(甲斐享)なんかさ2人でスポーツジム来るの久しぶりだね。
(笛吹悦子)そうだね。
あれ?太ったんじゃない?太ってないよ。
えっ本当?ああごめんなさい。
(桂馬麗子)ごめんなさい。
いってらっしゃい。
あれ?あの人どっかで見た事ない?見た事ある。
誰だっけ?誰だろう…。
あっ。
ん?この人だ!
(悦子)あっ桂馬麗子さんだ!そうだそうだ。
マラソン選手だ。
そうだ!すいません。
あの今の方って桂馬麗子さんですよね?ええ。
ランニングに行かれたんです。
ランニング?ああ外に行くんだ。
(2人)へえ…。
(悦子)もしかしてこれって桂馬選手が銀メダルを獲った時の?
(スタッフ)そうなんです。
ハハッ悦子バテバテじゃん。
さぼらないでください。
はい…。
あっ帰ってきた。
お疲れさまです。
あっ桂馬さん。
マッサージしなくていいんですか?ああ…今日はいいわ。
ああ…。
引退してるのにさトレーニング続けてるんだね。
だね。
ていうかさこれいつまで続けんの?あと5分で1時間。
頑張ってください!はい…。
ああ…。
(チャイム)
(大山直美)監督。
監督?あっ…監督!
(直美)監督!!
(杉下右京)桂馬麗子さんといえば13年前の世界大会で銀メダルを獲得したマラソンランナーですね。
ローマ大会です。
ええそうでしたねぇ。
いやぁすごいレースでしたよ。
一度は先頭集団から大きく離されながらも驚異的な追い上げを見せて…。
(実況)差が詰まる!残り20!桂馬追う!チェクチャバリード!桂馬来た!桂馬来た!桂馬来た!差が詰まる詰まる詰まる!桂馬追いついた!追いついた!並んだ並んだ並んだ!頑張れ桂馬!頑張れ桂馬!ゴール!最後のトラックではみるみる差を詰めてほとんど並んだ状態でゴールしましたからね。
ああそうでしたね。
しかし考えてみればカイトくん。
はい。
42.195キロ走ったあげくの差がほんの数センチというのですからマラソンというのもすごい世界ですね。
すごい世界ですねぇ。
ねぇ。
(角田六郎)相変わらず早いね。
もう今朝の事件に首突っ込んでんだ。
はい?なんです?あれ?違うの?今朝の事件とはなんでしょう?いやアポロン電機の陸上部の監督が自宅で殺されたんだよ。
えっ殺された…?ほらアポロン電機の陸上部っていえばな桂馬麗子が次の監督に就任するかもって噂になってただろ?だから事件について話してんのかと…。
コーヒーもらうよ。
どうぞ。
「桂馬麗子アポロン電機陸上部次期監督候補に」
(米沢守)死因は頭を殴られた事によるものだと思われます。
凶器はこちら。
死亡推定時刻は昨日の午後6時から8時の間です。
(伊丹憲一)凶器は現場にあったものか…。
室内に荒らされた形跡は認められませんが指紋を拭き取った痕跡がそこかしこに。
(三浦信輔)なんだよそこかしこって。
あ〜やっぱり!
(三浦)警部殿!おはようございます。
どうも。
おはようございます。
で?何をなさってるんですか?我々の事はお気になさらずに。
気に…。
ああもう面倒くせえ!あ〜なんだ…。
あっ指紋か。
犯人が触ったとこを拭き取ったって事か?まあおそらくそういう事だろうと思われますがただ冷蔵庫のドアノブにも指紋を拭き取った痕跡が…。
冷蔵庫…。
上の冷凍庫の方ですけどもね。
何も入ってませんね。
何かを持ってったんでしょうか?おお…。
警部殿!もう…。
こういう事は我々が調べますから!これは失礼。
怨恨による衝動的な殺人か?
