事件記者冴子の殺人スクープ! 2015.08.27


(坂上梨花)やめて…。
あっ…!
(今野正義)なるほどね。
(川村冴子)じゃあ…。
メモ用紙がねちょうどなくなりかけてたんですよ。
今はほらやっぱりリサイクルの時代だからね。
おぉ今ちゃん!どうしてダメなんですか?私この事件半年も追ってたんですよ。
前の編集長の佐々木さんだっておもしいからきちんと取材して記事にしろって…。
前の編集長がどういうやり方してたか知らないけどね。
僕ちょっとうるさいんだよね。
エコロジーと締め切りと自分の能力を過信する自称事件記者にはね。
どうしてダメなのか理由を聞かせてください。
君ね昨日発売の「週刊エピソード」読んでないでしょ?嘘同じ…。
28ページ見ていただけますか?内密に進めてたのに何で!?緒方浩平。
あっ…!あっごめんなさい。
(緒方浩平)相変わらずだな。
緒方さん…。
よっ!またうちでお仕事ですか?いや今まで世話になった人にご挨拶…。
えっ?俺な実はフリーのルポライターから週刊エピソードの契約記者に落ちぶれたんだよ。
エピソードっていったらうちのライバル誌じゃないですか!まあそういうことになるな。
あっ!どうも失礼いたしました。
これからはジャーナリストとして正々堂々と戦おうぜ。
あっ…。
じゃあ。
やられた…。
まぁそんなわけで例の原稿締め切りは今日いっぱい。
よろしく。
はい…。
ほら急いで。
ほら!はい。
(横山浩実)ハハハハ…。
川村いいよこれ最高!そうですか?今度はどこよ?大阪伊丹…。
・川村くん神戸だよ神戸!神戸…。
頑張れよ。
はい。

神戸は異人さんの匂いがする
それもそのはず多くの外国文化が神戸の港から入って来たらしい
例えば一説によるとコーヒー花時計水族館マッチ映画それからメロンパン!
私こと冴子が担当する「美食突撃隊」は編集長の突然の命を受けアポなしで数々の店を訪れ厳しい味覚と行き当たりバッタリの言動でその店が本物かどうか見極め丸1日で究極の一軒を選び出すという超適当なコーナーです
《店の雰囲気8点》《見た目9点》おいしい!メ・ロ・ン・パ・ン味9点。
あのちょっととっておいてください。
お姉さんお姉さん…。
えっ?並んでちゃんと…。
困るよ!早く早く。
《サービス3点!》味10点!《雰囲気10点!》《ただし1人の場合寂しさ100万点…》神戸牛か!やっぱ外せないよな。
でもなぁ…。
あっ…。
もう終わりですか?
(平田たまき)Aランチしか残ってないけどそれでよかったら。
いいんですか?いらっしゃいませ。
《好感度10点!》《雰囲気10点》《かっこよさ10点》はいお待たせしました。
おいしそう〜!冷めないうちにどうぞ。
いただきます。
う〜ん!おいしい!えっ?食べっぷりいいなぁと思って。
そうですか?何かうれしくなっちゃう。
シェフ冥利に尽きるっていうか。
だって本当においしいから…。
ありがとうございます。
うん決めた…。
今まで黙っていたんですけど実は私週刊トピックスの編集部の川村冴子と申します。
あの…。
あっ…。
トピックスの中にですねアポなし美食突撃隊…。
大丈夫ですか!?大丈夫です…。
大丈夫じゃない。
とにかく横になったほうがいいわ。
奥に部屋があるから。
あっその前にですね…。
ええ。
お手洗いをお借りしてもよろしいでしょうか?あちらです。
はい…。
はいお待たせ。
あっすみません。
我慢して全部飲んでね。
すごくよく効く漢方薬だから。
特に食べ過ぎにはね。
苦い…。
まったく驚いちゃったわよ。
ステーキ食べた途端にあれでしょ。
何か変なもの食べさせちゃったかと思ったわ。
すみません。
でもグルメ記者さんって大変なのね。
アポなし美食突撃隊だっけ?ええ。
新しい編集長がおもしろ半分に企画したんですけどこれが結構うけちゃって…。
だから毎回体張って記事書いてるんですよ。
大変ね。
まあ実を言うと本当は他にやりたいことあるんですけど…。
なかなかこれがうまくいかなくて…。
でもいくらやりたい仕事じゃなくても体張って頑張ってるあなたは偉いと思うわ。
何か元気出てきました。
じゃあ改めて…。
来週発売の週刊トピックスにこちらのお店のこと書かせていただけないでしょうか?いやでもうちなんかでいいの?美食突撃隊冴子としては一押しです。
こちらのページになりますね。
でも…。
(アナウンサー)「今朝神戸市内の明石海峡大橋付近で女性の刺殺遺体が発見されました」「今現地の桜井記者と中継がつながっています」「桜井さん」
(レポーター)「はい。
今私は神戸市内にある明石海峡大橋に来ています」「今朝この橋げた付近でナースの白衣を着た女性の刺殺遺体が発見されました」あいつ…!「被害者の身元はまだわかっていません」あのちょっとすみません。
(アナウンサー)「ナースの白衣を着ていたということは被害者は看護婦と見てよろしいでしょうか?」
(レポーター)「はいただ一部情報によりますと…」
(携帯電話)はいもしもし。
もしもし川村冴子ですけど。
おう!「おう」なんて呼ばれる間柄でしたっけ?私たち。
あれ?お前もしかして俺の記事読んだ?大変おもしろく読ませていただきました。
あのな何か勘違いしてるみたいだから言っておくけど俺もあの事件はずっと前から追っかけてたのよ。
嘘つけ!ところで緒方さん今どこに?「えっ今?今ね…自宅」あらまあ自宅が神戸の明石海峡大橋だったなんて知らなかったわ。
えっ!?ちなみにホテルは?舞子ビラ神戸だよ。
何で?
