維新の党最高顧問の橋下徹大阪市長(46)と同顧問の松井一郎大阪府知事(51)が27日にそろって離党を表明し、党内が揺れている。橋下氏に近い大阪系国会議員と、民主党との連携を模索する民主系国会議員で党が分裂しそうだ。
11月1日の党代表選前の離党に東京・永田町の維新関係者は大慌て。きっかけは、党対応が決まっていない9月の山形市長選で、民主、共産などが支援する立候補予定者を柿沢未途幹事長が支援したこと。反発する松井氏が辞任を要求していた。
「大阪系の言い分が正しい。柿沢幹事長は辞めるべきだった」「橋下氏は自分勝手すぎる」と対立を繰り返す執行部に怒りの矛先が向いている。
「このままじゃ死人が出ますよ」と物騒なことを口にする関係者もいる。
この離党劇に大阪系議員が同調して党の分裂となれば、11月の代表選がなくなってしまう可能性が高い。
「代表選は橋下氏のこだわりで、国会議員も地方議員も一般党員も1人1票という画期的なものになりました。だからこそ各議員事務所は『あなたも1票投じることができますよ』という誘い文句で必死になって党員を勧誘していました」(維新関係者)
8月31日までに党員登録すれば、投票権を得られる。党員も議員と同じ1票だけに、たくさんの党員を集めた陣営が勝ちに近づく。だからこそ無理してでも党員集めに奔走してきたのだ。
「地元の秘書から『これで代表選がなくなったら首つりもんですよ。党員になってくれた人に、何と説明すればいいのか』と悲痛な声が届いています」(前出関係者)
維新は大阪が発祥だけに、地方議員や党員がもともと多く、1人1票は大阪系に有利になる。代表選をやってから分裂する選択肢もある。
「民主系は松野頼久代表を推すようです。人集めのうまい松木謙公氏や下地幹郎氏がめちゃくちゃ党員を集めていると聞きます。実際にふたを開けてみれば民主系が勝利しないとも限らない」(維新秘書)
引退表明したとはいえ、いまだに橋下氏に振り回されているようだ。
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