シャープ:売上高3割の主力・液晶事業の売却を検討
毎日新聞 2015年08月28日 10時31分
経営再建中のシャープが主力の液晶事業を売却する検討に入ったことが28日分かった。社外に分社化した後、他社から50%超の出資を仰ぎ、連結対象から外す考え。液晶パネル大手のジャパンディスプレイ(JDI)や電子機器の受託製造大手、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業と今後、交渉を進める。需要動向により業績が大きく変動する液晶を柱の事業に据えたままでは、経営は安定化しないとして、単独での事業立て直しを断念する。
シャープにとって液晶は、売上高で全体の約3割を占める主力事業。しかし、過去の巨額投資で生産能力が過剰で、不振が続く。シャープはスマートフォン(多機能携帯電話)向けの中小型パネルについて、昨年以降、中国の新興大手向け出荷を増やすことに注力してきたが、中国経済の減速で需要が急減。2015年4〜6月期は柱の事業ながら137億円の営業赤字に陥った。シャープは液晶事業の業績が今後、さらに悪化しかねないとみて、連結対象から外すべきだと判断した。売却額は1000億円を超える可能性もある。株式の50%超を他社に持ってもらえば経営が安定するほか、成長投資も提携先と分担できる利点がある。
シャープは10月1日付で液晶など5事業に社内分社化する計画で、資産や負債を事業ごとに分ける作業を進めており、資産査定を経て、出資額や具体的な条件を本格交渉するのは秋以降とみられる。一方、液晶事業の業績がさらに悪化すれば、16年3月期で連結営業利益800億円の目標達成が厳しくなりかねないため、年内に売却にめどを付けることを目指す。
提携先を巡っては、シャープや主力取引銀行では多くの思惑が交錯しており、交渉の行方は流動的。仮にJDIに事業を売却すれば、JDIが中小型パネルで世界の3割超のシェアを握ることになる。売却が独占禁止法に抵触すると判断されれば、交渉が暗礁に乗り上げかねない。一方、鴻海については、売却で期待する資金が得られるか不透明なうえ、技術が海外企業に流出するリスクも否定できない。
シャープの高橋興三社長は7月末の記者会見で、「他社とのアライアンス(提携)や分社化など、広い範囲でいろんなやり方を検討したい」と表明していた。【宇都宮裕一】