(電話の不通音)「あったった今県警の捜査員が現場にやってきました」「捜査状況について何か説明があるかもしれません」「ちょっと話を聞かせてください」「あの何か進展があったんですか?」古賀ー!よう!俺だ。
ちょっと待て!おい!冷たいね友達だろ?
(古賀猛)お前さ卒業して15年音信不通な関係を何ていうか知ってるか?友達じゃないの?ただの知り合いだ。
古賀…!とにかくお前だけ特別扱いするわけにはいかないんだ。
わかったら捜査の邪魔しないでくれ。
嫌われてたかな俺…。
ロイヤルお願いします。
あ〜ら緒方さん!偶然ね私もこのホテル予約してたの。
何でお前…。
私?私はほら「美食突撃隊IN神戸」でグルメ取材なのよ。
緒方さんは?しらじらしいなお前…。
ワイドショーの中継見てたんだろ?ああ明石海峡大橋で看護婦が殺されたって事件?何かいい情報手に入れた?い〜や…。
ふ〜ん…。
例の記事のこと許してあげてもいいわ。
本当?その代わり情報提供して。
タレコミ?昨日の夜中にうちの編集部に電話があったんだよ。
(電話)はい週刊エピソード。
(ボイスチェンジャーの声)「あなたが緒方浩平さん?」そうですけど。
「おもしろいネタ提供してあげようか?」おもしろいネタ?「神戸の明石海峡大橋…」「その橋げたに行ってみな」
(電話の不通音)もしもし?もしもーし!最初は半信半疑だったよ…。
嫌がらせの電話はいくらでもあるからな。
でも何ていうか…長年のカンていうの?こりゃひょっとするかもぞって思ったんだ。
あの…どうかしたんですか?あれあれ…!編集部にタレコミがあったのが夜中。
死体が見つかったのが朝ということはその電話は犯人の犯行声明!?もしくは関係者かな…。
どうだ?すっごい情報だろう。
うん。
すっごい記事になりそう!というわけで。
はい。
つまり緒方さんはその目で殺された女性を見たってわけね。
まあな。
何か気がつかなかった?例えば白衣の様子とか。
よく白衣ってここにさ病院の名前書いてあったりするじゃない。
見なかった?ねえ?忘れてるみたいだけどな俺たちはライバル誌の記者なんだからな。
これ以上の情報は来週発売の週刊エピソードをご覧ください。
ほいじゃな。
おい言っとくけどなこれで例の記事のことはチャラだからな。
待ちなさいよ!ちょっと…。
やっぱり私のネタ盗んだのね!?何だよもう…。
許してくれるって言ったじゃない。
許せるわけないでしょ!?事件記者として認められるせっかくのチャンスだったのよ。
何よ!?お前…。
怒るとこことこことここにしわができるようになったな。
もううるさい!
(携帯電話)はいもしもし。
あっ編集長?万事順調っすよ。
今ねホテルにチェックインしたところです。
これから取材に出て…。
《剣崎総合病院…》わかりました。
じゃあ1回ファクス入れますわ。
はい。
任せてください。
はいそれじゃあ…。
おいたはダメよ。
あっ!
(剣崎巧)あっ…。
すみません。
すみません。
私こそよそ見してて…。
きれいですね。
えっ?そんな…。
このお花。
ああガーベラなんですよ。
友達のお見舞いに来たんですけど迷っちゃって…。
もしよかったら案内しましょうか?いやでも…。
《副院長剣崎…》案内しますよ。
何号室ですか?あっ何号室だっけな?・
(竹内啓子)本当に私は知らないんです!わかりました。
今日のところはこれで結構です。
巧先生…。
ちょっと失礼します。
はい。
刑事さんあまりうちの看護婦をいじめないでくださいよ。
いじめてなんていませんよ。
ただ殺された女性が着ていた白衣は竹内さんのものでしたからね。
病院はいろんな人が出入りしているんですよ。
ロッカーから白衣を盗むのはそう難しいことじゃない。
ほう…。
じゃあこの病院は事件には一切関係がないっていうことですか?私はこれ以上患者の不安をかきたててほしくないと言ってるんです。
実はさっき被害者の身元が判明したんですよ。
身元が!?坂上梨花25歳。
三宮にある高級クラブ「メゾン」のホステスです。
ホステス…。
遺体の状態から見て犯人が死後白衣に着替えさせたということがわかりましたよ。
ねえ副院長犯人は何で看護婦の白衣をわざわざ着せたりしたんでしょうね?さあ…。
また来ます。
巧先生あの…。
大丈夫。
しっかりして。
あなたこんなところにいたの?父が捜してたわ。
今行きます。
すみません。
行かなきゃならないんで…。
病棟に関しては彼女に訊いてください。
あの…大丈夫ですか?大丈夫です。
失礼します。
確かに盗もうと思えば簡単よね…。
(北島かつ子)あなた何やってるの?あっあの…私は友達のお見舞いで…。
もしやマスコミ?えっ…。
さっきもいたのよ。
友達のお見舞いだとか言って同じような花束を持った男…。
あいつだ…。
あなたその男の仲間ね?いえいえ違います!赤の他人です。
失礼します。
あっちょっと!こちらのお客様お願いね。
頑張って。
いらっしゃいませ。
マミです。
