先どり きょうの健康「筋肉を強くしよう 筋肉って何?」 2015.08.28


「きょうの健康」です。
年を取るにつれて筋力の衰え本当に気になりますけれどももう若くないと諦めていませんか?今週のテーマはこちらです。
こういう4日間なんですけれども1日目今日は…今日と2日間この方とご一緒です。
どうぞお入り下さい。
タレントの西村知美さんでらっしゃいます。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
ありがとうございます。
本当に変わらずお美しくてスマートでいらっしゃいますが。
ありがとうございます。
筋肉についてはふだん意識される事ってあります?私筋肉運動とかは特にやってないんですけれどもなぜか昔から筋肉が…。
こんなに細くてらっしゃるのに。
ちょっとある方で。
じゃあそんなにふだん衰えみたいなものは…。
まあお若いですからねまだね。
それでもやっぱり40越えてから体力がどんどん低下してますね。
その辺り筋肉とどう関係するのかも含めて2日間おつきあい下さい。
よろしくお願い致します。
お話は…老年医学がご専門です。
長年高齢者の筋肉の病気について研究されています。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
よろしくお願い致します。
本当に筋肉の衰え気になっているんですがでもやっぱり筋肉ってすごく大切大事ですよね。
そうですね。
筋肉というのは体の臓器の中で数少ない触る事ができる臓器という事で…。
臓器なんですね?なかなか心臓とか肺は触れませんけども筋肉の量は触って実感ができるという事で非常に特徴があるかなと思います。
今日はその筋肉の量というのが健康のバロメーターになると。
これは75歳から84歳の高齢者の10年間における生存率を見てるんですけどもどこが違うかといいますと歩行速度の遅いか速いかで分けています。
ピンクが女性でブルーが男性なんですけれども毎秒0.4m未満の歩行スピードすなわち大体横断歩道を青のうちに渡れるスピードが0.8m毎秒というふうにいわれていますのでその半分以下という非常に遅い…。
青信号の間では渡れないような?そうですね非常に遅いスピードでしか歩けない高齢の方というのは例えば男性でいいますと15%しか10年間生きる事ができないと。
女性においても35%しかすなわち1/3の方しか10年間生きられないという事が分かったんですけれども一方普通のスピードで歩かれる方1.4m毎秒というのは大体キロで表しますと毎時5キロですね。
ちょっと普通よりも少し速く歩く程度で歩ける方は女性なんと10年間ほとんど亡くならないという事が分かって男性でも半分の方は10年間生きられるんだという事でこの歩行スピードが非常に健康と関係していると。
この歩行スピードというのは筋肉の量と極めて密接な関係があるという事で筋肉の量が減るというのがこういう形で現れてくるんだという事をご理解頂きたいと思います。
ではまず筋肉の役割について考えます。
西村さんそもそも筋肉の役割どういうふうに思われますか?やっぱり筋肉というのは物を持ったりとかあと体を支えるのにも大事だというふうに聞いた事があってやっぱりおばあちゃんとか腰が曲がっているのも筋肉が足りないからっていうのも聞いた事があるんですけれども。
確かに筋肉っていうのは体を支える運動にも非常に大事なんですけれどもそれ以外にもたくさんの機能がある事が分かっています。
この図を見て頂きますと骨格筋というのは手とか脚それから腹筋背筋いろんな所にある筋肉なんですけれどもこの骨格筋というのは普通筋肉というとこの骨格筋をイメージされるかと思いますし実際に触れるのも骨格筋なんですけれども自分の意思で自由に動かす事ができるという特徴があります。
2番目が平滑筋という筋肉があります。
これは全身の血管を表してますけども血管あるいは内臓の壁にある筋肉これが平滑筋という筋肉で内臓筋ともいわれます。
血液や尿を運んだりあるいは胃とか腸にもありまして胃腸を動かすためにも使われる筋肉であります。
この筋肉はですねこの骨格筋と違うのは自分の意思でコントロールができないという特徴があります。
ですからこれは自律神経によって支配されているというふうにお考え頂ければいいと思います。
3番目の筋肉が心筋ですね。
心臓というのは血液を送り出すポンプの作用をしてますけどもずっと一生動いてるんですけどもこの心筋というのは骨格筋と平滑筋のちょうど中間の働きといいますか特徴を持っていまして構造はこの骨格筋に似てるんですけども自分で速さを調節する事ができないという事でこれも自律神経によって支配されていると。
