世界陸上:日本、メダル「0」危機…まだ入賞もなし

毎日新聞 2015年08月25日 18時42分(最終更新 08月26日 11時18分)

世界陸上が行われている北京国家体育場=中国・北京で2015年8月20日、三浦博之撮影
世界陸上が行われている北京国家体育場=中国・北京で2015年8月20日、三浦博之撮影

 陸上の世界選手権は第4日で全9日間の半分近い日程を終えた。日本勢は「メダル2、入賞6」が目標だが、これまで「メダル0、入賞0」。惨敗の可能性が出てきた。メダルゼロに終われば1995年スウェーデン・イエーテボリ大会以来、10大会ぶりとなる。

 日本陸連は2年前の前回大会で「メダル1、入賞7」だった結果を踏まえ、上積みを狙った。最大の誤算は男子20キロ競歩。世界記録保持者の鈴木雄介(富士通)は恥骨炎で万全でなく途中棄権。今季の世界ランキングが出場選手中3番目で、世界大会初出場の22歳、高橋英輝(富士通)は調整ミスもあり、自己記録から10分以上遅れて47位に沈んだ。日本陸連の今村文男競歩部長は「タフさがないと国際大会の入賞は難しい」と厳しい。

 男子マラソンの藤原正和(Honda)も先頭集団の微妙なペースの上げ下げにスタミナを奪われ、中盤に失速して21位。レース後に「強いアフリカ選手にもまれてレースをしないと、日本は厳しくなる」と国際経験の重要性を痛感した。

 女子100メートル予選で自身が持つ日本記録(11秒21)に0秒02差に迫った福島千里(北海道ハイテクAC)、予選を全体2位で突破した男子やり投げの新井涼平(スズキ浜松AC)は海外武者修行に積極的で、本番でも臆するところがなかった。

 26日以降にメダルが期待されるのは、同日が決勝の新井、29日が決勝の男子400メートルリレーと谷井孝行(自衛隊)らが出場する男子50キロ競歩、最終日の30日で前田彩里(ダイハツ)らが出場の女子マラソンとなっている。【新井隆一、小林悠太】

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