海外で虫刺されと言えば、蚊も問題になるが、南京虫も問題になる場合があるようだ。
トコジラミという虫で、寝ているときに刺してきて、強いかゆみを引き起こす。
このところ米国では虫が急増中で、「来襲」が増えているという。日本からは外務省も米国に限らず海外での被害に注意を促している。
予防策もあるようで、海外滞在の際には参考にしたい。
帰ってきた南京虫
今回、米国ベイラー医科大学の研究者が南京虫対策の情報を提供している。米国皮膚科学会がこの8月にその内容を紹介する。
研究者によると、南京虫の数が米国全体で過去数年間にわたって増加している。
旅行者が「来襲」の被害に遭う場合も珍しくないようで、このところの増加は南京虫の「復活」ととらえられるようだ。
ゴキブリ退治が思わぬ影響
一つの要因は、殺虫剤の禁止の動きがある。「DDT」と呼ばれる過去の殺虫剤が、化学薬品の人や環境への害のため使えなくなって、半面、南京虫が育つようになっている。
さらに、ゴキブリ退治も関係しているという。ゴキブリは南京虫の天敵となっているからだ。ゴキブリ向けの殺虫剤は多いが、南京虫に効かずゴキブリばかりいなくなっている。結果として、南京虫の天国が誕生しつつあるとう。皮肉な現象と言えそうだ。
さらに、人や物の移動も重要。飛行機による旅行で、南京虫が人と一緒に広がっている。さらに、南京虫は中古の家具にも付いていて、古びた家具の流行で広がる面もあるという。
南京虫も突然変異で強くなっている。移動が素早くなり、殺虫剤に耐性も持つようになった。南京虫を探し出したり、殺したりしづらくなっている。
部屋を変えたいほどに
今回の報告によると、旅行者にとってホテルの南京虫は部屋単位で対策するのがよいようだ。
部屋に落ち着く前にベッドの周り1mくらいの範囲で南京虫の痕跡を探すとよいという。
南京虫はベッドの角に住むつく傾向があるためだ。
南京虫は小さく、リンゴの種ほどの大きさ。南京虫やその卵は見つけるのは難しいという。南京虫の痕跡としては、吸った血液の染み、南京虫の排泄物、外側の殻、外骨格の黒い点などという。部屋の甘い、腐った匂いは虫を招きやすいという。
「ホテルの部屋で南京虫を発見したときは、旅行者はすぐにフロントデスクに戻り他の部屋を要求したい。部屋の両側や上下以外の部屋にすべき」と勧める。
さらに、旅行者は家に帰った時も、家に入る前に、手荷物に害虫がいないか確認するよう推奨する。南京虫を持ち込んでいるとみたら、旅行中に運んだ衣類を全て洗濯。カバンも掃除すべきと説明する。
最悪の症状とは?
南京虫にかまれた場合はステロイドを塗ってかゆみを軽くする。
幸い、南京虫に刺されたからほかの病気にかかることはないと知られている。さらなる治療は通常不要と説明する。
一方で、ひどくかまれた場合に貧血を起こす場合はる。もっともまれ。
最悪の症状は「肉体的ではなく精神的なもの」という。英語で「ベッドバグ(bedbugs)」と言うだけはある。できれば避けたいものだ。