きょうの料理 谷原章介のザ・男の食彩「われらの愛(いと)しいお好み焼き」 2015.08.28


新たな結果が発表されるのか、期待されています。
土屋敏之解説委員でした。
次回のテーマは、こちらです。
担当は二宮徹解説委員です。
ぜひ、ご覧ください。
関西に来たらちょっと路地をのぞいてみて下さい。
町の暮らしに溶け込んだお好み焼きの店がきっと見つかるはずです。
地元で愛されてきた味に出会い地元を愛する店主と語らう。
そこは人のぬくもりに触れられる愛と情けに満ちた空間です。
そんな関西ならではのお好み焼き屋さんがここにも。
いらっしゃい!店主の…気さくで温かな人柄は地元のみならず国内外から訪れるあまたの人を引き付けています。
英語だけしゃべれます。
英語だけ。
大阪・梅田で愛され続けて46年。
店はいつも大にぎわいです。
おいしいですね。
三つ子の魂百まで。
関西で生まれ育った人たちにとってお好み焼きはまさに心の味。
その舌をうならせるのは簡単な事ではありません。
ご家庭用のお好みのプロなんかもうごまんといるわけですよ。
「お金取って食わすお好みってどんなん?」言うて。
うわ〜怖いですね。
怖いですよほんとに。
関西人の愛のむちが育んだお好み焼き。
鉄板越しの人生劇場へようこそ!今日はですね私大阪までお好み焼きを焼きにまいりました。
家でも焼く事はあるんですけどもなかなかやっぱりプロの方が作るような味にはならないんですよね。
やっぱり粉ものといえば大阪という事ですから。
こんにちは〜失礼します。
いらっしゃいませ!どうもはじめまして。
谷原と申します。
お待ちしておりました。
本日はお好み焼きを教えて頂きたいと思ってまいりまして。
よろしくお願いいたします。
どうぞお入り下さい。
失礼します。
いらっしゃい。
は〜とっても味わいのあるお店ですね。
ちょっと暑いですけどどうぞお掛け下さい。
鉄板きれいですね。
今日用にちょっと磨いて。
ふだんはここまで光ってないんですけどね。
まずは挨拶代わりに一枚。
大阪のお好み焼きの定番豚玉です。
どうもお待たせいたしました。
ごゆっくりどうぞ。
いや〜僕ですね今日東京から何にも食べないで来たんですよ。
そうなんですか。
はい。
じゃちょっと早速いただきます!熱いですよ。
うん!生地がまた柔らかくてしっとりしててこの豚肉とかから出てる脂のその甘みとしそがさっぱりさせてくれてとってもよく合います。
よかったです。
やっぱ大阪のお好み焼きは違うな。
これはやっぱりお店ならではのこだわりみたいなのとかあるんですか?どっちか言うたらアバウトですよねほんとに。
こうすんねんでこうすんねんでこうすんねんでいうそういうマニュアル書を頭にたたき込んでねあ〜こうすんのか。
違いますの。
今日はうまくできた今日はなんや柔らかいななんやろな。
ほんでだし少なめにして粉もうちょっと多めにせいやとか。
もうそんな事で。
ちょっと何かいろんなそこら辺の秘密を見せて頂いても…。
いいですか?どうぞ。
すいませんありがとうございます。
「アバウト」なんて木地さんは言ってましたがきっとプロの秘密がどこかにあるはずです。
谷原さんしっかりと見つけて下さいよ。
谷原さんほんならちょっとキャベツをちょっと。
キャベツの下ごしらえから。
はい。
適当な長さ。
みじん切りよりちょっと大きめぐらいの。
粗めの。
そうですね。
いろいろやってみましたけどこのぐらいの長さがいいですね。
キャベツの食感もこれだと感じる事もできる。
そうですね。
ええそうです。
今だしが…。
だしを入れるんですね。
これ今入ってるの何ですか?昆布と鶏のもも肉ですね。
もも肉?もも肉でだしとるんですね。
胸肉でも何でもいいですからね。
胸でも何でもいいんですか?おいしくとれると思います。
これ合わせ節削り節。
さば節ですね。
かつおとさばとあと何が入ってるんですか?うるめですね。
うるめ?関西よく入れるんですか?そうですね。
これうどんのだしなんかでも使ってるとこ多いですからね。
わ〜でもこのスープだけでもちょっとおいしそうですね。
この3つの組み合わせが割とおいしいと思いますよ。
創業当時から変わらず?いろいろ試行錯誤しましたよ。
牛乳入れた事もありましたしね。
