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福島第一原発周辺のモミに異常
8月29日 5時50分

福島第一原発周辺のモミに異常
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環境省が、東京電力福島第一原子力発電所近くの放射線量が比較的高い地域に生えているモミの木を調べたところ、幹の先端が欠けるなどの異常が通常より高い割合で現れていることが分かりました。
分析を行った放射線医学総合研究所は、明確な因果関係は分からないものの、原発事故で放出された放射性物質が影響している可能性があるとして詳しく調べることにしています。
環境省は大熊町や浪江町などの福島第一原発の周辺の地域で事故があった年からおよそ80種類の野生の動植物の調査を行っています。
このうち針葉樹のモミの木で、幹の先端が欠けるなどの異常が通常より高い割合で現れていることが分かりました。
具体的には異常が見つかった割合は、原発から3.5キロ離れ、放射線量が毎時およそ34マイクロシーベルトの場所で98%、原発から8.5キロ離れ、毎時およそ20マイクロシーベルトの場所で44%、原発から15キロ離れ、毎時およそ7マイクロシーベルトの場所では27%でした。
分析を行った放医研では原発事故で放出された放射性物質が影響している可能性があるとしていて、分析結果はイギリスの科学雑誌、サイエンティフィックリポーツのウェブサイトに掲載されました。
放医研の吉田聡企画部長は、「モミなどの針葉樹は放射線の影響を受けやすいとされているが、現時点で放射線との明確な因果関係は分からず、引き続き調査する必要がある」としています。
環境省によりますとモミ以外の動植物で、異常は確認されていないということです。

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