(芹沢慶二)先輩。
表に被害者の関係者が来てます。
おう。
どうも。
どうも。
いいから行けほら。
ちょっといいっすか?何度もすみません。
もう一度お話聞かせて頂けますか?すいません。
どうぞこちらへ。
(芹沢)何度もすいません。
アポロン電機陸上部の皆さんです。
(北島治彦)部長の北島です。
(竹沢美枝)コーチの竹沢です。
アシスタントコーチの大山です。
彼女が第一発見者です。
被害者の高木さんは今朝陸上部の早朝練習に来なかったそうで。
で電話も繋がらず自宅に様子を見にきたら…。
亡くなってた。
(芹沢)ええ。
あああと大山さんの携帯電話に昨晩被害者からメールが。
あっどうもすいません。
ありがとうございます。
これなんですけど。
(三浦)「その件は明日で構わない」。
なんだ?その件って。
書類にハンコをもらうのを忘れていたそうでそれをもらいに自宅に行くっていうメールの返事だそうです。
(伊丹)19時45分。
死亡推定時刻は18時から20時の間。
被害者はこの時間までは生きていたって事か。
あの…亡くなった高木監督が何かトラブルを抱えていたというような事はありませんでしたか?やはり…監督問題ですかね。
それは桂馬麗子さんが就任するかもしれないという話の?ええ。
最近うちの会社社長が代わりまして。
社長は陸上の事はわからないんで桂馬さんの知名度だけ利用しようと目をつけてたんですよ。
会社のいい宣伝にもなると考えたようで。
(三浦)そうなんですか…。
まあ社長は陸上部の過去の事はご存じないので。
(伊丹)何かあったんですか?
(北島)桂馬さんはうちを辞めていったあとに活躍しだした選手ですから。
それが監督として戻ってくるというのはやはりちょっと抵抗があるんですよ。
なるほど。
念のため昨日の18時から20時までの皆さんの行動を教えてください。
えーっと…私は夕方本社で社長と面談を。
ちょうど監督人事の話を。
私は残業で事務所にいました。
日誌をつけたり雑務を。
えー竹沢さん。
私は事務所を6時過ぎに出て帰宅中でした。
でも忘れ物をしてしまっていったん事務所に戻りました。
確かに大山さん日誌をつけていて…。
(直美の声)そうでしたね。
その時に高木さんからメールの返信が来たんです。
監督からだ。
(直美)「その件は明日で構わない」ハンコもらうの忘れちゃって。
あら。
(伊丹)昨夜高木さんが何時頃事務所を出たかわかりますか?定時に…5時だったと思います。
そうですか。
あのー我々本社に報告に行かないと…。
あっ…ええ結構です。
じゃあ失礼します。
(芹沢)ありがとうございました。
じゃああと頼むね。
ひとつよろしいですか?桂馬麗子さんがアポロン電機を辞めた理由というのはなんだったのでしょう?桂馬さんは追い出されたんです。
えっ?桂馬さんは駅伝大会の予選で棄権してしまったんです。
脱水症状からくる足の痙攣で止まってしまって…。
(実況)アポロン電機の桂馬選手にアクシデントです!あーっと倒れた!倒れこみました!起き上がるか?起き上がれるのか!?競技続行は無理でしょう。
起き上がれません!審判員からタオルがかけられ無念の途中棄権です!毎年連続で繋げてきたたすきが今…今途絶えました!そうだったんですか…。
あの…高木監督は桂馬さんがうちの監督になる事は絶対にないと言っていたんです。
それはどうしてです?理由はよくわからないんですけど。
あまりにもはっきりとおっしゃったので気になったんです。
そうですか。
ありがとうございます。
(生徒)お願いします。
(麗子)あっはーい。
(生徒)お願いします。
(麗子)はい。
桂馬さん?あっやっぱりそうだ。
桂馬麗子さんですよね?あはい…。
警察です。
少しお話を聞かせて頂きたいんですがよろしいですか?ええ。
アポロン電機の高木監督が亡くなったのはご存じですか?高木さんが…?何者かに殺害された疑いがあるんですよ。
殺された!?ええ。
高木さんはあなたがアポロン電機の陸上部の監督になる事を快くは思ってなかったようです。
まあそうでしょうね…。
まさか私が高木さんを殺したとでも…?いえ特にそういうわけでは。
関係者の方々に色々と事情を聞いて回ってるところですので。
別に高木さんだけじゃないでしょ。
はい?私が監督になるのを快く思っていないのは。
うんまあ…そんな感じでしたね。
それなら高木さん一人いなくなっても私にはあまり意味がないという事です。
高木さんはあなたが監督になる事は絶対にないと周囲の人間に話していたんですが何か心当たりは?さあ…。
そうですか。
参考までに昨日の18時から20時までの間どちらにいらしたか教えてもらえますか?その時間は…。
その時間はスポーツジムにいた。
…ですよね?ああ我々も警察です。
杉下と申します。
同じく甲斐です。
なんなんだよ!実は俺も昨日その時間同じジムにいたんです。
(麗子)えっ?