今日が初めてですのでどうぞよろしくお願い…。
じゃあマミちゃんお願いね。
あっはい…。
どうしてここがわかったのよ?そっちこそよく辿り着いたな。
褒めてやるよ。
この調子で一気に追い抜きますので。
(飯本美紗)いらっしゃいませ。
美紗です。
美紗ちゃん。
若いねえ10代?嫌だもう22ですよ。
もう…!?22?見えねえなぁ。
お姉さんは?25です。
25?ふけ顔だね。
どうぞ。
そういえばさ明石大橋で女性の死体が見つかったでしょ。
あの女性も確か25だったんだよ。
知ってた?ああそういえばニュースで見ましたわ。
あの…何か身元が確認されたとかってね。
あっそう!驚いたことに被害者は看護婦じゃなかったんですってね。
本当…!?ねえ…。
どうかしたの?どうかしたの?これ内緒にしてくれます?もちろん。
もちろん。
実は明石海峡で殺されたのはうちの店で働いてた梨花さんなんですよ。
えぇ〜!?えぇ〜!?さっき刑事さんが来て梨花さんの常連客について訊いてたんです。
常連客?ここだけの話ですけどね梨花さんにご執心な常連さんって2人いたんですよ。
その2人ってどこのどちらさん?1人は輸入会社の社長さんで確か清水さんっていったかな。
でも1週間ほど前に東南アジアに買い付けに行っちゃったから事件とは関係ないと思うし…。
もう1人は?もう1人は…。
あの真ん中の人。
剣崎総合病院の副院長です。
あっ…。
あの…私ちょっとお化粧室に…。
じゃあどうも。
用事あるから…。
お疲れさまでした。
ありがとうございました。
あっ!何よ…。
尾行だよ。
尾行ってね…。
2人で尾行してたらバレるでしょ?だったらお前が止めろよ。
嫌よ。
俺も嫌だよ。
(携帯電話)もしもし。
「はいはいもしもし」「君今何時かわかってる?」わかってますよ。
締め切りまであと3時間ありますよね?そうわかってるならいいんですよ。
「じゃあ…」あっ君!まさかとは思うけど変な事件に首突っ込んでないでしょうね?変な事件って?明石海峡大橋の殺人事件ですよ。
何言ってるんですか!?グルメ取材で手いっぱいですよ。
そうよかった。
これ以上メモ用紙増やされても困っちゃうからね。
では読者が行ってみたいな食べたいなと思うようないいグルメ記事期待してますよ。
はい。
あぁ…。
どアホ!編集長!あんまり川村をいじめないでくださいよ。
別にいじめてはいませんよ。
編集長は知らないかもしれませんけどね川村の亡くなった父親ってジャーナリストだったんですよ。
知ってます?川村光太郎。
マスコミが目を向けないような市民の問題を地道に追及し続けて「社会に埋もれた小さな真実」って本を書いた…。
ほう…。
何を隠そう俺なんかもそれ読んでジャーナリスト目指して今や…。
4年前なんですか?このお店がオープンしたの。
うん。
ステーキハウスは小さいころからの夢だったの。
へぇ〜。
私小さいころに事故で両親を亡くして施設で育ったの。
家族のたったひとつの思い出がガーリックライスだったの。
ガーリックライス?うち貧乏だったからステーキなんか食べられなかったんだけどねたまにお母さんが商店街のお肉屋さんから余った牛肉の脂身をもらって来てくれてそれを細かく切ってこんがり焼いてガーリックライスを作ってくれたの。
大きなお皿に盛ったガーリックライスを家族みんなで分け合って…。
だからガーリックライスは私にとって特別なものなんだ。
へぇ〜。
思い出のガーリックライスか…。
これタイトルにしてもいいですか?ちょっと待って。
うちのお店のことが記事になるのはうれしいけどでも…。
でも?あっいらっしゃいませ。
いつもの。
はい。
じゃあまたあとで。
ごめんなさい。
あの人は…?常連さん。
ガーリックライスのファンなの。
あのワイン余ってるんですけどいかがですか?すみません。
あっはい。
刑事さんですよね。
テレビ見てました。
どうして犯人はわざわざ死体に看護婦の白衣着せたんでしょうね?あんた記者だろ?えっ?病院で見たよ。
さすが刑事さん…。
そうやって人をだまして近づいて情報を得るわけだ。
なああんたの書きたいものって何なんだ?平和で退屈な連中が喜ぶゴシップか?ちょっと待ってくださいよ。
少なくとも私は真実を書いてます。
真実?奇弁だね。
あんたらのことうちらが何て呼んでるか知ってるか?ハイエナだよ。
殺人事件が起きると被害者の気持ちなんかおかまいなしに死体に群がって食いつくすハイエナだよ!じゃあ言わせていただきますけどあなたのやり方だってひどいんじゃないですか?さっきだって看護婦さん泣いてたじゃないですか。
いくら刑事さんだからって人を追いつめる権利なんてないと思いますけど。
甘いね。
ホシは殺人を楽しんでいるんだよ。
いわゆるフェチだ。
早く捕まえないと第2第3の殺人が起こる可能性があるんだよ。
・そのぐらいで勘弁してやれよ古賀。
緒方さんどうしてここに?こいつはね大学時代の同級生なんだ。
口は悪いけど根は悪いやつじゃないから。