牛乳?「組み合わせもうこれでいいやん」になったんがそうですねもうだいぶなりますね。
生地に加えるのは海と山ダブルのうまみが入った濃厚なだし。
やっぱりプロの技あるじゃないですか。
ねえ!生地を作ろうと思います。
お願いします。
なるべくダマがないようにちょっとこう。
混ぜてあげて。
そうですね。
これが重曹いわゆる炭酸。
ふくらし粉ですね。
塩を大体…割とアバウトですよね。
3本指で2つまみ。
結構な量入るんですね。
そうですね。
ソースだけの味ちょっと弱いんですよね。
だから生地自体に。
ソースなくても食べれるぐらいの味になりますよね。
ソースを受け止められるようなしっかりとした下味が付いた方がいいという事ですか。
そういう事なんですね。
僕でも生地に塩入れた事ないです家で作る時。
これは是非いっぺん入れてみて下さい。
そうしましてこれにおだしを。
先ほどとったおだしですけど。
塩味が付いた生地…。
結構しょっぱいんです。
ちょっとなめてみますか?ちょっと失礼します。
しっかりしょっぱいですねこれ。
結構しょっぱいですね。
あとこれにキャベツ生卵が入りますからね。
ちょうどいいぐらいになると思うんですけどね。
ちょっと塩辛いかなと思うぐらい塩分ついてても後から具が足されるから大丈夫という事なんですね。
じゃこの次は…。
山芋。
全然山芋があれば入れてもらったらいいと思います。
これどういう効果があるんですか?どうなんでしょうね。
昔から先輩方が入れてるからつい私も入れてますけども。
ハハハハ!やっぱりこう…舌触りがいいんでしょうかね?あと心なしかちょっと生地がふっくらしたように見えますね。
あと卵が入りますね。
粉がつおそれから刻んだねぎしょうがですね。
紅しょうが。
紅しょうが。
それから天かす。
これもちょっと多めぐらいの方が。
先ほど切りましたキャベツ。
2つ分ぐらいですね。
生地を足していくと。
これで入れてしまいます。
これでもう軽く混ぜて頂いて。
生地を混ぜる時のポイントってありますか?う〜んこれもやっぱりそうですねあんまり意識してやった事ないんですけどやっぱりよく混ざってる方がいいでしょうね。
空気をちゃんと含んでと。
これでちょうど2枚分ぐらいですね。
真ん中がどうしても火が通りにくいいうか。
真ん中ちょっとこう薄めにして焼くようにしてます。
中心は低めで周りの土手をちょっと高めにしてあげて。
ここでしその登場ですね。
しそおいしいですよこれ。
やっぱ豚は豚バラがいいですか?やっぱバラ肉。
豚バラがおいしいですね。
この脂がなかったら豚玉は…あれですね。
味気ないですか?やっぱしねこの脂がいいですね。
これ見た目上でひっくり返す見極めのポイントってあったりはするんですか?これはやっぱりこの縁がまず変わってきますよね。
だんだんこう固まってくる感じで見分けるんですか?そうですね。
もう長年の勘で分かるわけですね。
ごっつアバウトですよこれほんとに。
私ら職業ですけどねこれのプロプロ言われるのがね気恥ずかしいんでね。
プライドはありますよ。
これはプライドいうのは自分自身の問題でね「プライドあるんですプライドあるんです」そんな誰も言わへん。
だけどお客様の方からね「プロやプロや」言われるのは何か恥ずかしくてね。
気恥ずかしくて。
ごっつアバウトやもんほんまに。
ほな返しますね。
上はまだちょっと生っぽいですけど確かに縁は色変わってかたくなってきてますね。
お〜。
よかった。
あ〜この豚の焼けるいい脂の匂いがしますね。
天かすも入ってますからね。
やっぱ天かすが入ったりこの豚の…全体的なまあ言うたらいわゆる沸点みたいな上がるんじゃないですかね。
中の温度がですか?そうですね。
生地の中が。
はい。
それがふんわりさせるん違いますかね。
…と思うんですけどね。
ちょうど返すタイミング。
あ〜いいですね。
一回返してもう一回返して。
その間ほとんどもういじらないじゃないですか。
そうですね。
うちはひっくり返したらそのままほったらかしみたいですね。
まだ初心者の頃お客様の方が「あんまり押さえん方がいいよ」なんか言われて「そうなんですか」言うてそれから押さえてないと思いますね。