(三浦)警部殿!そういう話はこちらに入れておいてくださいよ。
それを伝えに追いかけてきたんですよ。
あの…そうなんですか?ええ。
でも間1時間ほど外に出られてましたよね?ランニングで。
ん…?そうなんですか?ええ。
ああそれが桂馬さんのトレーニングメニューなんです。
すいません。
ジムのスタッフに確認してきました。
そう。
どこを走ってらしたんです?いつものコースを。
(伊丹)それは?ジムと氷川神社の往復です。
(伊丹)そのジムなんですが…。
代々木のルネサンスです。
代々木。
ありがとうございました。
また伺うかもしれません。
行こう。
(三浦・芹沢・伊丹)どうも。
(杉下・享)どうも。
まだ何か?アポロン電機陸上部監督には就任なさるおつもりですか?ええ。
私はアポロンに対して感謝しているんです。
感謝ですか?そもそもアポロンは駅伝に力を入れていてマラソン選手の育成はしていなかったんです。
私はアポロンを追い出されたおかげでマラソンで成功出来たんです。
ああ…なるほど。
気になりますよねぇ。
何がですか?被害者の高木監督は桂馬さんは絶対に監督にはならないと確信していたそうです。
ええ。
それにはやはり何か根拠があると思うのですがねぇ…。
(伊丹)氷川神社周辺…。
裏取れました!確かに桂馬麗子は19時28分にスポーツクラブのあるビルを出て20時31分に戻ってます。
その間にスポーツクラブから氷川神社までを往復したと本人は言ってるが…。
しかし殺害現場である高木さんのマンションで高木さんを殺害しスポーツクラブに戻るのも十分可能だ。
よし!じゃあこの2つのコースを徹底して洗うぞ。
(一同)はい!被害者が19時45分に送ったとされるメール偽装されたものでした。
携帯電話も指紋が拭き取られた跡がありました。
おそらくあのメールは犯人が送ったものでしょうな。
だとすると妙ですねぇ。
犯人はどうしてメールを送る必要があったのでしょう?それはあれっすよ。
発覚を遅らせるためじゃないですか?はい?被害者に送られてきたメール。
返信しないと大山さんが自宅に訪ねてくるような内容でしたし。
なるほど。
被害者ですが。
はい。
今日は本社の人事部へ行く予定があったようですねぇ。
え?あのお二人は何か探してらっしゃるんですかね?
(2人)ええ。
一体何を…?手掛かりという意味では手当たり次第でしょうかね。
なるほど…。
手当たり次第ついでにパソコンの中身も拝見出来ますか?どうぞ。
(米沢)被害者のデジカメ画像のフォルダです。
陸上部関連の写真ばかりですなぁ…。
うん…。
これが最後のフォルダです。
なんだろう?この写真。
おや上星高校。
えっ知ってるんすか?ええ。
陸上の名門校ですよ。
ハッなんでもよく知ってますねぇ。
(ホイッスル)
(岸村俊子)はいペース落ちてるよ!上げて上げて上げて!斉藤視線落ちてる!目線上げて!
(俊子)いけいけ!いけ!写真の子ですね。
ええ。
(俊子)50515253!遅いよペース上げて!