ねっ古賀猛くん?お待たせしました。
何なのもう最低…。
まあまあ…。
でもお前さんのおかげであいつからいい情報をもらえたからな。
えっ?何でもありません。
えっ?ワイングラス1つ。
(たまき)はい。
あっあぁ…。
どうした?何か酔った…。
あっ大丈夫大丈夫。
大丈夫か?部屋まで一緒に行く?ううん大丈夫。
じゃあ…。
お嬢さんこういうのはね泥棒っていうのよ。
あの野郎…!あぁ〜やったぁ!ギリギリセーフ。
痛い…。
ここも痛いですか?痛いです。
ここは?痛いですね…。
はい結構ですよ。
巧先生あの…。
大丈夫。
しっかりして。
じゃあ一度検査入院してみますか?はい。
ほう検査入院で帰れない?ええ。
グルメ取材で食べ過ぎちゃって…。
胃に穴があいてる可能性があるとかで…。
ああそう。
じゃあもう帰って来なくていいですよ。
ずっと入院していればいい。
それじゃあね。
あっ編集長!何?すみません。
嘘ついて…。
実は偽装入院なんです。
偽装?すごいスクープが取れそうな気がするんです。
来週号の特集…。
明日の午前6時までだったらギリギリ紙面の差し替えできますよね?悪いけどね仮の話をする気はないの僕。
はい。
じゃあねお大事に。
(電話の不通音)何言ってるんだ!?いい加減にしろ!先生…。
君とはもう終わりだ。
先生!あの…。
あなた…。
週刊トピックスの記者さん…。
ごめんなさい。
今まで黙ってて。
だけどあなたとはちゃんと話がしたいと思っていたから。
何が知りたいんですか?巧先生のことなんだけど。
正直言ってちょっとビックリしちゃったの。
あんなに怖い顔をする人だとは…。
巧先生はすばらしい先生です。
患者さんからの信頼も厚いし5年前院長先生の娘さんと結婚されて副院長になられてからも全然偉ぶったりしないし…。
私の気持ちだって…!でもさっきぶたれてましたよね?私が悪いんです。
私が余計なこと言ったから。
普段は優しい人なんです!じゃあたまにカッとなるとああいうふうになったりするの?それは…。
暴力を黙って受け入れるのは愛情じゃないと思うけどな…。
竹内さん本当はすごくつらいんじゃないの?つらくて苦しくて悲しくてだけど行き場がなくて…。
そういうあなたの気持ち書いちゃダメかしら?えっ…?あなたが話したくないことは記事にはしません。
約束します。
だから私にあなたの話を聞かせてくれないかしら?少しだけ…少しだけ考えさせてください。
わかった。
じゃあ病室で待ってます。
あっ!あなたどこかで…。
ゴホンゴホン…。
竹内ナースを…。
竹内さんなら準夜勤だからもう帰ったと思いますけど…。
あっ!あなたロッカーの…。
失礼します。
あぁ焦った…。
何が焦ったって?わっ!シーシー!また電話があったんだよ。
えっ?じゃあ…。
今夜またこの病院で?キャー!先生!副院長先生!あっ!竹内さん…!竹内さん!動かすなよ!何?冴子!竹内くん…。
ストレッチャー!はい。
ハンカチ。
はい。
竹内さん。
押さえて。
はい。
(パトカーのサイレン)私服に着替えたのにわざわざその上から着せられたってことか?つまりこれは明石海峡大橋の事件と同一犯ということになりますね。
剣崎先生あとで詳しく事情を訊かせてください。
あと3時間…。

(メール受信音)あぁ…はいはい。
「白衣の天使残せなかった最後の遺言」…?うん…。
「原稿読ませてもらいました」「甘いですね。
でもまぁ来週号はこれでいかせてもらいます。
以上」よし!たまきさん!いらっしゃいませ。
おう!あっお前今思いっきり誤解してるだろう?俺はね手相を見てたの。
とか何とか言っちゃって触りたかっただけなんじゃないの?そんなことより今日締め切りだったんだろ?いいのは書けたか?まあね。
そっちは?バッチリだよ。
たまきさん来週の週刊トピックス楽しみにしててくださいね。
もうこちらのお店のことバッチリ紹介しておきましたから。
そのことなんだけどね冴子さん。
私この店閉めようかと思ってるの。
どうしてですか?こう見えても火の車なのよ。
ずっと言おうと思ってたんだけど迷ってて…。
正直今も迷ってるんだけど…。
迷ってるんだったらやめちゃダメですよ。
だってガーリックライスはたまきさんにとって特別なものなんでしょ?そういう特別なものってめったに出会えるものじゃないと思うし。
何があっても手放しちゃいけないって思う。
あのな人にはそれぞれ事情ってもんがあるんだ。
でも!お前おせっかいなんだよ。
ねえたまきさん?いいんです。
何だかすごくうれしくて…。
こんなふうに本気で人に言われたことないから…。
ありがとう。
冴子さん。
ねえたまきさん。
私にも焼けるかしら?ステーキ。
一度たまきさんみたいにかっこよく焼いてみたかったの。
だったらやってみる?いいんですか?全体的に…。
はいこしょうも。
こしょうを…。
でその面をまず焼いて。
はい。
いらっしゃいませ。
いつもの。
はい。
よお!