その助言があったればこそのこのほったらかしと。
大阪なんか私らお客様からお代を頂戴してるから一応プロみたいに言われてますけどご家庭でそれこそご家庭用のお好みのプロなんかもうごまんといるわけですよ。
フフフ!ほんまに。
そういうお客様が「お金取って食わすお好みってどんなん?」言うて。
うわ〜怖いですね。
怖いですよほんとに。
もうええですけどね。
これもう出来てますけどね。
これでもう完成ですよね。
もう十分これおいしそうでしょ。
おいしそうですね。
これなんかねこれこのままでもおいしいんですよ。
大丈夫ですか?熱い!熱い熱い熱い!熱いですよ。
あっ生地がしょっぱさと中の具の一つ一つの味がすごく際立ちますね。
私ら関西人はね切るいう感じじゃないんですよね。
これどっちか言うたら斧の使い方するんですよね。
ほんでこれでここのコーナーでねこういうふうにいくんです。
切ろうとするんですよね。
お前ナイフとちゃうでそれ斧やでいう。
ご家庭でもじゃこの食べ方で。
ホットプレートの上でこれ使たらあかんな。
駄目ですね。
これソース塗りますか?このウスターソースでね。
これウスターソースなんですか?最初に塗る。
これでちょっと押さえておくんですね。
それからうちはマヨネーズをちょっと使って。
それからお好み焼き用のソースですね。
これでもう。
なぜ2回に分けて塗るんですか?これだけですとねちょっと甘いんですね。
ウスター塗る事によってちょっとよくなりましたね。
あと好みで粉がつおちょっとふって頂いて。
青のりもあれば。
こんな感じです。
私ら一定のもん作りたいいう気持ちがみんなで共有してるんですよね。
安定してずっとこれを出したいいうそれが職業かも分かりませんね。
10年ぶりに来たお客さんでも「そうそうこの味」っていう…。
それ言われたいですね。
最高の褒め言葉ですよね。
「一個も変わらんな」いう言われ方でもいいんですが。
「進化せんな」いう言われ方でも…変わらない味を目指す木地さんのが作る定番の豚玉。
お客さんに教えられそして愛されてきた揺るぎない味です。
お好み焼き文化が息づく関西。
実は各地に地元だけで愛されるご当地お好みがあるんです。
まずはだんじり祭で有名な…地元では「かしみん」と呼ばれるこのお好み焼きには…。
(多々納)かしわ入れます。
鶏肉全体はかしわって言うここは。
入れるとこよって私とこはせせり入れてるけど軟骨入れる人もあるしいろんなんある。
更に甘くジューシーな牛脂のミンチ鶏肉を指す「かしわ」と牛脂の「ミンチ」で略して…
(多々納)これで出来上がりです。
お嬢様方お味いかがですか?続いては神戸の下町長田。
お好み焼き店がひしめく関西きってのお好み焼きタウンです。
そんな長田の定番といえばすじ焼き。
煮込んだ牛すじの濃厚なうまみが決め手。
(水原)大阪はやっぱり豚が多いけど神戸はやっぱりお好み焼きっていうたら牛使います。
豚じゃなく。
マヨネーズも青のりも使わない潔さが自慢。
牛すじのうまみにご当地ソース。
戦前から変わらぬ味が今も愛され続けています。
兵庫県高砂ではトラディショナルといえば「にくてん」です。
入っているのはなんとおでんの具。
まずはじゃがいも。
更に牛すじとこんにゃくが加わります。
前の日におでんした…残しておいて「明日にくてんしよか」言うてうちの母親なんか言いよったと思うけどね。
だしのよくしみこんだ具がたっぷりでもう迫力満点。
それぞれの町にそれぞれの定番があるんですね。
千差万別の味が楽しまれているお好み焼き。
木地さんに家ならではのお好み焼きの楽しみ方を教えてもらいましょう。
家ではねこれはもうアレンジアレンジでいいんですよね。
冷蔵庫開けてもろてあるもんでええんです。
たくあんなんかありますよね。
あ〜たくあんありますね。
お好み焼きたくあんですか?合うんですよ。
それアレンジでホットプレートみんなで囲んでもらう事はねもうこれは最高!焼き上がり待つな。
もうそれ想像するだけでうれしなってくる。
それではアレンジアレンジのお好み焼き作っていきましょう。
今回この…。
これはあれですね昆布茶ですね。
これは先ほどのだしの代わりに。
もう昆布が入ってますから。
だしの素でも何でもいいんですよ。
何でもいいですか?和風だしでも。
