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- 福岡ソフトバンクホークス 柳田 悠岐選手【前編】 「柳田選手の基礎を作り上げた高校時代」
第248回 福岡ソフトバンクホークス 柳田 悠岐選手【前編】 「柳田選手の基礎を作り上げた高校時代」2015年01月23日
【目次】
[1]パワーとポテンシャルの違いを感じた昨年の日米野球
[2]体が大きくなればもっとホームランを打てると考えた / 「背中」「胸」「足」の3つを日替わりで徹底的に強化
[3]部長先生に対する反骨心がモチベーションになった
部長先生に対する反骨心がモチベーションになった
連日の激しいトレーニングで、体は悲鳴を上げた。ウエイトで追い込んだ翌日は「学校に行くのもきつかったですし、(通学用の)チャリ(自転車)を漕ぐのもきつかった」という。それでも柳田はジム通いを続け、自分と向き合いながら、孤独なトレーニングに励んだ。
柳田悠岐選手(福岡ソフトバンクホークス)
モチベーションになったのは何だったのか?
「これはもう、広島商業高時代の部長先生に対する意地ですね。僕は進学先を広島六大学リーグの広島経済大に決めていました。ここなら練習もそんなにきつくなさそうだし(笑)、全国大会に出場できる可能性が高いと思いましてね。
ところがこれに待ったをかけたのが部長先生でして。『東京の東都リーグでやれ。(自主性を重んじる)広島経済大ではお前はダメになる』とさんざん言われたんです(苦笑)。校内放送で呼び出しされ、説得されたこともありました(笑)。ならばその部長先生を見返してやろうと、この一心でしたね」
広島経済大で1年秋からレギュラーとなった柳田は、広島六大学リーグで首位打者を4度獲得。“見返したい思い”は、2位指名という高い評価でのプロ入りにもつながった。ちなみにその部長先生とは、プロ入りが決まった後に再会している。
「お会いした時、この話を正直に伝えたんです。そしたら『お前すごいな。よかったな』と祝福してくれまして…高校時代の思いは一気に吹き飛びましたし、ありがたいなと。あの厳しい言葉がなかったら、僕は頑張り切れなかったかもしれません」
もう1つモチベーションになったのが、体の変化だった。ウエイトトレーニングを全くしていなかった体は、日に日に筋肉が付いていった。
「筋肉付けるのは簡単やなと思うくらい、トレーニングの成果が目に見えて分かるんです。それが楽しみで、頑張れたところもありましたね」
野球のパフォーマンスに直結するかどうか、という不安も一切なかったという。そこには「筋力トレーニング以外のトレーニングは、高校時代にやり切った」という自負があった。柳田は、「もしそれがなかったら、高校野球を引退してからも、グラウンドで後輩に交じって野球の練習をしていたと思います」と振り返った。
柳田選手の背景として、大学時代のことが語られることが多いですが、高校時代にこんな知られざるエピソードがあったと驚かされるファンの方も多いのではないでしょうか。徹底したウエイトトレーニングを取り組んだ柳田選手が下半身強化が大事と語るからこそ、説得力のあるエピソードであります。後編では、大学時代に取り組んだウエイトトレーニングや、プロ入り後、飛躍するためにどんな取り組みがカギとなったかに触れていきます。お楽しみに!
(インタビュー・上原 伸一)
- 柳田 悠岐(やなぎた・ゆうき)
- 福岡ソフトバンクホークス
- 経歴:広島商― 広島経済大―福岡ソフトバンクホークス
- ポジション:外野手
- タイプ:右投左打
- 身長体重:188センチ90キロ
- 生年月日:1988年10月9日
- 上記データは掲載時のものとなります。