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ネットの書き込み 大きな役割

09月01日 19時40分

2020年東京オリンピックのエンブレムについて、佐野研二郎氏のデザインしたエンブレムの使用が中止されることになった今回の騒動。
一連の経緯では、ネット上に佐野氏のデザインを独自に検証するサイトが相次いで立ち上がるなど、ネット上の書き込みが終始、大きな役割を果たしました。
一方で真偽が定かでない情報がネット上に拡散し、デザインを採用した自治体が対応に追われるケースも見られました。

騒動は、発端からインターネット上の書き込みによるものでした。
佐野氏がデザインしたエンブレムが発表された3日後の、7月27日、ベルギー在住のグラフィックデザイナー、オリビエ・ドビ氏が、ツイッターやフェイスブックなど、インターネットの交流サイトで、2年前に自らが制作したベルギーのリエージュ劇場のロゴに「驚くほど似ている」と指摘したのです。
その書き込みがインターネット上で拡散し、「盗用ではないか」などといった疑惑が広がっていきました。
こうした指摘に対して、佐野氏は会見を開いて、盗用を否定。
大会の組織委員会も、問題ないという認識を示しました。
しかし、そのあとも、ネット上では佐野氏の他の作品のデザインも含めて独自に検証するページが次々と立ち上がりました。
インターネット掲示板「2ちゃんねる」では、大手飲料メーカーがキャンペーンのプレゼントとして制作したバッグの佐野氏のデザインが、ほかのデザイナーの作品と似ているものがあると指摘され、双方の画像が比較できるサイトへのリンクが多数、掲示されました。
これについて佐野氏は、8月14日、自身の事務所のデザイナーがバッグのデザインについて第三者のデザインを流用したことを認めました。
メーカーは30種類のデザインのうち、8種類について取り扱いを中止しました。
ネット上では、さらに名古屋市の東山動物園のシンボルマークが、南米・コスタリカの国立博物館のマークに、また群馬県太田市の公共施設のロゴが、アメリカのデザイナーの作品に似ているという指摘まで出てきました。
これについて大田市は「問題ない」という認識を示しています。
そして8月29日頃からネット上で話題になっていたのが、去年11月のエンブレムの審査の際に佐野氏からの応募資料でエンブレムの展開例として提示された、2つの画像の無断転用の疑惑です。
羽田空港のロビーにエンブレムの描かれたポスターなどが掲示されている画像と、渋谷駅前のスクランブル交差点で周辺のビルの壁などにエンブレムが掲載されている画像の2点が、個人のブログや投稿サイトの画像を勝手に使っているというものでした。
これについては、組織委員会が佐野氏本人に事実関係を確認したところ、佐野氏が無断で転用したことを認めたことが1日、わかりました。
そして、1日午後になって、佐野氏のデザインしたエンブレムの使用を中止する方針を固めたことが報道されると、ネット上には「ネットの大勝利」や「2ちゃんねるの力が大きい」などといった書き込みが相次ぎました。
一方で、一連の経緯の中では、真偽が定かでない情報がネット上に拡散し、デザインを採用した自治体が対応に追われるケースも見られました。

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