ええ。
キャベツ以外の具を入れて水で溶き混ぜていきます。
キャベツを加えて混ぜたらすぐに焼きに入りましょう。
真ん中をちょっとあけるんですよね。
そうですね。
あの〜まあちくわがあったら。
何でもOKのお好みになりますけど。
私はこのたくあんが好きで。
想像もつかないといいますかちょっと「ほんとにおいしいの?」って感じですね。
あとは豚こまがありましたら。
この脂がおいしいですよね。
これもちょっと平たくのばしてあげながら。
子供と一緒にやっても楽しそうですね。
楽しいですよ。
いいですね〜。
これでしばらくほっておくと。
いやもうみんな待ちわびてますからね。
さっさと返してしまいましょう。
お〜!うまい!「まだやで」いう感じ。
ここまだ豚肉赤いのよ。
いろんなとこにね「まだやで」サインが残るんですよ。
これつい何か上から待ってる間潰したくなっちゃうんですけどここはじっと我慢なんですね。
いや…それぞれ家で好きにしたらいいんやけどな。
家のやつはという事ですね。
触りたかったら触らせてやったらええんですよ。
子供に。
うん。
これにじゃあ…。
これ味付けはどんなふうに?このタイプはしょうゆがおいしいかもしれませんね。
あ〜しょうゆ。
お好みにしょうゆいいじゃないですか。
たくあん確かに合いそうですね。
しょうゆがおいしいかもしれませんね。
好き好きですけどいっぺん焦がしてもおいしいですね。
香りがたちますね。
もみのりなんかちょっとふってもらうとおいしいかも分かりませんね。
こんな感じですね。
これ完成でしょうか?ええもうこれで。
簡単でしょ。
簡単ですね。
お好みでアレンジを楽しむ。
これぞ家のお好み焼きの神髄。
「次は何をのせてみようか?」「まだやで」なんて会話も弾む家族団らんの味。
「えんじょいゆあたいむ」。
谷原さんそうそうそうそう!切るんじゃなくて斧ですよ。
さあおのおのの味はいかがですか?さっき「たくあんは…」って言ってましたけどむちゃくちゃうまいですね。
意外と合いますね。
食感といい味といい。
いやこれおいしいです!あともうほんとに福神漬でも高菜でも何でもいけるんですよね。
面白いですねお好み焼き。
面白いですよ。
このお好み焼きが何かこう原点の温かさみたいなのをすごい感じました。
こういうもんはねこうでなかったらあかんいう代物じゃないんですよ。
これは楽しむもん。
僕にも焼けるあなたも焼けるみんな焼ける!いや〜お好み焼きって楽しいですね。
ごちそうさまでした。
谷原さんどうもありがとうございました!ありがとうございました。
また寄らせて頂きます。
(谷原木地)失礼します。
いや〜おいしかった。
僕にとって思い出の味となりました。
また数年後来ても同じ味をねキープしてくれてるんじゃないでしょうか。
あ〜満腹満腹!谷原さんもう一軒行きましょうよ!…ってあら?2015/08/28(金) 10:15〜10:40
NHK総合1・神戸
きょうの料理 谷原章介のザ・男の食彩「われらの愛(いと)しいお好み焼き」[字]

谷原章介さんが、こだわりの味を追求するシリーズ。今回は「お好み焼き」。大阪のお好み焼き店を訪ね、この道46年の職人から、定番「豚玉」のおいしい作り方を教わる。

詳細情報
番組内容
今回、谷原さんが訪ねるのは、大阪でお好み焼きを焼き始めて46年のベテラン職人。シンプルな「豚玉」にプロの技が光る。まずは生地のベースとなるだし。かつお節、さば節、うるめ節をブレンドした合わせ節と、昆布、鶏肉を煮出してだしをとる。水ではなくだしを使うことで、深い味わいに。キャベツは食感が程よくのこる粗いみじん切りにするのがコツ。鉄板で焼くときは、中心を低く、周りを高く。押さえないのがふっくらのコツ。
出演者
【講師】お好み焼き店店主…木地崇厳,【司会】谷原章介,【語り】江原正士

ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
趣味/教育 – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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