(たまき)じゃあ焼いてみて。
はい。
やっぱりホンボシは副院長か?ハンサムで誰からも慕われる優しい医師という仮面の下には別な顔があった。
しかし決定的な証拠がない。
逮捕はまだ先になりそうだって顔だなそれは。
お前昔からカンだけはいいんだな。
サンキュー。
記者にしとくのはもったいないよ。
おぉそうだ。
昔っていえばさお前あの女どうした?赤い靴の女。
赤い靴?そう。
童謡にあるだろ?「赤い靴はいてた女の子〜」やめろよ緒方。
何だよ!?ひょっとしてお前まだ引きずってるのか?やめろって!熱い…!大丈夫?やけどはまず冷やさなくちゃ。
たまきさんって看護婦さんみたい。
あっ薬とってくるわね。
えっ?仕事柄いろいろ持ってるんだ。
この前は言い過ぎた。
私も…。
古賀さんって思ったより悪い人じゃないのね。
惚れたか?えっ!?妬いてるの?バカ!あいつに惚れてもムダだぞ。
何でよ!?わかんないじゃな〜い。
言ったろ?あいつにはな忘れられねえ女がいるんだよ。
あぁ赤い靴の?そう。
大学の卒業式のあとになゼミの仲間で集まってみんなで横浜で飲んだんだよ。
そのときに将来の話になってさ。
そしたらあいつ…。
「俺は結婚はしないよ」なんて言い出すんだ。
「どうしてだよ?」って訊いたら「赤い靴って知ってるか?」「俺の彼女は異人さんに連れられていっちゃったんだ」なんて言うんだ。
もちろん最初は冗談だと思ったよ。
ところがそうじゃなかったんだ。
その女に何があったのかは俺は知らない。
あいつは何も話そうとしなかったし俺も別に訊かなかったからな。
ただあいつがデカになったのはそのことが理由なんじゃないかと思ってる。
未だに忘れられねえみたいだな。
そうなんだ…。
がっかりしたか?別に!?私はここに取材に来てるんですから。
そうか。
だったらいいんだけど。
でも…。
うん?すごいね。
そこまで人を思えるなんて…。
そうだな。
バカ売れだって?やったじゃん川村!まだまだこれからですよ。
今年の編集長賞は決まったね。
ねえ編集長?うん?ラスハイのペーで国士無双ツモったみたいですね。
はい?まぐれってこと。
まあまあ編集長も内心喜んでるんだからさ。
ほらほら座って座って仕事して。
(電話)はいもしもし。
おい川村外線2番に電話。
はーい。
もしもし川村ですが…。
(ボイスチェンジャーの声)「記事読んだよ。
なかなかよく書けてるじゃない」あなた…あの事件の犯人!?「ねぇもっとおもしろいの書いてみたいと思わない?」どういうこと?「今度は横浜山下公園」古賀さん!どうしてここへ?犯人と思われる人物から連絡があったんです。
今度は横浜山下公園だって。
そうか…。
あっあの…。
あっ!邪魔だ。
帰れ!嫌です。
危ないんだよ帰れ!嫌です。
古賀さんはどうして刑事さんになろうと思ったんですか?赤い靴の人のためですか?私は小さいころからジャーナリストだった父の背中を見て育ったんです。
父はいつも真実を見つめていた。
だから今度は私が見るんです。
私が真実を書きたいんです。
いい加減にして帰れ。
あっ!すいません。
痛ぇなお前。
あっ緒方さん!お前も剣崎追っかけてるのか?うん。
あっ…。
違う…!剣崎!大丈夫か?大丈夫だ。
行け!緒方さん大丈夫?クソッ!逃げられた…。
じゃああなたたちも剣崎巧が刃物を振り回して逃げていくのを?ええ見ました。
はい。
ガイシャの身元は判明したんですか?このマンションに住んでいる大貫美奈代33歳。
桜木町にある産婦人科クリニックの開業医です。
産婦人科医…。
じゃあ彼女が着ている看護婦の白衣はやっぱり…。
神戸の事件のように犯人に着せられたと思われます。
主任!大貫美奈代が5年前まで神戸にある剣崎総合病院の産婦人科に勤めていたことが判明しました。
病院のほうと連絡は?はい。
それが…。
剣崎巧の奥さんの話によると剣崎は今日の朝突然診察をキャンセルして出て行ったっきり連絡がつかないそうです。
そうか…。
なあ緒方。
この件から手を引け。
でも…。
わからないのか!?お前たちが書いた記事があいつを刺激しているんだよ。
お前たちがおもしろがって書き立てた結果がこれだ。
真実…?笑わせるな。
ねえあれ…。
はぁ…。
悔しいけど古賀さんの言うとおりなのかもしれない。
ジャーナリズムって諸刃の剣なのよ。
私大事なことを忘れていた。
俺も同じこと考えてたよ…。
ジャーナリズムは一歩間違えれば毒にもなるんだって。
それに…。
私のせいで…。
何言ってんだよ。
何かね正直言って自信なくしちゃったのよ。
だからもうこの事件からは手を引いたほうがいいのかなって…。
そうだな…。
そうするか。
俺がこれ以上この事件に首突っ込んでたらお前も引っ込みがつかないだろ?じゃあ緒方さんもこの事件から手を引くって言うの?これ以上は危険だよ。
お前も俺も…。
緒方さん…。
まあこれからもいいライバル同士正々堂々と戦おうぜ。
あっ!手を引くんじゃなかったの?それはこっちのセリフだよ。
何が正々堂々と戦おうよ。
そっちこそジャーナリズムは諸刃の剣だとか何とか言っちゃったりしてなかったっけ?そう。
諸刃の剣よ。
だけど賭けてみたいの。
毒にもなるけど役に立つこともある。
そのもうひとつの可能性に賭けたいのよ…。
あっ!須磨です。
剣崎は内緒で須磨にマンションを借りていたそうです。
何してんのよ!?