この3つの筋肉によって体は成り立っていますのでこれが全身にあると。
では一般的に筋肉は体全体の重量のどのぐらいを占めていると思われますか?考えた事ないですよね。
え〜っ!?結構筋肉ってありますよね。
え〜全体の…30%ぐらいですかね?実は…50%って体の半分は筋肉なんですか?そのとおりです。
結構予想よりも多いかなというふうに思います。
この筋肉というのは生まれた時にはもちろん赤ちゃんですからほとんど自分で歩く事はできないという事で筋肉の量は少ないんですけれども成長とともにどんどんどんどん筋肉は肥大をしていきましてサイズも大きくなってまいります。
ピークが大体二十歳前後というふうにいわれてましてそれからゆっくりと加齢とともに減少をしていくというふうにいわれています。
中年期高齢期とありますけども高齢期にかけてずっと減っていくというのが一般の加齢変化という事だと思います。
ところがですねこの筋肉の量というのはピンクの線に示しますように中年期の時の生活習慣であったりとかあるいは高齢期における生活習慣によって減り方が非常に速い方がおられて減る量が多い場合これを病的な状態と考えなければいけないというのが現在の筋肉に対する考えと。
西村さんいかがでしょう筋肉の衰え感じますでしょうか?最近はやっぱり1時間ごとにベンチに座ろうとかお茶しようとか休憩するようになりましてやっぱりもうめっきりと体力が低下してきたなっていう。
まさにこの辺りだと思うんですけども恐らく何らかの自覚症状があるという事は筋肉が減少してきているという事のサインだと思いますのでやはり少し今の運動というのも続けて頂いたらいいと思うんですけどもそれに加えてプラスアルファをちょっと考えて頂いた方がいいかなというふうに思います。
筋肉量の加齢変化ですけれども例えば一番多い時あるいは中年期から高齢期どれぐらいの数字で減っていくんですか?20歳代と例えば70歳代を比較しますと平均して筋肉の量が4割減るというふうにいわれています。
40%も!そんなに!?ピンクの方は40%以上すなわち半分ぐらいになってるかもしれないという事なので。
そこまで衰える…。
あまり減らない人もいれば非常に減るスピードが速い方もおられるという事でこの開きはどんどんどんどん大きくなるというのがこの筋肉の非常に面白いところかなと思います。
ではこの写真なんですけれども西村さんこの写真何でしょうどういう写真だと思われますか?これ…え?どこかの輪切りですか?どこかの輪切りだと思いますけどどこの輪切りでしょうか?どこですかね…真ん中の白が骨だったとしたら上腕筋とかそういう辺りですか?いいところですね。
これが骨というのが非常にいいポイントだと思います。
これ片方しかないのでなかなか分からないんですけど実際にはこれはふとももの横断面を表しているCTの画像なんですけれども今おっしゃったようにこの白い部分というのが骨になります。
その周りを囲んでいるグレーの部分これが筋肉になります。
一番外側の部分が脂肪という形でこれは同じ70歳代の女性のふとももの横断面なんですがどこが違いますでしょうかね?量がもう全然違いますね。
そうですね。
右側の方の方のグレーの部分が非常に少なくなっています。
この骨のサイズは変わらないので全体の周囲の方も変わりがないですから同じレベルをとっていると。
にもかかわらずこちらの方は非常に筋肉の量が少ないと。
でもどうしてこんなに差が出てしまうんでしょうか?実は筋肉というのはたんぱく質で主に成り立っているというふうにお考え下さい。
我々の筋肉というのはこの合成と分解を繰り返していると。
この合成と分解が2つのバランスがうまくとれていれば筋肉の量は維持できるんですけれども分解の方が多くなってしまうという事がありますとこのように筋肉というのはだんだん痩せ細っていくというふうに考えられるかなと思います。
筋肉の量が増減する要因としましては加齢以外に生活習慣も大きく関係をしておりまして例えば食事をちゃんととっている。
栄養素を考えてバランスよくとっている方。
運動をしっかりしている方。
これは合成が上がりますので筋肉の量が維持できるというふうに考えられます。
一方で栄養が不足している方ですね。
それから運動をちゃんとしていない方。
あるいは肥満・メタボの方は分解の方がむしろ進んできて筋肉が減っていくんだという事なのでこの合成をいかに高めるかというのが筋肉を維持するためにはポイントになると思います。
運動だけじゃ駄目なんですね。
またこれは生活習慣ではないんですけどもここに男性ホルモンというのがありますけれどもこれは男性ホルモンというのは男性に多いもちろん女性にもあるんですけれども男性に多いホルモンでこれが筋肉の量に大きく影響していると。