(ホイッスル)
(俊子)見せて。
(俊子)うーん…。
すいません。
はい。
陸上部の顧問の先生ですか?ええそうですけど。
警視庁の杉下と申します。
同じく甲斐です。
あの…この写真について少しお話を伺いたいんですが。
南条遥ですね。
南条が何か?いえ大した事ではないのですがこれはどのような写真なのでしょう?秋に都の大会があってうちが優勝したんです。
その時OBからの寄付金を南条が代表して受け取ったんですよ。
そうですか。
(俊子)こちらがOBの建設会社の社長さんでこちらはその知り合いの方ですけど。
南条さんにこの写真の事を少しお話伺ってもよろしいですか?ああ…かまわないですよ。
(南条遥)すいませんなんか。
でもやっとかないと怪我に繋がる事もあるので。
かまいませんよ。
よいしょ。
おお…。
それもストレッチなの?あっこれは違います。
足にたまった乳酸をとるっていう。
へえ〜。
やっぱり世界目指してるの?夢は…。
でも無理かなって思ってます。
どうして?私去年の駅伝の予選で止まっちゃったんです。
そのせいでたすきを繋げなくなっちゃって…。
一時は陸上をやめようかなって。
ああ…ごめんねなんか嫌な事話させちゃったかな。
あっいいんです!こうして人に話す事も克服する助けになるってアドバイスされたし。
アドバイス?ええ。
桂馬麗子さんがアドバイスしてくれたんです。
おや。
桂馬さんに?はい!びっくりしちゃいました。
憧れの桂馬麗子さんがいきなり学校に来て私に会いたいって言うから。
桂馬麗子さんもこちらのご出身なんですか?違いますけど桂馬さんも私と同じ経験してたからほっとけないって言ってました。
失敗とうまく付き合えるようにする事かな。
あの時あんな事さえなければっていうんじゃなくてあれがあったからこそ今があるんだって思えるようにするの。
とりあえず走ってみたら?走り出したら気持ちが変わるかもよ?
(遥の声)私本当桂馬さんには感謝してるんです。
そうだったんだ…。
あっもういいですか?突然すみませんでしたね。
ありがとう。
失礼します。
(遥)お待たせ〜!高木さんが持っていた写真に写っていた南条さんと桂馬さんには繋がりがあった。
ありましたねぇ。
(山本)ええ。
高木さんの方から会いたいと。
高木さんはどんな用件だったんですか?
(山本)詳しい事は聞いていませんが見せたいものがあるって言ってました。
見せたいものですか?ええ。
とりあえず会ってからという事で何を見せたかったのかは聞いていませんが。
見せたいものってなんだったんでしょうね?ええ。
なんだったのでしょうねぇ。
(麗子)すいません。
もう少し先までお願いします。
はい。
南条遥さんにお会いしてきました。
えっ?上星高校陸上部の南条遥さんです。
駅伝の予選大会であなたに似た経験をされた。
会って励まされましたよね?彼女あなたが会いにきてくれた事に感謝してましたよ。
そう…。
ところであなたはどうして彼女に会いにいかれたのでしょう?それは彼女が駅伝で棄権して落ち込んでいたから。
なるほど。
ではなぜご存じだったのでしょう?えっ?彼女が陸上をやめたくなるほど悩んでいた事を。
それは…誰かに聞いたんだと思うわ。
どなたでしょう?忘れたわ。
(伊丹)特命係の杉下警部と…こらっカイト!ああどうも。
どうも。
どうもじゃないでしょ!まあまあまあ…。
桂馬さん。
スポーツクラブと氷川神社を往復する道のりにある防犯カメラ調べたんですけどね。
一切あなたの姿映っていませんでした。
えっ?あなた本当は高木さんのマンションに行ったんじゃないですか?映らないコースを走ったのかもしれませんね。
それはどのコースですか?覚えてないわ。
その日の気分によって走るコースは違うので。
そうですか。
もういいですか?授業があるので。
桂馬さん。
ひとつだけよろしいですか?この写真にお心当たりはありませんか?南条さん?ええ。
