2015.8.28 19:41

山口組、直系組織十数団体の組長を絶縁や破門

山口組、直系組織十数団体の組長を絶縁や破門

 国内最大の指定暴力団山口組(総本部・神戸市灘区)が、傘下の2次団体で、離脱の意向を示しているとされる直系組織十数団体の組長を、処分として最も重い「絶縁」や「破門」にしたとみられることが28日、捜査関係者への取材で分かった。

 捜査関係者によると、処分を受けた中には山口組前組長の出身母体で最大の2次団体「山健組」(神戸市中央区)や、大阪市の「宅見組」など、関西地方にある有力団体が含まれているという。

 山健組は28日、神戸市内で幹部らが会合を開催。今後の対応について話し合ったとみられる。

 山口組の傘下には直系組織である2次団体が約70存在。警察当局は離脱した団体などが近く新組織を結成する可能性が高いとみているが、参加する団体数は流動的とされる。名称に「山口組」を入れ、同様の代紋を使用するとの情報もある。

 現在の篠田建市(通称・司忍)組長(73)が2005年に就任以降、出身母体である弘道会(名古屋市)の影響力が強まり、弘道会系主導の人事や高額な上納金に対する不満があったことが背景の一つとして有力視されている。

 警察当局は引き続き情報収集に努めているが、分裂の直接の要因は不透明といい、ある捜査関係者は「なぜこのタイミングか全く分からない」と首をかしげる。

 警察庁は27日付で全国の警察本部に対し、各地の暴力団事務所など関係先の警戒を強化するよう通達し、全国の警察本部の暴力団対策担当課長を集めた緊急会議を9月2日に開催することを決めた。

 山谷えり子国家公安委員長は28日午前の閣議後の記者会見で「傘下組織の一部に離脱の動きがあることは承知しており、警察として情報収集に努める」と話した。兵庫県警の田口英雄組織犯罪対策局長は同日の県議会警察常任委員会で「違法な事案は看過せず検挙し、暴力団の壊滅に結び付けたい」と述べた。(共同)