[ニューヨーク/ボストン 24日 ロイター] - 中国株が急落し、中南米諸国にも打撃が及んでいるため、新興国市場に特化した米ファンドは中国やブラジルに重点を置いた従来の投資戦略をあきらめ、底堅い米経済やユーロ圏経済の恩恵を受けそうな地域へと目を転じている。
フェデレーテッド・インベスターズ(FII.N)やウェルズ・ファーゴ(WFC.N)、ワサッチのファンドマネジャーは、中国株が急落を始めた6月以来、メキシコやポーランド、インドの企業に資金を移している。
これは過去数年間とは様変わりだ。多くのファンドマネジャーはこれまで、高成長が期待され人口動態も魅力的な中国やブラジルは、今後数年間アウトパフォームすると予想していた。
ワサッチ新興国市場小型株ファンド(WAEMX.O)の共同ポートフォリオマネジャー、スコット・トーマス氏は「目下はディフェンス(安全な投資)一色だ」と言う。
トーマス氏は中国を「非常にアンダーウエート」とし、中国の銀行株を売ってクレディト・レアル(CREAL.MX)などメキシコの金融機関株を買っている。メキシコは中国やブラジル同様にコモディティに依存している部分も多少あるが、輸出の約8割は米国向けだとトーマス氏は指摘する。
フェデレーテッド新興国市場株ファンド(FGLEX.O)の共同ポートフォリオマネジャー、ジェフリー・パザニーズ氏も、米ウォルマート・ストアーズ(WMT.N)のメキシコ部門、ウォルメックス(WALMEX.MX)などのメキシコ株に資金を移している。年初頃には一切所有していなかったロシア株も買い始めているという。
ロシアは原油安とルーブル安で打撃を受けた。しかしパザニーズ氏は、西欧経済の成長が加速しているとし、「ロシアの原油価格はある時点で底入れするだろう。そろそろ腰を上げるのに良い時期のようだ」と話した。
<中国株への強気崩さず>
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