ドイツ歳出拡大要請に応じず、記録的な財政黒字でも
ロイター 8月29日(土)1時36分配信
[ベルリン 28日 ロイター] - 今年上半期に記録的な財政黒字となる中、ドイツはユーロ圏経済浮揚のため、減税や公共支出拡大を行うべきとの声が国内外で上がる。ただドイツは、あくまでも緊縮路線や均衡予算達成目標を堅持する方針だ。
ドイツ政府は25日、上半期の財政黒字が211億ユーロ、国内総生産(GDP)比1.4%だったと明らかにした。上半期の黒字は、昨年のアイスランドGDPを上回る規模となった。
欧州委員会はドイツに対し、EU域内の成長を促進するため、「財政上の余地」を活用するよう求めた。
フランスのマクロン経済相は今週、ドイツの緊縮策が行き過ぎた可能性があると指摘している。フランスは財政赤字のGDP比を3%とするEU上限内に縮小させることに依然苦戦し、ぜい弱な経済成長を押し上げる余地がほとんど残っていない状況だ。
ドイツ国内でも、インフラ投資が数年間低調との指摘も出ている。
複数の自治体首長が昨年、道路・建物投資に1180億ユーロが必要と指摘、別の公的委員会も公共交通インフラ修繕に年間72億ユーロの投資を求めた。
与党キリスト教民主同盟(CDU)のフランク・ステッフェル議員も、直ちに歳出を拡大するよう主張する。
同氏は「相当規模の黒字を納税者に戻すべきだ」と指摘、「特に教育やインフラへの投資支出が、最も効果的な手段となる」と語った。
ING━Dibaの首席エコノミスト、カールステン・ブルゼスキ氏も「柔軟性を高めても良い。このような低金利水準では、政府も再考すべきだ」と分析する。
ただ、同氏は「柔軟性はドイツのDNAにない」と解説。「ショイブレ財務相が、歳出を拡大しない方針について各国首脳らを納得させた」と指摘。各国もドイツに強い圧力をかけることをあきらめつつあると分析した。
こうした声が上がる中、メルケル政権は他の欧州連合(EU)諸国に、ユーロ圏危機打開策として均衡予算の重要性を「説教」しようとしているとの見方も広がる。
CDUは2017年の選挙戦で、財政黒字化の実績を訴えるとみられている。
ショイブレ財務相は、今年は黒字でなく、均衡予算を目指す方針を示す。同氏は先月、DBB誌に「2019年予算にかけ、新規に債務を発生させない計画だ。追加余地が生まれれば、将来の重要投資に活用していく」と語っている。
ドイツ連邦政府の財政収支は昨年、1969年以来初めて黒字化した。
TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画
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北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。[new]
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