亡くなった高木さんがお持ちになってた写真なんですが。
心当たりはありません。
そうですか。
失礼。
ふーん…。
色んなもんをお持ちですねぇ特命係は。
一体どこからそんなものを…。
とあるところから。
(芹沢・三浦・伊丹)とあるところ…。
防犯カメラに映らずにスポーツクラブと氷川神社を往復出来る最短のコースですねぇ。
桂馬麗子さんなら1時間で往復可能でしょうね。
何もハプニングがなければ可能でしょうね。
ええ?俺でも1時間ちょいでいけると思いますよ。
いけますか?いけるんじゃないっすか?…なんすか?何も本当に走んなくても…。
準備はよろしいですか?はい。
いつでもどうぞ。
ちゃんと走ってくださいね。
ちゃんと走りますよ。
ではいきますよ。
はい。
用意スタート。
あれか。
オーケー。
楽勝じゃん?マジかよ…。
あれ?おい…。
(拍手)よし。
はいフィニッシュ!杉下さんタイムは?2時間5分15秒。
君ちゃんと走りましたか?ここ2〜3年こんなちゃんと走った事ないっすよ。
そうですか。
いくら桂馬さんといえどもこのコースを1時間で走りきるのは無理でしょうねぇ。
坂とか工事現場とか地図に載ってないもんな。
これで桂馬さんが嘘をついていた事がわかりましたね。
カイトくんどうもありがとう。
わかりました…。
失礼します。
はい。
桂馬さんちょっとよろしいですか?なんでしょう?一昨日の事ですがやはり氷川神社へは走っていないようですね。
いきなりなんですか?俺走ってみたんですよ。
防犯カメラに映らない最短コースを。
走った?ええ。
でもあのコースいくら元銀メダリストの桂馬さんでも1時間じゃ無理ですね。
(ため息)桂馬さん。
すいません。
嘘をついていました。
おやお認めになるんですね?ええ。
本当は桜木公園の方へ走っていたんです。
えっ?いつもと違うコースを走っていた事がわかると疑われてしまう気がして。
ちょっとそんな…。
なるほどそういう事でしたか。
ちょっと杉下さん…。
いいんですか?ええ。
ご本人がそうおっしゃってるんですから。
失礼。
(ため息)嘘…。
ついてますねぇ。
嘘をつく。
理由があるという事です。
桜木公園…。
(舌打ち)こっちも走ってやろうかな。
暇か?暇じゃないっすよ。
知ってるよ。
久しぶりに言ってみたくなっただけだよ。
はいはい。
あれ?なんだこれ。
ん…?これって朝比奈組の田代じゃねえの?えっ?こいつ。
これヤクザ?うん。
何よ…。
この写真に心当たりありますか?高木さんが持ってたんですけど。
さあ…。
いえ…。
どなたなんですか?南条遥さんという高校生です。
陸上部に所属しています。
彼女桂馬さんとも親交があったんです。
ああそうなんですか。
もしかしてこの選手アポロンでスカウトするような話があったんじゃないかなと思いまして。
いえ。
竹沢さんどう?いえありませんよ。
そうですか。
実はこのお金を渡してる人物暴力団関係者なんです。
そういう事ならうちはとらないと思いますよ。
うちはそういうの潔癖なほど嫌う会社なんで。
この写真関係ないわけないですよね。
関係ないわけないと思いますよ。
杉下さんあれ…。
足にたまった乳酸をとるっていう。
なるほど。
確かめてみますか。
行きましょう。
はい。
例の足をバタバタして乳酸とるやつあれ誰かに教わったのかな?はい。
アポロン電機の竹沢さんって人です。
きた!ランナーは走ったあとのケアを怠ってはいけないんです。
そうでしょうね。
あれ…でもあの日桂馬さんちゃんとケアしてなかったんじゃないかな。
君…今なんて言いました?えっ?今。
あっいや…あの日ジムに戻った桂馬さんちゃんとケアしてなかったんじゃないかなって。
つまりランニングから戻った桂馬さんが足をケアしてなかったという事ですか?ええ。
ジムに戻った桂馬さんは…。
マッサージしなくていいんですか?ああ…今日はいいわ。
