「まんがseek」はなにかと聞かれたら、「世界最大のマンガ専門データベースです」と答えています。まあ競う相手はせいぜいWikipediaくらいなのですが。
(ちなみに「まんがseek」はWikipediaより早く誕生しています)
じっさい、田河水泡も手塚治虫も、鳥山明も井上雄彦も、尾田栄一郎も諫山創も全員登録されてますし、彼らのデビュー作もわかる範囲で網羅しています。
ではデータベースをつくることが目的なのか、というと半分は正解なんですけどもう半分はちがうんですよね。
ぼくは最終的には「マンガ好きな人が集まってわいわい話せる場所」をつくりたいと思っています。
だけどただ掲示板をつくっただけで盛り上がったのは2chが最後で、Yahoo!ですら掲示板はうまくいってません。mixiのコミュニティはいまも一部活発なところもあるみたいだけど、大多数は閑散としています。
なぜうまくいかないのか。
逆説的だけど「人を集めようとするから」うまくいかないんじゃないかとぼくは思ってます。そこにいって話すことを目的にしてしまうとめんどくさくなるんですよね。
だからまずはそこにいく理由を別のものにすることが大事だと思うのです。
具体的には「資料として使える」利便性とかですね。そうやって同好の士が集まってきてようやく会話が生まれるわけです。
データベースは目的であり、同時に手段でもあるというのがぼくの考えです。
最近はじめたコンテンツもデータベースを活かすようにつくっています。
ニュースも、レビューも、まとめ記事やイベントレポートもすべての記事にはIDを付与しています。外部サイトのブログ記事にもIDを付与すればインターネット上のすべてのコンテンツを間接的に取り込むこともできます。
そうやって「まんがseek」の各漫画家や各作品のページがポータルのように情報が集約されていくことで「チェックしとくと便利だな」と思ってもらえるようになって(まあそのためにはRSSとかメールとかチェックしやすい仕組みも用意したいところですが)、そうやって同じ漫画家や、同じ作品に興味を持ってる人が集まってはじめて会話が生まれるんじゃないかなと思ってます。
時間のかかる話ですが、そうやってじっくりつくられたコミュニティは息が長いのです。もっともこれは10年前の経験談なので、いまもそうかはやってみないとわかんないですけどね。
いいかえれば「会話の肴」としてデータベースがあるわけですが、だからこそ中途半端なデータベースじゃダメなんです。
データの量も質も圧倒的に充実してて、それが使いやすく提供されていることが必須の条件なのです。
お休みしていた10年間のブランクを埋めることはかなり大変ですけど、デビュー当時の読み切りや、コミックスにだけ収録された描き下ろしまですべて網羅されたデータベースがあると、どんな話題でも追っかけられるんです。
まずはあなたの本棚にあるマンガをチェックしてみていただけるとうれしいです。
もし未登録の漫画家や作品があればぜひ登録してください。「最高に使える」データベースをいっしょにつくりましょう!