日本人はなぜホームレスに冷たいのか?

2015年 09月02日 (水) 17:55

 「今日、ホームレスに戻ることにした」という本を読了しました。

 これは作者が自分のホームレス体験をつづった本で、彼らの非常に劣悪な生活環境及び食生活にカルチャーショックを受ける本なので、興味ある人は読んでみた方がいいと思います。

 考えさせられたのは、「日本人はホームレスに冷たい」という作中でも頻出することば。
 そうして我が身を振り返ったとき……確かに私の中にも彼らへの偏見があります。

 近寄りたくない。
 それがホームレスの人々に直接的に感じる感情です。

 かわいそうだとは思うけれども、目の前に悪臭漂うホームレスの人がいたら、私は避けてしまいます。

 なぜか。
 心を見つめると、答えはあっさりと出ます。
 ――臭いから、汚いから。

 身も蓋もない理由だけれども、それでもやっぱり汚くて臭い人には近づきたくないと思ってしまうのです。これはホームレスさんに限りませんが。

 では彼らが身ぎれいにしていて清潔なら?
 それなら逃げません。そもそもホームレスだとも思わないでしょう。

 でも、ホームレスさんの生活を知れば、それができないってことがわかります。

 彼らにとって、一番大事なのは「食料」。
 まさに食べること最優先で考えないと、生きることさえできないのです。
 飢え死にと体の清潔さ、どっちをとります? って言ったらそりゃあ決まってます。

 次に寒さ対策ですね。
 コンクリートジャングルである日本は夜は物凄く冷えます。対策をしないと寒さで震えて眠れません。凍死する人もいます。それほど寒いのです。

 彼らは貧しい収入(缶拾い、ピンハネされる日雇い労働など)のほとんどを、食料と寒さ対策のふたつに振り分けなければ生きていけません。

 「貧困の光景」という曽根綾子さんの本の中で、彼女は貧しいということをこう言っています。
 食べるものがないこと。
 聞いた時には「確かにそうだけど、先進国の中ではあまりそぐわない定義だな」、と思っていましたがとんでもありません。

 今現実にはっきりと日本の中で、飢えに苦しんでいる人がいるではないですか。

 日本に餓死者は年によって増減しますが年間で40人から、100人ほど。
 毎年数十人もの人が、この日本で、餓死によって死んでいるのです。
 戦後すぐの話じゃないですよ?
 今の、2010年代の話です。
 この日本で、それだけの数の人が毎年餓死しているのです。

 作者の人は実際にホームレスをやってみて、飢えに苦しみ、目の前に山のように積まれた食料品に思わず手が出そうになった、と言っています。

 それはそうでしょう。
 スーパーにいけば、ごまんと食料品が並んでいる国、それが日本です。

 昔、被虐待児がご飯を与えられず、飢えて、コンビニで陳列されているパンを無我夢中で貪った、という話を思い出しました……。

 どうして日本人はホームレスに冷たいのか、どうして日本人はホームレスを可哀想とは思わず、怠け者というネガティブなイメージでとらえるのか。

 作者の人はそれに救いがないけれども答えを出しています。
 ――不幸な人は、自分より不幸な人を蔑みたがる。日本人でホームレスに冷淡な人が多いのは、日本人は不幸な人が多いからだ。
 と。

 うへあ、となってしまう理由ですが、言われてみるとああなるほど、と納得できる部分もあるとは思いませんか?

 作者の方いわく、この説の証拠として「ホームレスの支援団体の人は、幸福だ」ということを挙げています。
 しあわせだから、他人に優しくできるのだと……。
 逆に、不幸だと自分より不幸な人間を差別し、馬鹿にすることでうさを晴らす。
 ホームレスに日本人が冷淡なのは、そういうことなのだと。

 私は、ホームレスは「いつか自分も転がり落ちる可能性のある場所」という風にとらえています。
 もし、今この瞬間に地震が起こったら?
 家が焼け落ち、着の身着のままで焼け出されたら?
 津波で家が流され、仕事場も壊滅してローンだけが残されたら?

 ……そういうことを考えると、私はとても彼らをとても怠け者として見れません。
 作者の人が言われたような、「怠け者」「税金泥棒」「死んでしまえ」とは思えないのです。

 運次第で、いつか、自分も落ちてしまうかもしれない場所。
 そういう見方が広がってくれればいいな、と思います。



 そして、余談ですが、この本によるとホームレスに食べ物をくれるのは韓国の教会と民間の支援団体で、生活保護などは受けようとしても住所がないから門前払いなんだとか。

 今ね、ネットで韓国バッシングがまさに正義のようにまかり通っているじゃないですか。
 でも、この本を読んで、ホームレスに援助してくれてご飯をくれるのは韓国人の教会だということを知って、驚きました。
 え? そんなことしてくれてたんだ! と。

 ネットで韓国バッシングを嬉々としてやっている人は、立ち止まってこの事実をちょっと考えてみて下さい。
 貧困にあえぐ日本人を助けてくれているのは、韓国人の教会なのだということを。

コメント

韓国の政府がやっていることを理由に韓国政府やそれに賛同する人をバッシングするのは正直を止めません、限度はありますが
韓国人の方や、政府と関係ない別の韓国の組織をそのような理由でバッシングするならストップはかけます
理由と対象が噛み合ってませんし、八つ当たりも良いところですから
教会の方も、理由があっての施しでしょうが、受け取る側からしたら関係ないですね
日本では手の届かない方に手を伸ばしてくれるのですから、有難いですね。不幸な人が減るのは理由なく嬉しいものですから
猫缶  [ 2015/09/03 02:28 ]
ウリスト教会が優しいですか?
そりゃやさしいと思いますよ、だってそれが教化するための手段ですから。
貧乏人に物を施して勢力拡大って言うのが、彼等の元に成っている福音派の布教パターンなのですよ。
日本じゃ福音派は原理主義過ぎて幅利かせていませんが、韓国は貧乏人が多かったので朝鮮戦争後に福音派は大量に進出して勢力拡大しました。その手法を真似ているだけです。
そして韓国系キリスト教は異端扱いされているので、さらに教徒の獲得に躍起になります。
乞食に物食わせて教科できるなら、結婚やら養子のビジネスとしてうまみも有るのでそりゃ手厚いと思いますよ。
 [ 2015/09/02 23:03 ]
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