(パトカーのサイレン)どうぞ。
どうも。
ご苦労さまです。
お疲れさまです。
あっ…!お前ら手を引けって言ったろ!・古賀さん!見てください。
これボイスチェンジャーですよ!すぐに鑑識に回せ。
はい。
事件は解決した。
わかったら出て行ってくれ。
いらっしゃいませ。
カシスソーダお願いします。
かしこまりました。
ねえ…。
何だよ?本当に解決したと思う?お前は?ねえ?なあ?手を組まない?一瞬だけ…。
一瞬だけな。
事実を整理してみるとまず殺されたのはホステスの坂上梨花さん。
彼女は剣崎総合病院の竹内さんの白衣を着せられていた。
で剣崎総合病院に行ってみたら副院長の剣崎巧が看護婦フェチであることがわかった。
で次に殺されたのが看護婦の竹内啓子さん。
3番目が産婦人科医の大貫美奈代さん。
両方とも白衣を着せられていてしかもボイスチェンジャーで呼び出された私たちは横浜で剣崎巧が美奈代さんのマンションに入っていくのを目撃した。
そして3人の女性は何らかのかたちでみんな剣崎巧とつながっていることもわかった。
ホステスの梨花は常連客として。
看護婦の啓子は愛人として。
女医の美奈代は元同僚として…。
警察は剣崎巧が知り合いの女性を次々と殺して看護婦の白衣を着せたと推測した…。
ねえ何か出来過ぎてない?だろ?俺もな実はそう思ってたんだよ。
ねえ私ずっと気になってたんだけど剣崎巧が美奈代さんのマンションに入って行って出て行くまでだいたい10分くらいなのよ。
あの時間じゃ殺せたとしても白衣を着せるのは無理よね。
じゃあもっと前に殺したとしたら?犯人は必ず現場に戻るって言うだろ?じゃあ何でずっと横浜の山下公園にいたんですか?あぁそうか…。
一番気になってるのはねあの人ナイフを持ったときに違うって言ったでしょ。
あれって犯人から出る言葉かな?確かに…。
ねえ…。
もしかしたら犯人は剣崎巧のフェチズムを利用したんじゃないかしら?えっ?ほら例えばよ。
こう何かね犯人は他に別の理由があって剣崎巧と3人の女性を殺そうとしたのよ。
へぇ〜なるほど。
つまり剣崎巧に罪を着せるためにわざと白衣を着せたってことか!?真犯人は他にいる…。
冴子ちゃん…。
なかなかサエコだね。
たまきさん…?あぁ!?おい…。
確かこれって美奈代が殺された日だよな?うん…。
何であの日あの時間にたまきさんが山下公園なんかにいるんだよ!?何?訊きたいことって。
横浜に行ったんですよ。
グルメ取材で。
そのときにたまきさんによく似た人を見かけて…。
たまきさん一昨日横浜に行きました?一昨日だったらずっと家に居たけど…。
あのたまきさんこれってもしかしてお店を…。
ええ閉めることにしたの。
たまきさん何か…。
1時に人が来るのごめんなさい。
お邪魔しました。
どうも。
やっぱりマスコミだったのね。
すみません。
で何?私でわかることだったら答えてあげてもいいけど。
でも写真はノーよ。
出さないでくれる?もちろんです。
ちょっと…。
この人に心当たりありませんかね?何これ!たまきさんじゃないの。
お知り合いなんですか?知り合いも何もたまきさんは5年前までこの病院で働いていたのよ。
私が婦長でたまきさんが主任だったからよ〜く知ってるわよ。
たまきさんって看護婦さんみたい。
たまきさんは何でこの病院辞められたんですか?ここだけの話…。
あっこれ名前オフレコっていうのでお願いね。
実はたまきさんこの病院で流産しちゃったのよ。
だから居づらくなったのかな。
流産…?彼女は結婚してたんですか?それが不倫らしいのよ。
誰の子かってそりゃもう病院中の噂になったんだけどね。
たまきさん口が堅いでしょ。
誰にも何も言わなかったのよね。
私が相談にのるって何度も言ったんだけど…。
やっぱり…。
お疲れさまです。
お疲れさまです。
ここらへんだな。
何やってるんだよ働け!あった!これだ!平田たまき…。
たまきさんが流産したときの執刀医が大貫美奈代。
担当看護婦が竹内啓子。
殺された3人の女性のうち2人がたまきさんの流産事件に関わっていたってことになるな。
なあ?こういう推理はどうだ。
たまきさんは看護婦時代剣崎巧と付き合っていた。
そして彼の子供を身ごもった。
ところが院長の娘と結婚することになった剣崎はその子供が邪魔になった。
剣崎が院長の娘と結婚したのはいつだったっけ?5年前…。
たまきさんが病院を辞めたのも5年前…。
なあ!?ほら!もしも…。
もしもだよ。
剣崎が3人の女性を使ってたまきさんを流産させたとしたら?そしてたまきがその事実を知ったとしたら?たまきさんが犯人だって言うの!?軽々しく言わないでよ。
じゃあ何で彼女はあの日横浜にいたんだ!?それは…。
何で嘘ついたんだ!?何で突然店を閉めるなんて言い出したんだ!?ちょっと待って。
たまきさんは人を殺すような人じゃない。
犯人なんかじゃない。
だからダメなんだよお前は。
何よ?記者として甘いって言ってるんだ。
どういう意味?たまきさんが犯人かもしれないってなった途端何だフニャフニャして…。
情に流されちゃって溺れちゃってお前それでも事件記者か!?真実を見たいんじゃないのか?ジャーナリズムの可能性に賭けたいんじゃなかったのか?俺はなあのとき結構感動したんだぜ…。
たまきさ〜ん?たまきさん…?お邪魔します。
やっとわかったよ。
たまきさん?たまきさん?この写真なんですけど…。
この子たちのことはよく覚えています。
