所さん!大変ですよ「詐欺グループに狙われた“人気文房具”」 2015.08.27


去年3月。
名古屋市で悪質な振り込め詐欺グループにつながる男が逮捕された。
この男ある方法で他人になりすまし詐欺に使う偽の銀行口座をいくつも作っていたというのだ。
男がなりすましに利用したのはなんと誰もが簡単に手に入れられるあの人気文房具。
許されない。
悪質性っていうのは高いですよね。
敏腕刑事も驚いたその意外すぎる手口とは!?
(所)また事件でしょ?これ。
(久保田)振り込め詐欺事件に関わってるらしい…。
あらますごいものを取り上げますね。
どういう話なんでしょう?お待たせを致しました。
何ですかそれ。
何だよ最新作って。
さあ事件見てみましょう。
今日はこれです。
ジャン!なんとも不思議な話です。
去年の3月です。
振り込め詐欺グループにつながる30代の男が愛知県警に逮捕されました。
この男あるトリックを使ってパスポートを偽造し他人になりすましていたんです。
ちょっとその手口。
この人正規の手続きで一つパスポートを作ります。
自分の。
これは誰でもできる事です。
そこからあるトリックを使ってもう2種類偽造します。
3種類のパスポートを本人証明にしてあちこちの銀行に行き口座をいくつも開設していたんです。
これをどうやら振り込め詐欺グループに売ろうとしていたんじゃないかと見られています。
パスポートって難しいよね。
そう。
今セキュリティーが厳しくなった時代この男はなぜ3種類のパスポートを作る事ができたのか。
ここにある文房具がかんできます。
え〜何だろうな?さあそのトリック見て下さい!所さん!大変ですよ。
ディレクターが向かったのは事件が起きた愛知県名古屋市。
犯人の男を逮捕した警察署で話が聞ける事に。
こちらですか?案内されたのは年間600件もの事件を扱う刑事課。
初めまして。
刑事課長の貝吹といいます。
数々の事件を解決してきた刑事課長も今回の事件の手口には驚いたという。
一体男はどうやってパスポートを偽造したのか。
男はまずパスポートの署名欄にローマ字で名前を書き込んだという。
刑事課長の名前を借りればこうだ。
そして…。
パスポートにはもう一か所名前を任意で書く欄がある。
男はここに目をつけたという。
例えば明徳と書いてみたり。
…と書いてしまうと3人という事になってしまいますね。
そうなんです。
男は自分のパスポートの署名欄に次々と3種類の漢字で署名。
それを証明書として使い3人の名義で複数の口座を開設したというのだ。
しかし男は一体どうやってパスポートに一度書いた名前を書き換える事ができたのか。
ん?ボールペン?一度書いても消しゴムで何回でも消す事ができる…男はこのボールペンを悪用し名前の漢字を次々と書き換えていたのだ。
しかし同姓同名で違う漢字の人物が複数口座を持っている事をある銀行員が発見。
証明書の写真も一致したため犯行が明るみに。
男は振り込め詐欺グループに口座を売り飛ばそうとした直前逮捕された。
消せるボールペンが犯行に使われた今回の事件。
開発した文房具メーカーはどう思っているのか。
このメーカーの消せるボールペン。
実は9年前フランスやスペインなどからの要望を受けて開発されたものだという。
これらの国では授業の際鉛筆ではなくボールペンを使うのが一般的。
消せるボールペンがあれば修正液を使う必要がなくなり書くのが楽になるというのだ。
以来世界中で大ヒット。
これまで100か国以上で合計12億2,000万本が売れたという。
しかし…。
このメーカーでは企業が使う請求書など証書類には決して使わないようボールペン本体に注意書きを明記してきたというのだが。
調べてみると多くの人の悪意なきうっかりミスで意外な問題が各地で起きていた事が判明した。
今年4月。
問題に直面したという舞鶴市役所を訪ねた。
(取材者)会計。
はい会計課でございます。
経理担当者が取り出したのは建築業者から送られてきた建材の請求書のコピー。
建築業者が請求者名や金額の欄をうっかり消せるボールペンで書いてきたというのだ。
発覚したきっかけは…。
担当者によれば普通のボールペンに比べて消せるボールペンで書かれた文字が僅かに薄く見えたのだという。
そこで試しにこすってみたら消えたので業者のうっかりミスが発覚。
もし誤って消していたら税金でいくら支払ったのか分からなくなるおそれがあったという。
