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【蹴球論】総額140億円でここまでできる…知恵を絞った「G大阪」新スタジアム“7つの秘密”

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【蹴球論】
総額140億円でここまでできる…知恵を絞った「G大阪」新スタジアム“7つの秘密”

工事が進む新スタジアム(手前)。奥は大型複合施設「エキスポシティ」=8月3日(本社ヘリから)

 総額約140億円で、ここまでできる-。企業や個人から寄付金を募る形で建設費の大半を捻出した日本初のスタジアムが今秋、大阪府吹田市の万博記念公園に完成する。来春にオープンし、G大阪の本拠地となる新スタジアムの7つの“秘密”を紹介する。

 (1)最短7メートルの臨場感

 最大の魅力は「臨場感」だ。観客席とピッチとの距離は、同規模のスタジアムとしては国内で最も近い7メートル。最前列とピッチレベルの高低差も1・5メートルしかなく、目の前で選手の白熱したプレーを堪能できる。ベンチがスタンドの一部に組み込まれているのも特徴で、観客の視界を遮らないよう工夫している。

 (2)回遊可能なフロア

 入り口の階段を上り、観客席のある3階のフロアにたどり着くと、ピッチが前面に広がる。「(来場者に)おーっとなってもらいたいという思いがありました」とG大阪スタジアム建設担当の本間智美主任。外周部分にはバラエティーに富んだ売店が並ぶ。その数は29店舗。3階のフロアは仕切りがなく回遊可能で、反対側のスタンドにある売店にも行くことができる。また、トイレはひとつ下の2階部分にまとめ、動線が重ならないよう配慮してある。

 (3)芝にも「優しく」

 「優しい」のは観客に対してだけではない。芝の養生を助けるため、ピッチレベルには自然の風を取り入れる通風口が設けられている。G大阪が現在、本拠地として使用している万博記念競技場は地下に浄水池があることなどから、芝の質には定評がある。本間主任は「新しくなって悪くなったと言われたくありませんでした」と振り返る。

(次ページ)工期も短縮“プラモデル”工法…電気代も隣接の複合施設と一括…

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