生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは「くらしきらり解説」です。
必ずもうかる?ネット副業の甘い誘いにご用心というテーマです。
寒川由美子解説委員です。
ネット副業というのは具体的にどんなものなんでしょうか。
寒川⇒パソコンやスマートフォンを使って、自宅にいながらあるいは仕事を持ちながら個人でできる内職です。
例えば、メールマガジン作成の手伝いなどさまざまなものがあります。
そうしたネット副業の中で今、トラブルが増えているのがアフィリエイトという仕事に関してなんです。
時々聞きますけれどどういうものなんでしょうか。
アフィリエイトというのは英語で提携するとか加入するという意味なんですが今はインターネットを利用した広告の一種として使われています。
最近は、自分でブログをやられる方など多いですけれどそうしたところに着目した内職です。
仕組みはどうなっていますか?まず、ブログをやっている人この人に対してメーカーが仲介業者を通じて商品の広告をブログに載せてもらうように依頼します。
ブログをやっている人がその広告を掲載します。
それを閲覧した人が広告を通じて商品を購入します。
そうすると、代金がメーカーに入ります。
メーカーはその一部を紹介料としてブログをやっている人に支払うんです。
手軽に始められる内職として主婦や高齢者などに広がっています。
本当に手軽な内職、副業ですね。
メーカーにとっても商品が売れた場合だけ紹介料を支払うので効率がいい広告だとして注目されています。
アフィリエイトの業界団体によりますと、市場規模は2000億円程度ということなんです。
ただ、ここで注意してほしいのは本来アフィリエイトはブログをやっている人には費用は一切かからないという点なんです。
仲介業者にお金を払うのもメーカーです。
ところがアフィリエイトの人気に目をつけてそれを悪用する詐欺のような行為が増えています。
求人情報サイトなどで簡単な仕事で高収入などとうたってアフィリエイトを始めたい人を募集してもうかるノウハウを教えるなどと持ちかけて高額の料金を支払わせる業者がいるんです。
実際にあった例です。
70代男性のケースです。
ネット副業を探していて誰でも着実に稼げますというアフィリエイトの講座を見つけました。
受講しようと30万円を支払ったが一向に講座が開催されません。
電話をするたびにもう少し待ってくださいと言われました。
そしてその後電話もつながらなくなってしまいました。
ほかにも70代の女性がやはりアフィリエイトの講座を申し込んだところ次々に教材などを買わされて6回にわたって160万円を支払わされたというケースがあります。
高齢者に次々とお金を支払わせるというのは悪徳商法ですとか振り込め詐欺などと同じ構図です。
こういう被害が増えているんですか?国民生活センターがまとめたアフィリエイトなどを巡るトラブルの相談件数です。
増えていますけれど先ほど示したケースのように詐欺同然の被害に遭った人からの相談も多いんです。
一方で、実際にアフィリエイトをやっていてもよほど人気のあるブログの運営者でないとなかなか収入を得るのは難しいんです。
実際にどのくらいの収入があるんでしょうか。
ちゃんとした仲介業者を通じてアフィリエイトをしている人の月収のグラフです。
8割ぐらいの人は1000円未満の収入です。
月3万円以上という人は2.4%しかいません。
よほど人気がないと収入が得られませんね。
誰でも稼げるというわけではないということなんですね。
今、お年寄りなどアフィリエイトを始める方も多いですけれどブログに慣れていない方ですと閲覧者を集めるというだけでも難しいと思います。
先ほども言いましたように本来アフィリエイトというのは始めるのにお金はかかりませんから、お金を請求する業者は詐欺だと思ってください。
アフィリエイトを巡る被害はお年寄りが多いんですか?学生など若い人にもアフィリエイトを始める人が多くて被害も増えています。
ただ、若い人に対してだます側の手口が違っています。
若い人のケースを見てみます。
人を紹介すれば、お金がもうかるなどと勧誘されるマルチ商法を組み合わせたような被害が多くなっています。
具体的に見ていきます。
20代男性のケースです。
アルバイト先の先輩にいい話があると誘われてアフィリエイト会社の社員という3人を紹介されました。
社員から、アフィリエイトでネットのオンラインゲームを人に紹介し、その人がゲームでお金を使えばその数%が収入になるとどんどん人を紹介すればどんどんお金が入ると説明されました。
先輩の手前、断れずに登録料として20万円を支払ってしまいました。
その後、返金を求めましたけれど応じてもらえないというケースです。
実際に人にゲームを紹介したところで、その人がお金をゲームに使っているか分かりませんから結局、報酬が支払われないということになってしまいます。
業者にとっては登録料を受け取ることがそもそもの目的ですからアフィリエイトは口実にすぎません。
先輩や知り合いに誘われると断りにくくなるというその気持ちは分からなくもないですね。
業者のねらいもまさにそこにあります。
業者はさらに人間関係を利用して勧誘の輪を広げていくんです。
登録料を支払った人に誰かがアフィリエイトを利用すれば勧誘すればお金を支払うよといいます。
その人がまた別の人が勧誘すれば、10万円支払います。
登録者を増やしていきます。
それぞれから登録料を増やします。
それをどんどん広げていきます。
こうなっていきますと完全にマルチ商法です。
ねずみ講のようなものですね。
アフィリエイトの相談件数ですけれど増えている要因がマルチ商法の部分なんです。
マルチ商法の被害では6割が20代の若い人です。
若い人はツイッターやフェイスブックやLINEなどSNSでつながっていることが多いですからマルチの連鎖を広げていきたい業者がそういった若い人たちをターゲットにしているとみられています。
トラブルになってしまったらどうしたらいいでしょうか?対策を見ていきます。
まずは無条件で解約できるクーリングオフを利用することです。
仕事をあっせんするとか収入が得られるといって講座の受講料などを支払わせる契約はクーリングオフの期間が20日間です。
訪問販売などの8日間と比べて長いんです。
これは、お金がもうかるという強い誘惑にはどうしても乗せられてしまうだまされやすいということでこのような規定になっています。
また、誰でも必ずもうかるとうそを言って勧誘するなど業者側に問題がある場合にはこの期間が延長されます。
そして業者がクーリングオフに応じないなど困ったときにはお近くの消費生活センターに相談してください。
今、全国どこからでも消費者ホットライン188に電話をすると最寄りの消費生活センターにつながります。
携帯電話でも大丈夫です。
何よりも必ずもうかるといった甘い誘いに乗らないということです。
簡単に高収入が得られるなどといった話はありません。
繰り返しになりますけれどアフィリエイトでお金を請求する業者は詐欺だと思ってください。
甘い誘いにお子さんやご家族がだまされないように皆さんで話し合ってください。
次回は土屋敏之解説委員と共にお伝えします。
ぜひ、ご覧ください。
2015/08/27(木) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「“必ず儲かる”? ネット副業の甘い誘惑にご用心」[字]
NHK解説委員…寒川由美子,【司会】岩渕梢
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出演者
【出演】NHK解説委員…寒川由美子,【司会】岩渕梢
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ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療
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