Updated: Tokyo  2015/09/03 00:04  |  New York  2015/09/02 11:04  |  London  2015/09/02 16:04
 

日本株3日続落、資源や素材安い-世界経済の不安強く乱高下

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  (ブルームバーグ):2日の東京株式相場は3日続落。世界経済の先行き不安や株安連鎖への警戒が根強く、日経平均株価は上下に300円以上振れる荒い値動きだった。海外原油市況の急反落を嫌気し、鉱業や石油、商社など資源株が安く、鉄鋼や非鉄金属など素材株、パルプ・紙株の下げも目立った。

TOPIX の終値は前日比12.12ポイント(0.8%)安の1465.99、日経平均株価 は70円29銭(0.4%)安の1万8095円40銭。

りそな銀行の黒瀬浩一チーフ・マーケット・ストラテジストは、「投資家は冷静に判断できていない。ボラティリティが高く、中国で正確な情報がない中、経済指標などファンダメンタルズよりも推測で動いている」と指摘。個人投資家は安値で買いを入れる一方、「長期投資家は嵐が過ぎるのを待っている状況」と話した。

きょうの日本株は、前日の米ダウ工業株30種平均が400ドル以上下げるなど、欧米株安の流れを受け下落して始まり、朝方に日経平均は308円安の1万7857円と8月25日に付けた終値での直近安値(1万7806円)を視野に入れた。

一方で前日にTOPIXはことし2番目、日経平均は3番目の下げ幅を記録。25日移動平均線からの乖離(かいり)は目先売られ過ぎを示す5%を大きく超えていたため、短期反発を狙う買いでその後切り返し、午後は301円高まで上げる場面もあったが、勢いは続かなかった。

TOPIXのボラティリティ、震災来の高水準

中国発の世界経済、市場混乱への警戒は根強く、投資家はリスク資産に慎重な姿勢を崩していない。米投資家の恐怖心理を示すシカゴ・ボラティリティ指数(VIX )は、1日に10%上昇の31.40と5日ぶりの高水準だった。りそな銀の黒瀬氏は、「VIXから過去の相場を見ると、米国株が高値を奪還するまでまだ先は長い。米国株が落ち着かないと、日本株は落ち着かない」と言う。TOPIXのヒストリカル・ボラティリティ は、10日平均で53%と東日本大震災のあった2011年3月以来の水準となっている。

国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は1日、ジャカルタで講演し、「世界の成長ペースは緩やかなものにとどまり、7月の予想よりも弱い可能性が高いと見込まれる」と発言。先進国やアジアの成長ペースが当初予想より緩慢との認識を示していた。

きょうの中国上海総合指数 は4.4%安で始まり、0.3%高で午前を終えたが、午後の取引でマイナス転換した。1日の取引で7.7%安の1バレル=45.41ドルと2カ月ぶりの大幅安となったニューヨーク原油先物は、アジア時間2日の時間外取引でも下落。世界の株式、商品市場は不安定な動きが続いている。

東証1部33業種の業種はパルプ・紙や鉱業、石油・石炭製品、鉄鋼、非鉄、卸売、海運など29業種が下落。陸運や医薬品、倉庫・運輸、空運の4業種のみ上昇。相対的にディフェンシブ業種は終日堅調だった。東証1部売買高は29億3995万株、売買代金は2兆9654億円。上昇銘柄数は339、下落は1482。

売買代金上位では三菱UFJフィナンシャル・グループ、マツダ、日立製作所、東芝、三井物産、伊藤忠商事、パナソニックが安く、ファーストリテイリングやファナック、JT、エーザイ、JR東海は高い。

記事についての記者への問い合わせ先:東京 佐野七緒 nsano3@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net 院去信太郎

更新日時: 2015/09/02 15:58 JST

 
 
 
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