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地球の裏側の「歴史戦」 海を求める内陸国ボリビアが敗れた「太平洋戦争」
これに対してチリは「ボリビアは正式な条約で確定した国境を脅かそうとしている」とし、提訴は2国間の問題のみならず条約システムそのものに対する挑戦だと非難。ICJは確定した国境についての審査権を持たないと主張している。
国民の悲願か それとも反米政権の人気取りか
裁判と並行してモラレス氏は、国内外で関心を高めることにも熱心だ。今年7月、ローマ法王がボリビアを訪問した際には、「海への出口」問題を解説した書籍を贈呈し、露骨に政治利用した。8月のアルゼンチン訪問ではフェルナンデス大統領に、同国が主張する英領フォークランド諸島に対する領有回復との「共闘」を呼びかけた。
インディオ出身で同国初の大統領となったモラレス氏は、反米をトレードマークに闘う姿勢で庶民の人気を得てきた。ところが近年、反米の盟友、ベネズエラのチャベス大統領の死去や米キューバ国交回復など、政治的には思わしくない状況が続く。
こうしたなかで「海への出口」問題は、敵を作って国内の求心力を高める格好のテーマだ。最近も「未来の海」と題した歌をつくるなど国民的な運動に高めようと躍起。ロイター通信は「結果はどうあれ、低下する人気の支えにしたいと思っているのだろう」と指摘した。
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