「戦争させないしない! (憲法)9条壊すな!」
一日中雨が降った30日午後、日本全国の各地で一般市民たちが集まった。安倍晋三首相が強行処理しようとしている安全保障法案を廃案にするよう声を上げるためだ。東京都内の国会議事堂前には12万人が集まり、大阪・名古屋・福岡など主要都市300カ所でも同時に集会が開かれた。2012年7月に東京で行われた反原発デモに約17万人が集まったことはあるが、政権に反対して市民が行った集会としては日本で過去最大規模だった。
東京都内の集会では、国会議事堂の正門に続く往復10車線の道路が人でいっぱいになった。慌てた警察は異例にも議事堂前に警察車両でバリケードを築いて「安倍要塞(ようさい)」にした。参加者は官公庁が密集する霞が関や日比谷公園まで取り囲み「安倍政権退陣」「安保法制廃案」と叫んだ。マツダ・マサノブさん(73)は「きょうは天気が良かったら20万人以上が集まっていただろう。国民の怒りを政府は思い知るべきだ」と声を荒らげた。参加者は母親に抱っこされた幼い子どもから制服姿の生徒、白髪交じりの高齢者まで、あらゆる年齢層にわたっていた。民主党・共産党・社民党・生活の党の4野党党首も全員集まった。日本を代表する作曲家の坂本龍一ら著名人がスピーチを行い「ここに来て、民主主義を取り戻す。とても大事な時期だと思う」とデモ隊に呼び掛けた。