自民党の河野太郎行革推進本部長は28日、自身のメールマガジンで、政府が決めた新国立競技場の新たな整備計画に反対する考えを示した。
「稲田(朋美)政調会長と相談し、自民党としてはこのプランを了承しないことにした」と記した上で、五輪後のサッカーW杯招致を念頭に、将来的に8万人規模の収容人数が検討されていることに言及。「固定席6万8000人に加え、トラックをつぶした後に1万2000人分の仮設席を設ければ、FIFAのいう招致ルールの8万人のスタンドという条件をクリアできるというスケベ心が見え見えだ」と指摘。「招致するかどうかも分からないW杯のためにコストを増やすのは、行革推進本部長として到底受け入れられない」と主張した。
その上で、総工費は現状を上限とし、財源の明確化やさらなるコストダウンを政府に求める考えを表明した。
同党の谷垣禎一幹事長は28日の会見で、河野氏の主張について問われ「党として了承すべきものかどうかよく分からない」と反論。メルマガのタイトル「ごまめの歯ぎしり」に言及し、「『ごまめの歯ぎしり』の意味をお考えになったことはありますかと(河野氏に)伺いたいと思ったが、やめます」と言った後で、「『ごまめの歯ぎしり』とは、力のない者のたとえです」と、指摘する場面もあった。