男性の方が筋肉が多い理由はこの男性ホルモンが女性よりも多いからだというふうにいわれています。
こういったホルモンの関係ですね。
筋肉は減るんですね。
減ると何か悪い事ってあるんでしょうかしら?どうでしょう?やっぱり体力的なものもありますし先ほど言いましたように重い物が持てなくなるとか体が支える事ができなくてという事は何かこけてしまったりとかそういう事ですかね?そのとおりですね。
そういった運動機能の低下もあるんですが実は免疫機能の低下というのも筋肉量の低下と非常に深い関係があるというふうにいわれています。
筋肉量が少ないと免疫機能が低下するという事は細菌感染に対する抵抗力が衰えてしまうという事で例えば肺炎をおこしやすいとかそういった事も筋肉量の低下と関係しているんだという事がいわれています。
もう一個は血糖値が上がってくるという事ですね。
これは血管の中に糖が流れているんですけれどもここに筋肉がありまして筋肉も血管で支配されてますので食事をしますと血液中の糖が上がりますよね。
それが実はこの筋肉の中で一時的に蓄えられるという事が分かっていましてこういった糖の貯蔵庫としての働きを筋肉は持っているんだという事になります。
この筋肉の量が少なくなってまいりますと貯蔵庫としての役割が若干衰えてしまうという事でたくさん蓄える事ができずに血液中に少しあふれてくるという状態とお考え頂ければいいと思いますけれども血糖が筋肉の量が少なくなると上がるんだという事で糖尿病にもなりやすくなるんだとお考え頂いたらいいと思います。
これはサルコペニアという文字なんですけれども聞いた事ありますでしょうか?初めて知りましたけど。
サルコというのはサルクスというギリシャ語で筋肉を表す言葉なんですけれどもペニアというのは少ないという意味でありましてこれを合体させてサルコペニアという事で筋肉と減少の組み合わせでこれが加齢や生活習慣などの影響によって筋肉の量が減るという事を意味します。
1980年代の後半にアメリカの学者がこのサルコペニアという言葉を初めて提唱して筋肉が減る事に注意を促したという事がそういう歴史としてあります。
先ほどのお写真を見て頂きますと左側の方の筋肉の量は十分であるという事がお分かり頂けると思いますけども右側の方の筋肉は非常に少なくなっていますのでこの方はサルコペニアの可能性が非常に高いというふうに考えられる訳であります。
今日は「筋肉ってそもそも何?」という事でいろいろお話を伺ってきたんですけれども。
ダイエットとかで筋肉をつけようとか体を締めようというふうに思ってましたけどまさか筋肉が免疫とか血糖値とかに左右されるっていうふうに思ってもみなかったので本当に驚きましたね。
そうですね寝たきり予防にも非常に大事ですので筋肉の量をいかに維持するかというのが今の社会にとって非常に大事なテーマじゃないかなと考えています。
改めて最後にまとめをひと言お願いできますか?筋肉というのは加齢に伴って徐々に衰えてまいりますけどもその衰え方には個人差が大きいと。
特に高齢期で大きな差が出てくるという事をお示ししたと思います。
若いうちから筋肉に注目して予防を心がけるという事が大事だと思います。
筋肉の素顔を見たような気がしましたけれどもね。
どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
2015/08/28(金) 10:40〜10:55
NHK総合1・神戸
先どり きょうの健康「筋肉を強くしよう 筋肉って何?」[解][字]

20歳頃をピークに、その後、加齢とともに減少する筋肉。加齢以外に食事・運動などの影響を受ける。筋肉は体を動かすだけでなく、エネルギーの貯蓄、免疫の働きにも関係。

詳細情報
番組内容
年とともに衰えを感じることも多い筋肉。筋肉は20歳頃までに量が増え、その後、加齢とともに減少する。加齢以外に、食事・運動などの影響を受けながら、絶えず合成・分解を繰り返し、その量は変化する。筋肉には体を支える・動かす働きがあるだけで無く、エネルギーを貯蓄する。さらに筋肉が減ると、免疫が弱くなり、病気にかかりやすくなったり、筋肉量が寿命に関係する事もわかってきた。あまり知られていない筋肉の働きを紹介
出演者
【ゲスト】西村知美,【講師】国立長寿医療研究センター副院長…荒井秀典,【キャスター】桜井洋子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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