以来書類の手書き部分を細かくチェックしているというこの市役所。
文字の色が薄いなど少しでも不審なものは一枚一枚専用の消しゴムをかけて確かめる。
担当者によれば書類のチェックにかかる時間は倍に増えたという。
番組では全国の市役所や大手の銀行にアンケートを実施。
寄せられた64の回答のうち消せるボールペンの使用に対して対策をとっているところが7割に上った。
中には規則を定めて職場への持ち込みや使用を禁止している自治体もあった。
このあと消せるボールペンがある国で輸入禁止の事態に。
中国そしてベトナム。
そこで日本の消せるボールペンが巻き込まれた意外すぎる事件とは。
大問題じゃないですかこれ。
また。
昔は公文書っていうと黒いボールペンじゃなきゃいけないとか。
今度何?ここまでいくと。
いろんな事が。
実はですね調べてみますとほかにも消せるボールペンが悪用されてしまった事件が。
あっそう。
こちら。
これねマンションの管理会社の役員が消せるボールペンを悪用。
管理費を書き換えていたと。
あら。
不正請求する事31回。
着服した額なんと2億円にも上ります。
我々は…じゃあどうやったら消せるボールペンを悪用した犯罪を防げるのか。
VTRに出てきた愛知県警の課長さんに教えてもらいました。
貝吹さん。
被害を防ぐポイント3つです。
2番目と3番目は本人確認を一つの書類で信用せずに複数でやりましょうこれからはと。
それから銀行などに消せないボールペンをちゃんと置いて徹底はしましょう。
それからね契約書をもらったらコピーしときましょう。
そらそうだ。
コピーが証拠になりますからと。
でも今までは原本を持っておきましょうっていう事だったのに…。
逆になっちゃったね。
原本が疑わしくなっちゃって…。
コピーしときましょうっていう。
何なんだこれ。
(笑い声)スタジオには今日も専門家の皆さんにお越し頂いています。
消せるボールペンについてお話のある方。
(3人)はい!あるぞみんな。
(モーリー)消せるボールペンなんですけどVTRでヨーロッパの子どもたちのために開発されたという話が出てきたんですけど実はこんな話もあるんです。
ジャン。
消せる?消せない?イタリアでは。
(モーリー)イタリアでは。
イタリアの学校関係者の間で大論争が現在起きてるそうなんですけど消せないペンを使うべきだという人は間違えた所を上書き訂正する事で間違った場所をきちんと意識できて覚えられる。
重複するからね。
という事ですよね。
逆に消せるペンの方がいいという人たちは何度でも書き直せるからその方が子どもたちはあきらめない気持ちとか勉強に向かう気持ちをかきたてる事ができると主張している訳なんですね。
イタリアでも論争になってるんだ。
さあ所さん所さん。
この日本の消せるボールペンというのは今や世界100か国以上で愛されている大ヒット商品になっているんですが実は東南アジアのある国では輸入禁止にしようという動きが出ている。
あれ?それがどこかというとなぜかこの国です。
えっベトナム?そう。
ベトナム。
なぜだろうと取材班行きましたら実はベトナムで日本の消せるボールペンがとある事件に巻き込まれている事が分かったんです。
あれ?さあ所さん!ベトナムも大変ですよ。
大変だ!ディレクターが訪れたのはベトナムの首都ハノイ。
7年前から日本の消せるボールペンを販売してきたというのだが…。
(取材者)あっない。
なるほど。
この文房具店では4月から消せるボールペンの販売を取りやめたという。
別の店では…。
ん?あるのか?店員が棚の奥から取り出したのは確かにあの消せるボールペン。
(取材者)ハンドキャリーだよね。
なるほどね。
OK。
ありがとうございました。
聞くと今は手荷物で運んでこないとベトナム国内には持ち込めないという。
一体なぜこんな事態になったのか。
調べると今年4月に放送されたあるニュースにたどりついた。
つまりベトナムでも日本の消せるボールペンが悪用されたという事なのか?取材を続けると事件の被害者から相談を受けたという弁護士を突き止めた。
弁護士によると事件の概要はこうだ。
被害者は建築資材の小売業者。
仲卸業者から資材を購入しその場で現金2億ドン日本円でおよそ100万円を支払ったという。
その際相手から渡されたペンで支払った事を証明する書類にサインを書き込んだというのだが…。
被害者の男性のもとに仲卸業者から電話がかかってきた。
慌てて証明書をチェックした男性は目を疑った。