両親を一度に事故で亡くしてうちへ来たんです。
妹のたまきちゃんは大きくなったらお兄ちゃんと結婚するんだって言ってそれは仲よくしておりました。
でも妹のたまきちゃんだけがもらわれて行ったんです。
たまきお兄ちゃんと一緒にいる。
ねえ猛くんお兄ちゃんならわかるよね?これがたまきちゃんの幸せになるの。
喜んであげて…。
たまきお兄ちゃん大きくなったらたまきのこと絶対迎えに行くから…。
嫌だ。
たまきお兄ちゃんとずっと一緒だもん!絶対迎えに行く!約束するから。
たまきちゃんさあ…。
お兄ちゃん!お兄ちゃんお兄ちゃん…!お兄ちゃんお兄ちゃん…!絶対迎えに行くからな!でもかわいそうなことをしました。
猛くんが別の家に引き取られて一人前になったときたまきちゃんを迎えに行ったんです。
でもその家にはもう居なかった…。
猛くんを捜して家を飛び出したまま行方不明になったそうです。
あの猛くんは今…。
確か兵庫のほうで…。

(たまき)冴子さん。
横浜はね私が生まれた街なの。
両親に死なれて兄に捨てられて1人ぼっちになった街。
一度は封印した街。
だけど皮肉よね。
私が最後に辿り着いた場所は神戸だった。
神戸の街は私が生まれたこの街によく似てた。
巧とは20歳のときに知り合ったの。
ずっと1人ぼっちだった私はやっと家族ができたと思った。
でも巧は…。
お帰りなさい。
今日ね病院に行って来たの。
そしたら順調だって。
院長の娘と結婚することになった。
別れてほしい。
ちょっと待って。
見て。
いるのよ。
私たちの子供よ!堕ろしてほしい。
堕ろせって…。
もう5か月にもなるのよ。
そんなことできないわよ!堕ろせって言ってるだろ!堕ろせよ!この子だけは守ろうと思った。
だって私のたった1人の家族だったから…。
でも…。
痛い…。
私の赤ちゃんは?残念ですが出血がひどくて…。
私は二度と子供の産めない体になった…。
だからせめて子供のころからの夢だったステーキ屋をやり始めたの。
でも…。
私はあの女と再会してしまった…。

(梨花)先生!何だ?急に呼び出して…。
いいから。
行こっ!
(梨花)ねえ先生もう少しお金ちょうだい。
(剣崎)もう十分やったろ。
だったらあのことバラしちゃおうっかなぁ。
知ってる?あの人この近くで「Garlic」っていうステーキハウスやってるの。
巧先生にはめられたって知ったらどうするかしら?私知ってるのよ。
私だけじゃなくて産婦人科の女医や看護婦までたらしこんだって…。
いくらだ?女医さんには開業資金全部出してあげたそうじゃない。
私だってあのマンションだけじゃね…。
とりあえずだ。
(たまき)みんなでグルになって私の子供を殺した!私のたった1人の家族を殺した!許せなかった。
だから殺したの…。
えっ?犯人は私です。
私が殺しました。
本当に?本当は違うんじゃないの?たまきさん本当のことを話してください。
たまきさん!
(携帯電話)もしもし。
(ボイスチェンジャーの声)「久しぶりだな」事件は解決したってあれほど念を押しただろ?「古賀さんね…?」…ああ。
私たちをずっと利用していたのね。
あんたも緒方も俺が見込んだとおりの記者だったよ。
緒方さんは?緒方さんはどこ?神戸のポートアイランド知ってるか?「ええ」北埠頭のマルサン倉庫。
緒方を助けたかったら1人で来い。
来るな冴子!あっ…!緒方さん!緒方さん!しっかりして。
緒方さん!緒方さん!そこまでだ。
ライバル誌の記者恋愛関係のもつれから無理心中。
どうだ?いいスクープになるだろ?悪くないわね。
今度は誰に書かせようか?さすがだな大した度胸だ。
言ったでしょ?真実が見たいって…。
また真実か…。
何だよ真実って。
そんなものこの世の中にあるのか?あるわ。
マスコミの連中が記事を書く。
平和な連中はそれを読んで自分の中にある正義を確認する。
自分は幸せなんだって実感する!結局は他人ごとなんだよ。
それが真実じゃないのか!違う!そうじゃない!じゃあ見せてもらおうか!あんたの言う真実とやらをさ。
やめろ古賀!あなたにはできない…。
あなたはそんな人じゃないから。
だって妹さんのために復讐していたんでしょう?古賀さんの忘れられない人って…。
赤い靴の人って妹のたまきさんだったんですね。
たまきさんが全部話してくれたんです。
(アナウンサー)「それでは次のニュースです」「昨夜神戸市内の剣崎総合病院で看護婦の竹内啓子さんがナイフで胸を刺されて殺害されました」「竹内さんは病院勤務を終え帰宅の途中で被害に遭ったと…」たまきさんは3人の女性のうち2人が死んだと知って残りの1人美奈代さんの様子を伺うために横浜へ行った。
そしたら美奈代さんのマンションから古賀さんが出て来るのを見てしまったんです。

(チャイム)大貫さん。
たまきさんはなぜ古賀さんが自分の復讐相手を殺していくのかわからなかった。
だけど…。
お兄ちゃん…?そうよねたまきさん?お兄ちゃんなんでしょ?何で最初にそう言ってくれなかったの?償いだよ。
そうだろ?兄とは名乗らずにすべてを背負おうとしたんだろ?うるさい!お前に何がわかる!わかるよ!お前は昔からそういう奴だった。
お兄ちゃんもうやめて!ずっと…ずっとお前を捜してた。
やっと会えたと思った。
先生もう少しお金ちょうだい。
もう十分やったろ?だったらあのことバラしちゃおうっかなぁ。
巧先生にハメられたって知ったらあの人どうするかしら?
