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 東京電力福島第一原発事故によって帰還困難区域になっている福島県内の山林で、幹が上に伸びていないモミの木が見つかったと放射線医学総合研究所などのチームが28日、明らかにした。空間線量が高いと、伸びない木が多い傾向があった。「放射線が原因か不明だが、可能性の一つ」と説明している。

 放医研が調査したのは今年1月。第一原発から3・5キロの大熊町(毎時33・9マイクロシーベルト)、8・5キロと15キロの浪江町の2カ所(同19・6と同6・85)。放射線の影響が少ないとみられる茨城県北茨城市(同0・13)のモミと比べた。

 モミは毎年、幹を上に伸ばし、横に2本程度の枝を出す。チームは幹の欠損などを「形態変化」ととらえ、それぞれの場所で100~200本を調べた。空間線量が最も高い大熊町で9割以上が変化、浪江町では4割強、3割弱と変化率が減少するものの、北茨城市でも1割弱で変化があったという。