大阪市教育委員会は1日、市立小中高校の運動会で実施されている組み体操「ピラミッド」「タワー」の段数を制限することを決めた。全国で組み体操中の骨折事故などが報告されていることを受けて、規制に踏み切った。組み体操の段数制限は全国でも珍しいという。

 四つんばいになって重なるピラミッドの高さは5段まで、肩の上に立って重なるタワーは3段までに制限する。市立幼稚園や特別支援学校も対象にする。大森不二雄委員長は「組み体操が運動会の華であり続けて良いのか。『いくらなんでも』と言われないよう上限を設けた。実施にあたっては、安全性が確保できるか校長が慎重に検討し、不安を覚えたらやめていただきたい」と話した。

 市教委は7月、市立小中高446校を対象に組み体操の実態を調査。ピラミッドは6段以上が小学校で143校、中学校で28校あり、中学校1校では最高の9段を組んでいた。タワーは4段以上が小学校で42校、中学校で26校、高校で2校あり、最高の5段は小学校で22校、中学校で11校、高校で1校あった。

 ピラミッドの9段は高さ6~7メートルで建物の2階相当、タワーの5段も3~4メートルに達する。