佐野氏の五輪エンブレム原案公開 組織委「オリジナル」と主張
2015年8月28日15時5分 スポーツ報知
デザイナー・佐野研二郎氏(43)が制作した2020年東京五輪の公式エンブレムが、ベルギーのリエージュ劇場のロゴのデザインに似ていると指摘された問題で、組織委員会が28日記者会見を開き、佐野氏のデザインの選考経過や修正を加える前の原案デザインを明らかにした。
原案は、現行案に比べTを強調したもので、右上にある赤い円が、比較的小さく右下に配置されていた。
デザイン審査は、8名の審査員によって昨年11月に2日間かけて行われた。審査員を務めた日本グラフィックデザイナー協会特別顧問の永井一正氏は会見で「展開力まで考えると、佐野さんのデザインが圧倒的だった」と「展開力」を強調した。
しかし、商標調査を進めると「ある国のある企業のロゴマークと似ていた」ために、組織委員会が助言し、2回の修正を加えて現行案に至ったという。組織委は「佐野さんが修正したもので、オリジナルである」と主張した。
しかし、修正を加えたことで、審査員の一人が、「修正が加えられた」ということを理由に現行案を承諾せず、満場一致の決定でなかったことが判明した。
現行案のデザインを使った五輪グッズ関連の制作販売は、10月頃から始めるという。