それがどうかしたんですか?なるほど。
えっ?桂馬さんほとんど毎日トレーニングいらしてたんですけどね。
何日ぐらい来てない?3日間来てないですね。
3日間?こんなの珍しいんですよね。
そうですか。
はい。
どうも。
決まりですかね。
そうですねぇ。
あっお呼び立てして申し訳ありません。
すみませんねしつこくて。
なんのご用ですか?これはあくまで僕の推測なんですが桂馬さんあなた足を怪我なさってるんじゃありませんか?えっ?それも捻挫。
もしそうだとすると今回起きている事の全てが合点がいくのですがねぇ。
何をおっしゃってるんですか。
最初に気になったのはあなたがタクシーでこの学校に到着した時。
ほんのわずかな距離なのにタクシーを前進させました。
あなたなぜ歩かなかったのでしょう?さらに通勤中なのにスーツにミスマッチのスニーカーを履いてらっしゃったのも違和感を覚えました。
それからもう一つ。
高木さんが殺害された日あなたはランニングから戻ったあとマッサージをお断りになったそうですね。
それは…足を触られたくなかったからではありませんか?そして毎日のように通ってらっしゃったジムも事件の翌日からお休みになってらっしゃる。
仮に私が捻挫をしていたとしてそれがなんだというんですか?あなたはアポロン電機陸上部の監督に就任するにあたって南条遥さんの獲得を条件にしたそうですね。
アポロン電機の社長さんから聞いてきました。
でこれなんですが…。
この写真。
遥さんにお金を渡してるのは暴力団関係者だとわかりました。
つまりこの写真は高木さんにとってあなたに対抗する強力な武器になるわけですよ。
これであなたを脅せば当然あなたは監督就任を辞退するでしょう。
だから私が高木さんを殺した…。
いいえ。
走れないあなたに犯行は不可能です。
あなたのやった事は捜査の目を自分に向けさせる事でした。
どうして私がそんな事をする必要があるんですか!あっ!高木さんが打ったとされるメールですがあれは偽装されたものだとわかりました。
ですがそのメールによってアリバイが成立した人物がいます。
僕にはその人物が犯人だとしか思えないんですよ。
カイトくん。
どうぞ。
美枝さん…。
麗子…。
アポロンから追い出された桂馬麗子さん。
そして今もアポロンに残っている竹沢美枝さん。
その表面上の関係からお二人は当然絶縁状態なんだと思っていました。
ところがお二人はひそかに繋がっていました。
一体何を根拠に?南条遥さん。
あなたも遥さんにお会いになってますね?いいえそれは…。
ランニングのあとの足にたまった乳酸を拡散させる運動。
アポロンの選手がやっていました。
あれあなたが発案した事ですよね?遥さんもあなたから教わったとおっしゃってました。
桂馬さんが遥さんに会いにいかれたのもあなたの働きかけによるものですね?いえそれは…。
一度挫折し陸上を諦めかけていた南条さんに同じ経験をした桂馬さんを引き合わせる事で彼女が立ち直るきっかけになると考えた。
もしそうだとすれば高木さん殺害も納得がいくのですがねぇ。
動機はやはりこの写真でしょうかねぇ。
高木さんは桂馬さんの陸上部の監督に就任するのを阻止するために南条遥さんを潰そうとした。
あなた方がこれほどまでに目をかけた才能を潰そうとしたんです。
許せるわけがありません。
高木さんを殺害したのは竹沢さんあなたですね?違うわ!もういいわ麗子。
美枝さん…。
もういいの。
確かに…麗子に南条さんに会ってくれと頼んだのは私です。
理由は刑事さんがおっしゃったとおり。
そして麗子も南条さんの才能を評価してくれました。
そんなタイミングでした。
うちの社長が次の監督に麗子をと言い出したのは。
そして麗子は高校卒業後の南条さんの入部を監督を引き受ける条件に挙げました。
でもそれがなんらかの形で高木の耳に入ってしまって…。
高木さんお願いです。
考え直してもらえませんか?
