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- 福岡ソフトバンクホークス 柳田 悠岐選手【前編】 「柳田選手の基礎を作り上げた高校時代」
第248回 福岡ソフトバンクホークス 柳田 悠岐選手【前編】 「柳田選手の基礎を作り上げた高校時代」2015年01月23日
【目次】
[1]パワーとポテンシャルの違いを感じた昨年の日米野球
[2]体が大きくなればもっとホームランを打てると考えた / 「背中」「胸」「足」の3つを日替わりで徹底的に強化
[3]部長先生に対する反骨心がモチベーションになった
体が大きくなればもっとホームランを打てると考えた
柳田悠岐選手(福岡ソフトバンクホークス)
柳田は現在188センチ90キロ。日本人離れした体躯から放たれる打球の飛距離は、日本で一番とも言われる。しかし広島商業高時代の体重は68キロ。通算本塁打も18本と、決して少なくはないが、注目されるほどの本数ではなかった。体が大きくなったのは、高校野球を引退してからだ。
「進路が決まった後の10月から、地元・広島にある『トレーニングクラブ アスリート』というジムに通い出したところ、見る見るうちに体が変わっていったんです」
ところで、なぜジムに行こうと思ったのか?
「広島商業高には、練習メニューにウエイトがなかったんです。筋力トレーニングは、昔ながらの腹筋や背筋といった器具を使わない自重トレーニングが中心。器具に触れたこともなかった。その一方で、走り込みの量は半端ではなくて…雪が降れば、雪の上を裸足でランニングしましたし、グラウンドに設置してある砂の走路でも、よく裸足でダッシュしました。とにかく、これでもかというくらい走り込みましたからね。
その上でウエイトをしたら、体が大きくなって、もっと打てそうだなと。体重68キロでもホームランを打てたのだから、筋肉が付いたらもっと楽に打てるのでは?そう考えたんです。筋力トレーニングをすると可動域が狭まるとか、そういうのは念頭になかったですね」
もっともはじめのうちは「目一杯の馬力を使っても、ウエイトが全然持ち上げられなかった」ようで「当時の数値は憶えていませんが、めっちゃしょぼかったのは憶えています」
「背中」「胸」「足」の3つを日替わりで徹底的に強化
週に4日か5日は通っていたというジムでは、強化する箇所を「背中」「胸」「足」の3つに分け、日替わりで鍛えた。
「たとえば『足の日』だったらスクワットをして、レッグプレスで足の前と後ろをといった流れで、必ず最後に、マシンを使わずに腹筋と背筋をやっていました。トレーニング時間は、どの日も1時間半ほどだったでしょうか」
一番きつかったのは「足の日」だったようで、柳田は「次のセットにいきたくないくらいでした」と明かす。
体を大きくするため、プロテインもまめに摂取した。学校にもシェーカーを持ち込み、授業の合間に飲んでいたそうだが、プロテインとともに欠かさなかったのが茹で卵だ。
「トレーニングが終わると、母親に電話して卵を5つ茹でてもらいましてね。帰宅すると一気に全部食べていました。僕のしょうもない知識の中に、茹で卵がいいというのがあったんですよ」
ジムでは金本 知憲氏(元阪神)がトレーニングに励む姿も目にした。柳田が通い始めた06年当時、金本氏はまだバリバリの現役だった。
「僕は今も、ウエイトでは足の次に背中を大切にしているんですが、これは金本さんの影響です。金本さんの本の中に、一番大事なのは足で、次は背中だと書かれてありましてね。たとえば、スクワットのトレーニングでバーベルをかつぐ際も、背中の筋力がポイントになると。要は背中を鍛えなければ、ウエイトで追い込んだトレーニングもできないのです」
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- 柳田 悠岐(やなぎた・ゆうき)
- 福岡ソフトバンクホークス
- 経歴:広島商― 広島経済大―福岡ソフトバンクホークス
- ポジション:外野手
- タイプ:右投左打
- 身長体重:188センチ90キロ
- 生年月日:1988年10月9日
- 上記データは掲載時のものとなります。