記念館の「朝鮮半島コーナー」には「大韓民国臨時政府」と書かれたバッジや臨時政府が発行したさまざまな証明書、冊子など臨時政府関連の写真や文献が多い。41年2月、金九主席が抗戦記念日に発表した「同胞に告げる書」と同じ時期、光復軍総司令部政訓処が発行した「光復」創刊号なども展示されている。
光復軍の隊員証には、金九主席と独立運動家の李時興先生の写真が貼られている。隊員証の第1項には「われわれは民族と国家のために身をささげる」と書かれている。安重根(アン・ジュングン)義士のおいで光復軍の隊長を務めた安椿生先生の足跡も詳しく紹介。安先生が中国の軍官学校を卒業した際の卒業証書を展示し「33年12月、陸軍軍官学校洛陽分校は(韓国人のための)特別班を設置した。その後、特別班の卒業生は光復軍の骨幹になった」と説明した。
記念館の趙芸研究員は最近の論文で「蒋介石の国民党政府だけでなく、毛沢東と周恩来が率いる中国共産党も大韓民国臨時政府を積極的に支えた」と指摘。その上で「中国共産党は当時、機関紙を通じ、臨時政府の軍事活動を宣伝し、その後臨時政府が光復軍創設と共に、国内進攻作戦を模索するきっかけになった」と説明した。共産党が臨時政府を支援したのは、32年の尹奉吉義士による義挙以降、臨時政府が上海を離れ、重慶に定着した時期だったという。
中国紙・環球時報は最近の社説で、朴槿恵大統領の軍事パレード参観の理由として「中国が臨時政府に潜伏先を提供した」との点を挙げている。
中国は1987年、蘆溝橋事件50周年に合わせ、盧溝橋近くに記念館を建てた。当時のトウ小平中央軍事委員会主席が館名の揮毫を行った。習近平国家主席は昨年7月、日帝(日本帝国主義)の侵略者を「日寇」と呼び「侵略の歴史の否定と歪曲(わいきょく)、美化を中国国民は絶対許さない」と述べた。
先月再開館した記念館は、日帝の蛮行と中国の抗戦に関する写真1170点と文献・史料2834点を新たに公開した。中国共産党だけでなく、国民党の蒋介石の活躍、中国で日帝と戦った米航空隊員の写真、現在中国と領有権問題で対立するベトナム、フィリピンの抗日史も紹介した。
香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは30日、国民党所属の参戦軍人が今回の中国の軍事パレードに出席すると伝えた。その上で、中国が中華の団結を強調するにつれ、中国では無視されてきた国民党の抗日戦争の功績に対する評価も肯定的なものに変わってきていると指摘した。