(高木富雄)ダメだ!あの写真だって南条さんに問題があるわけでは…。
そんな事は会社が判断する事だ!暴力団絡みはやばいよな?あなたが仕組んだのね…。
ひどいわ!さあな。
ともかくこいつは明日人事に持っていく。
そんな事…そんな事絶対にさせない!南条さんは潰させないわ!ハハハハハハ…!何言ってるんだ。
ハハハハハ!ああっ!麗子…私ね…私…高木さんを殺してしまったの!美枝さん…。
とにかくすぐそっちに行くから。
(麗子)あっ!うっ!痛っ!美枝さんが警察に疑われないようにしないと。
(携帯電話)メールみたい。
(麗子)大山さんから。
「書類にハンコを頂くのを忘れていました」「これからお宅に伺ってもよろしいでしょうか?」「伺うとすれば8時半ぐらいになりそうです」大山さんはまだ事務所にいるだろうから…。
美枝さん今からすぐに戻ってください!8時半ぐらいには着きますよね?私は7時45分になったらこのメールに返信します。
美枝さんはここにはいなかった事にしてください。
えっ!?いいから早く!急いで!さあ!
(麗子の声)足を捻挫してしまったからメールは時刻を指定して自動で送信するようにしました。
竹沢さんひとつわからない事があるのですが。
なんでしょう?冷凍庫の中に入っていたものあれはなんだったのでしょう?美枝さん言う必要はありません。
それは…。
(美枝の声)あれは私の選手時代に保存した血液です。
ああっ!練習後や試合後の乳酸値を測定するために採取したんですがそれを…。
それを一体なんのために?私が…ドーピングしていた証拠なんです。
ドーピング…。
でもそれは知らないうちに高木に飲まされていたんです。
ドリンクに混ぜられて。
でも理由はどうであれそれが発覚したらもう指導者としてはやっていけなくなる。
それがあなたのアキレス腱でしたか。
私も…高木にドーピングさせられそうになったんです。
でも…。
(美枝)うわっごめんなさい!ああ…ごめんね。
すぐに代わり持ってくるから。
(麗子)すいません。
(麗子の声)美枝さんが気づいてくれたから私は巻き込まれずに済んだ。
そしてアポロンを辞める事を勧めてくれてそのあともずっと私を支えてくれた。
(実況)いけるか?追いついた!追いついた!並んだ並んだ並んだ!頑張れ桂馬!追いつくか?
(解説)いけいけ!桂馬いけ!
(実況)頑張れ桂馬!
(解説)いけ!
(実況)ゴール!2人同時にゴールイン!どっちだ?あーっとわずかにチェクチャバか?桂馬麗子銀メダル!
(解説)素晴らしい頑張った!
(実況)まさに歴史的な銀メダル!
(麗子)私が銀メダルを獲れたのは美枝さんのおかげなんです。
でもその功績を…感謝の言葉を公に口に出す事は出来なかった。
高木さえいなければ南条選手を育てる事が出来たのに!そして今度こそ…私が届かなかった金メダルの栄光を美枝さんに…。
麗子…。
お二人のお気持ちは十分に理解出来ます。
高木監督を許せなかった事ももちろん。
ですがそうするしか方法はありませんでしたかねぇ。
残念です。
私にですか?桂馬さんアポロンの監督に就任したらこれを南条さんにプレゼントするつもりだったんだって。
嬉しい!私夏の全国大会でこれ履きます。
それはいいですねぇ。
ずっと続けます。
はい?陸上をずっと続けます。
そっか。
頑張れよ。
はいありがとうございます。
失礼します。
たすきは無事繋がったみたいですね。
そのようですねぇ。
2015/08/26(水) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
相棒Eleven[再][解][字]
「シンデレラの靴」
詳細情報
◇番組内容
杉下右京(水谷豊)の相棒(?)として甲斐享(成宮寛貴)が特命係に飛ばされてきた!父親は警察庁次長(石坂浩二)、恋人は客室乗務員(真飛聖)。
右京と享の新特命係のコンビが新たな謎に挑む…。
◇出演者
水谷豊、成宮寛貴 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
福祉 – 音声解説
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語
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