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トルココーヒー出す路地裏のカフェが人気
8月29日 7時19分

トルココーヒー出す路地裏のカフェが人気
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トルコで親しまれるトルココーヒーは、その取り巻く状況が、最近、大きく変わりつつありますが、昔ながらの手作りのトルココーヒーを出す路地裏のカフェが人々の憩いの場として、人気を集めています。
トルココーヒーは、豆を細かくひき、その粉を専用の鍋に入れて、火をかけるという、独特の作り方が特徴です。
トルココーヒーは、トルコでは、今からおよそ500年前、オスマントルコ帝国の宮殿で飲まれるようになり、そこから世界各地に広がったともいわれ、2年前、その価値が認められてユネスコ=国連教育科学文化機関の無形文化遺産に登録されました。
トルコでは、飲み終わったカップに残ったコーヒー豆のもようを見て、想像力をかきたて未来を占うという伝統的な風習を楽しむ人も多く、トルコ最大の都市イスタンブールでは、街のカフェは、いつも人であふれています。
しかし、最近は、街の至るところに外資系の新しいカフェが次々とオープンし、人気のメニューは、欧米風のドリップコーヒーです。
また、トルココーヒーを提供するカフェでも、手間を省き簡単にいれられる機械が普及し、昔ながらの手作りのトルココーヒーを出すカフェも、ほとんどなくなりました。
こうしたなか、オフィス街の大通りから一本入った路地裏の老舗のカフェで伝統の味を守り続けてきた職人ジェミル・フィリクさん(63)の店が人気を集めています。
50年近くトルココーヒーをいれ続けてきたというジェミルさんのコーヒーのおいしさの決め手は、泡です。
専用の鍋でじっくりと火にかけ、沸騰する直前に火から離し、表面の白っぽいきめ細かな泡を、コーヒーに混ぜ込むように注ぐことで味がまろやかになるといいます。
また、ジェミルさんは、コーヒー豆にもこだわり、世界的な豆不足などでこの4年で価格が50%上昇して、多くの店が、安い豆に切り替えても最高品質のブラジル産の豆を使い続けています。
こうしたジェミルさんのコーヒーを求め、店には一日500人以上の客が訪れます。
この人気店では、ジェミルさんを継ごうと10年前から息子のジュネイトさん(35)が仕事を手伝っています。
まだまだ父の味にはおよばないというジュネイトさんですが、長年、人々から愛されてきた父のコーヒーを受け継ぐことに生きがいを感じているといいます。
父のジェミルさんも、息子に期待をかけ、ともに働く店では、親子の思いが詰まった1杯のコーヒーが、きょうも路地裏で人々の憩いの場を作り出しています。

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