奈良山雅俊
2015年8月28日21時20分
釧路湿原のエゾシカの行動調査のために酪農学園大学が設置した自動撮影カメラ16台が竹の支柱ごと盗まれたことが28日わかった。被害額は37万円相当。カメラには大学名を記した表札も付けてあり、同大は被害届を提出。北海道警釧路署が窃盗事件として捜査している。
カメラは同大の野生動物保護管理学研究室(吉田剛司教授)が7月初め、新釧路川右岸堤防沿い(約10キロ)に設置。盗まれたのは7月9日から8月1日の間で、研究室は環境調査などで立ち入りができる関係機関に誤撤去などがないことを確認し被害届を出した。
釧路湿原ではエゾシカの増加が植生へ悪影響を及ぼしているとして、環境省が効率的な捕獲方法を検討している。研究室では同省から研究費を受け、カメラを使ってエゾシカの1日の動きを調べていた。
吉田教授は「カメラにはこれまで撮影したデータが記録されており、多大な労力と経費、そして夏からの研究が損失した。研究用カメラであるのは明らかで許せない」と憤慨している。(奈良山雅俊)
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