベットのTの字を中心に図案化したものだという。ところが、発表からわずか3日後、ベルギーのデザイナーのオリビエ・ドビ氏が、2年前にデザインした劇場のロゴと酷似していると主張し、インターネット上で自らの作品を公開したことで、盗作疑惑が浮上した。論議が広がったのを受け、佐野氏は先月に記者会見を開き「絶対に盗作ではない」と主張、国際オリンピック委員会(IOC)と組織委も擁護したが、ドビ氏のデザインとあまりにもよく似ていたため、日本国内でも論議を呼んだ。

鄭智燮(チョン・ジソプ)記者
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