「美空ひばり座」オープン!京都太秦に“引っ越し”

日本を代表する歌手、故美空ひばりさんの舞台衣装、台本など約500点を展示する記念館「京都太秦(うずまさ)美空ひばり座」が12日、京都・右京区の東映太秦映画村にオープンした。館内にはゆかりの品々がズラリと並び、シアターコーナーには初めて東映映画に出演した1949年以降の全93作品の復元ポスターを展示。映画で使用した衣装のケースには、名場面の写真約280枚が飾られている。

秋の京都。「美空ひばり座」の“引っ越し”祝いにこの日、約700人が駆けつけた。

5月に19年間続いた「京都嵐山美空ひばり座」を閉館してから、約5カ月。ひばりさんの長男でひばりプロ社長の加藤和也氏(42)は「思い出深い太秦での復活に感無量です」と喜びをかみ締めた。

嵐山でも飾られた等身大のブロンズ像や、1988年に闘病生活から復帰して行われた東京ドームでの「不死鳥コンサート」で着用した赤いドレスはもちろん、運営する東映ならではの試みも満載。ひばりさんのデビュー映画の1949年「のど自慢狂時代」を皮切りに全93作品のポスターを復元し、昭和30年代の映画館風景を再現した。

ひばりさんは170作品に出演。そのうち、63作品が東映の時代劇。撮影は太秦映画村に隣接する東映撮影所で行われただけに、今回の記念館はひばりさんが研鑽(けんさん)を積んだ思い出の地でもある。

そんな深い縁がある同地への“引っ越し”。きっかけは一部ファンの「京都からひばりちゃんがいなくなるのは寂しい。嵐山から太秦で継続してもらいたい」という声だった。

ファンの声を聞いた加藤氏は当時、嵐山の記念館の引き渡しが4日後に迫っており、アポなしで東映の岡田裕介社長(64)を訪れ、太秦への移転を依頼。「1日もたたないうちに返事をいただいた」と振り返った。この日、記念館を訪れた岡田社長も「ひばりちゃんも、おやじ(岡田茂東映名誉会長)も喜んでくれていると思う。ひばりちゃんが帰ってきてくれてうれしい。いい恩返しができた」と目を細めた。

老若男女が訪れる映画村の“新居”。加藤氏は「ひばりを好きだよ、と言ってくださる方がいる間は生きているときと変わらず、ひばりのサポートをしていこうと思います」とあいさつし、集まったひばりファンから大喝采を浴びた。

 
 
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