中国の抗日戦争記念館、大韓民国臨時政府の史料充実

中国の抗日戦争記念館、大韓民国臨時政府の史料充実

 中国が抗日戦争勝利70周年を迎え、北京郊外の中国人民抗日戦争記念館を再開館し、尹奉吉(ユン・ボンギル)義士や光復軍の写真など大韓民国臨時政府関連の史料を大幅に充実させたことが29日までに分かった。中国政府は同日、内外記者約50人による視察取材ツアーを行った。同記念館は半年間の展示物入れ替え作業を行い、先月再開館したばかりだ。

 記念館は「朝鮮半島(韓半島)の独立運動への支援」と題するコーナーを設け、関連史料約30点を展示した。尹義士の写真や上海義挙(上海天長節爆弾事件)の内容を壁面の中央で紹介し、上海から重慶まで8回も移動した臨時政府の苦難の歴史を表で整理している。金日成(キム・イルソン)が写っているとされる「東北抗日聯軍」の代表的写真も、尹義士の写真の下に配置された。

 しかし、写真説明には「中国共産党の領導で東北部の朝鮮人民は対日戦争に積極的に身を投じ、東北抗日聯軍の一部となり、(中国と)共同で日本の侵略者と戦った。写真は聯軍の朝鮮人戦士」と書いてあるだけだった。「金日成」という名前は記載しなかった格好だ。一方、中国のポータルサイト「百度(バイドゥ)」で同じ写真を検索すると、登場人物4人の一番左が金日成だという説明が付いている。

 記念館は金日成とは対照的に、臨時政府の金九(キム・グ)主席、光復軍の安椿生(アン・チュンセン)先生、李時興(イ・シフン)先生の写真と名前を紹介している。中国が金日成ではなく、臨時政府を強調したのは、韓国に対する「友好メッセージ」とみられる。韓国は臨時政府からの正統を引き継いでいるが、北朝鮮は臨時政府を低く評価しているからだ。韓国の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は9月4日に上海で開かれる臨時政府庁舎再開館式に出席する。

 抗日戦争記念館の展示には、太極旗(韓国国旗)をバックにした尹義士の脇に「1932年、朝鮮の抗日義士、尹奉吉が上海・虹口公園で日本軍の大将、白川義則を爆殺した。同年12月、日本で壮烈に正義のため犠牲になった」と書かれている。

 1940年9月17日の韓国光復軍創設式の記念写真には「光復軍が中国政府の支持で重慶に設立された」との説明がある。光復軍の訓練写真、44年11月の光復軍訓練班第1期卒業式の写真も登場する。抗日戦争当時、韓中が手を結び、武装闘争を行ったという事実を強調する狙いがあるとみられる。

 記念館は今回展示を大幅に入れ替えたものの、朝鮮義勇隊の兵士が丘の上に「中韓両民族が連合し、日本の強盗を打倒しよう」という文字を刻んだ写真は入れ替えなかった。一方、北朝鮮に関連があるとされる東北抗日聯軍と朝鮮義勇隊の史料は3-4件にとどまった。北京の外交筋は「中国が北朝鮮より韓国を身近に考えていることを暗示する証拠だ」と指摘した。

北京= アン・ヨンヒョン特派員
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