なんと確かにしたはずのサインが跡形もなく消えていたのだ。
この時弁護士は日本の消せるボールペンを疑いいろいろと調べてみたという。
すると…。
実は日本の消せるボールペン文字を消せる原理の鍵は熱にある。
ボールペンに使われているのは温度が65度以上になると透明に変化する特殊なインク。
消しゴムでこすると表面は摩擦熱で65度以上になる。
それで文字は透明になり消えたように見えるのだ。
だから一度消えた文字を復活させる事も可能。
コールドスプレーなどでマイナス20度以下に冷やせばいいのだという。
そこでベトナムの弁護士も冷やしてみたというのだが…。
一体どういう事なのか?数日後事件に使われたペンをベトナム政府の機関が調べたという情報が飛び込んできた。
調査に当たった国立科学研究所を訪ねると…。
これまで数々の怪しい輸入品の成分を分析してきたという科学者が現れた。
博士が取り出したのは事件に使われたのと同じタイプのペンだというのだが。
ん?どう見ても日本製のあの消せるボールペンとは違う。
ペンについているはずの消しゴムもない。
すると博士から意外な言葉が飛び出した。
何?中国製?しかも…。
勝手に消える?聞けば中国製のペンで書いたものは消しゴムでこすらなくても時間がたつと自然に消えてしまうのだという。
早速試してみると…。
確かにみるみる薄くなり3時間ほどで完全に消えてしまった。
これじゃあ勝手に消えるボールペンだ!博士が調べたところ中国製のボールペンに使われているインクは酸化する事で透明になる性質でミカンの汁などを塗るとたちまち消えてしまうという。
(取材者)消えちゃった。
逆に石灰水などアルカリ性のものを塗ると色は元に戻るという。
ディレクターが調べてみると勝手に消えるボールペンは中国各地の工場で大量に生産されている事が判明。
芯の原価は一本0.2円だという。
そもそもなぜ作られたかというと…。
どうも靴やカバンなど革製品を作る時印をつけるために開発されたもののようだ。
5年ほど前からはベトナムに向けて輸出されるようになったというのだが…。
以来勝手に消えるボールペンを悪用した事件がベトナム各地で発生するように。
事態を重く見た警察は2年前中国製の勝手に消えるボールペンを売っていた店を一斉摘発。
その後輸入禁止になった。
一方どんなに取材しても日本製の消せるボールペンが引き起こしたトラブルは見つからない。
なのになぜ日本の消せるボールペンが輸入を禁止されなければならないのか。
ベトナムの税関に問い合わせたところ回答が寄せられた。
回答は中国製と日本製の違いに全く触れておらず区別していない事が分かった。
中国製の勝手に消えるボールペンのあおりを受け日本の消せるボールペンまで輸入禁止に。
それが事の真相だった。
そんなものが。
すごいですね。
印消えてほしいですもんね。
…っていうのは書くっていう事は外部に記憶を置いておくというかそういうものなので…書いたよって。
書いた事で安心しちゃって忘れちゃうんですけども…その場合は駄目ですけど。
(笑い声)私イラストを描く仕事もしてるんですけど下書きに消せるボールペンで描くと下絵で。
ドライヤーあてるだけで消えるので…。
だから中国製のボールペンもいいなって今ちょっと。
便利な感じするよね。
消えてくれて。
正しく使ってほしいですけどね。
う〜ん…うなる一方でございます。
2015/08/27(木) 22:55〜23:20
NHK総合1・神戸
所さん!大変ですよ「詐欺グループに狙われた“人気文房具”」[字]

名古屋市で逮捕された振り込め詐欺グループの男。他人になりすまし、複数の名義で銀行口座を作っていた。そこに使われたのは、あの人気文房具!刑事も驚いた手口とは?

詳細情報
番組内容
名古屋市で逮捕された振り込め詐欺グループの男。他人になりすまし、複数の名義で銀行口座を作り、そこにお金を振り込ませようとしていたのだ。なりすましに使われたのは、あの人気文房具!現役刑事も驚いた、仰天の手口とは?
出演者
【司会】所ジョージ,久保田祐佳,徳永圭一,【出演】澤口俊之,モーリー・ロバートソン,犬山紙子,【語り】吉田鋼太郎

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:10495(0x28FF)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: