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福島の桃、回復傾向 贈答用は買い控え


 全国2位の収穫量を誇る福島県の桃の出荷が続いている。東京電力福島第1原発事故で落ち込んだ昨年に比べ、今年は放射性物質の検査を徹底し、市場価格は回復傾向だが、贈答用は買い控えがみられる。農家は不安を抱えながら「福島ブランド」の復活を目指している。

 福島市郊外の一面に果樹園が広がる飯坂町。約40年間、果物栽培を続ける農家 樅山和一郎さん(61)の果樹園には、数多くのきれいに色づいた桃が収穫を待つ。160アールの果樹園で13品種を7~9月にかけ出荷する。

 原発事故が起きた昨年は天候に恵まれ豊作だった。放射性物質が食品の基準値以下であっても福島産を買い控える動きが広がり、事故前の半値以下にまで落ち込んだ。

 今シーズンに向け、冬から春にかけて樹木を高圧洗浄して除染し、JA新ふくしまが出荷前に行った全戸全品種の検査では、樅山さんの桃はすべて未検出だった。

 JA新ふくしまによると、今年は全国的に生産量が少ないことも影響し、価格は例年の7~8割程度まで回復。小ぶりだが甘みがあり、福島市内の小売店によると売れ行きは例年並みという。

 一方、贈答用は昨年より良いものの、依然伸び悩む。特に子どもがいる家庭に贈るのを控える消費者が少なくない。「放射性物質がゼロでなければ嫌という人を説得できないのはつらい」と樅山さん。

 (共同通信)

2012/08/17 19:20

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