(嗚咽)
(古賀)俺は真相を確かめるために梨花のいるクラブに通った。
あのバカ女すべて白状したよ。
そのときの執刀医も担当看護婦の名前も…。
ほんとバカな女よね。
たまきって。
何にも知らないでかわいそう。
ハハハ…。
(古賀)許せなかった…!妹の人生をメチャクチャにしたあいつらが許せなかった!だけど…本当はもっと許せない奴がいたんだよ。
お兄ちゃん…。
あの日山下公園でお前を抱きしめて離さなかったらこんなことにはならなかった…。
もっと早くお前を迎えに行ってたらこんなことにはならなかった!たまき…ごめんよ…。
何ひとつお兄ちゃんらしいことしてやれなくて…。
甘えないでよ!確かにあなたのせいかもしれない。
あなたが引き止めていたらこんなことにはならなかったかもしれない。
でも…だからって死んで償う?代わりに復讐する?違うでしょ!?たまきさんが本当にしてほしかったのはこんなことじゃない!たまきさんはね…。
「自分が殺しました」って私に言ったの。
なぜだかわかる?だって古賀さんはたまきさんにとってたった1人の本当の家族だから!たまきさんはずっと本当の家族がほしかったのよ!たまきさんは古賀さんにただ居てほしかったの。
ガーリックライス一緒に食べたかったんです。
あの日私お兄ちゃんに捨てられたかと思ってた。
だけどそうじゃなかったんだね。
私お兄ちゃんのことずっと待ってるから。
もう1人じゃないってわかったから…。
ガーリックライス一緒に食べよう。
お前のガーリックライスおふくろのと同じ味がしたよ。
お兄ちゃん…!ありがとな来てくれて。
あなたのためじゃないの。
ジャーナリストとして真実を見届けなきゃって思っただけなの。
(パトカーのサイレン)さてさてどちらが売れてますかね…?勝負だな…。
負けたほうがめしをおごるっていうのはどうだ?のった!ごちそうさま〜。
売れ行きは五分五分ってとこね。
まあ私のほうが内容は濃いけどね。
なんたって某ライバル誌のマヌケな記者を助ける敏腕女性記者ですから!何言ってるんだかな…。
最後まであいつが犯人だってわからなかったくせに…。
う〜ん。
でいつから気がついてたの?古賀さんのこと…。
大貫美奈代のマンションで剣崎に襲われそうになったときだよ。
わざとあいつ剣崎ことを逃がしただろ。
あのときに俺はピンときたね。
ふ〜ん。
まあね今となってはどうとでも言えますけどね。
お前ね本当頭にくること言うな。
(携帯電話)かわいくないのは顔だけにしとけよ。
うるさい!もしもし?編集長…。
あぁちょっと伺いますけど君今どこにいるの?横浜の中華街で…。
もしかして新しい事件の取材ですか?何言ってるの。
例の原稿だよ。
アポなし美食突撃隊。
今度は札幌だからね。
はい。
札幌…。
締め切りは24時間以内。
よろしくね。
はーい。
は〜い…。
よっ敏腕グルメ記者!今から札幌行ってうまいもん食って風邪引いて来い。
ハハハ…。
まだまだだなぁ…。
今から札幌かぁ…。
早く行け。
早く…。
(アナウンサー)「今日未明札幌市藻岩山の山中で女性の遺体が発見されました」「女性の手にはフランス人形が握られており…」お勘定よろしく!クソッ!卑怯者!1万2千円です。
はい。
おつりいいや!やっぱりください。
えぇ〜ちょっと…。
あいついつの間に…!すみません。
とりあえず出てください。
羽田まで。
あの黄色いタクシー追い抜いてください。
負けないわよ…。
北海道で人気の釜飯店が50周年を迎えた
2015/08/27(木) 14:00〜15:51
ABCテレビ1
事件記者冴子の殺人スクープ![再][字]

ナース白衣を着せられて殺された3人の女!神戸明石海峡−横浜元町連続殺人事件

詳細情報
◇出演者
水野真紀、船越英一郎、有森也実、橋爪淳、大杉漣、升毅、川合千春 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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