オーストリアのウイーンで開かれていた、欧州へ押し寄せる難民をどう処遇するか? に関する話し合いが、結論が出ないままに決裂しました。難民たちの通過経路であるマケドニアとセルビアの代表から「我々は大きな負担を強いられている」という、強い不満の声が上がりました。
この問題を論じるにあたり、まず用語をちゃんと定義する必要があります。難民(refugee)と移住者(migrant)は、国際法上、ぜんぜん違うということです。
欧州は第二次世界大戦の際、沢山の難民を生みました。だから難民を保護することがいかに重要か? という問題に関して理解が深いです。
その経験に基づき、1951年に制定された難民に関する協定で「人種、宗教、国籍などの理由から、迫害を受け、国家の庇護を受けられない人たちが押し寄せた場合、彼らを追い返すことはできない」ということが決まりました。追い返すと、法律違反になります。
一方、移住者に関しては、追い返すことはできます。
すると誰が難民で、誰が単なる移住者なのか? という定義が、とても問題になってくるのです。
その点、シリア、アフガニスタン、エリトリアの3国から逃げてくる人々は、戦争や圧政を逃れていることは明白なので、ほぼ間違いなく難民と指定できます。
今年上半期だけで13.7万人(=NYタイムズ、他のメディアでは25万人とする見解もあります)がその3国からEUに入ってきました。
かれらは海路では主にギリシャとイタリアから、その他陸路を経由してヨーロッパを目指します。難民が上陸すると指紋を取り、難民キャンプへ入れるなどして、当座の支援をするわけです。これが難民の通過経路となる各国にとって大きな負担になっています。もちろん、ボランティアや支援団体も色々な援助の手を差し伸べています。
ただ、難民は本国へ帰ると命の保証が無いので、ヨーロッパのどこかで新しい生活をはじめなければいけません。
大部分の難民は、最終的にはドイツを目指しています。それはドイツへ行けば仕事があるからです。スウェーデン、デンマーク、英国も難民が目指したがる最終到着地です。
最近上方修正された予測によると、ドイツだけで今年、80万人の難民が押し寄せるだろうと試算されています。
これは、当然、ドイツの政治の争点となっています。反移民を主張する政党、AFDは、もともと反EUという主張を持っていたのですが、それでは支持を伸ばせなかったので、最近、主張を反移民へとシフトしています。
ただドイツでは極右的で人種偏見を持つ政党は、マジョリティーの共感を得ることはできません。
その意味ではメルケル政権(=難民受け入れに寛容です)は、今回の難民問題で、有利に立ち回れていると言えると思います。
この問題を論じるにあたり、まず用語をちゃんと定義する必要があります。難民(refugee)と移住者(migrant)は、国際法上、ぜんぜん違うということです。
欧州は第二次世界大戦の際、沢山の難民を生みました。だから難民を保護することがいかに重要か? という問題に関して理解が深いです。
その経験に基づき、1951年に制定された難民に関する協定で「人種、宗教、国籍などの理由から、迫害を受け、国家の庇護を受けられない人たちが押し寄せた場合、彼らを追い返すことはできない」ということが決まりました。追い返すと、法律違反になります。
一方、移住者に関しては、追い返すことはできます。
すると誰が難民で、誰が単なる移住者なのか? という定義が、とても問題になってくるのです。
その点、シリア、アフガニスタン、エリトリアの3国から逃げてくる人々は、戦争や圧政を逃れていることは明白なので、ほぼ間違いなく難民と指定できます。
今年上半期だけで13.7万人(=NYタイムズ、他のメディアでは25万人とする見解もあります)がその3国からEUに入ってきました。
かれらは海路では主にギリシャとイタリアから、その他陸路を経由してヨーロッパを目指します。難民が上陸すると指紋を取り、難民キャンプへ入れるなどして、当座の支援をするわけです。これが難民の通過経路となる各国にとって大きな負担になっています。もちろん、ボランティアや支援団体も色々な援助の手を差し伸べています。
ただ、難民は本国へ帰ると命の保証が無いので、ヨーロッパのどこかで新しい生活をはじめなければいけません。
大部分の難民は、最終的にはドイツを目指しています。それはドイツへ行けば仕事があるからです。スウェーデン、デンマーク、英国も難民が目指したがる最終到着地です。
最近上方修正された予測によると、ドイツだけで今年、80万人の難民が押し寄せるだろうと試算されています。
これは、当然、ドイツの政治の争点となっています。反移民を主張する政党、AFDは、もともと反EUという主張を持っていたのですが、それでは支持を伸ばせなかったので、最近、主張を反移民へとシフトしています。
ただドイツでは極右的で人種偏見を持つ政党は、マジョリティーの共感を得ることはできません。
その意味ではメルケル政権(=難民受け入れに寛容です)は、今回の難民問題で、有利に立ち回れていると言えると思います。