プリプリ、被災地で再結集　仙台に義援金でライブハウス設立

　東日本大震災の復興支援を目的に２０１２年に再結成し、約１年間活動した女性バンド「プリンセス　プリンセス」（通称プリプリ）が、集まった義援金をもとに仙台市内に新ライブハウス「チームスマイル・仙台ＰＩＴ」を設立する。同所で来年３月１１日にこけら落とし公演を開くため、メンバーが“再結集”する。２７日、メンバー５人が仙台市役所で記者会見し、発表した。

　プリプリは１２年１月６日に１６年ぶりの再結成を発表。同年１１月〜１２月にかけて、仙台や東京で公演を開催。ライブ活動を通じて５億９９７万６２３３円の義援金が集まった。

　義援金は１３年に被災地の地域医療などの支援のため、岩手、宮城、福島の各県に５０００万円ずつ、新潟総合学院に２０００万円を寄付。昨年は東北エリアでの教育支援として、東北福祉大学へ３０００万円を寄付。この日の記者会見で、第３次支援先として残りの３億９９７万６２３３円を仙台ＰＩＴの建設資金に充てることを発表した。

　ボーカルの岸谷香（４８）は「５億という巨額の寄付金が集まり、寄付先について５人で相談しておりました。全額の寄付先が決定しましたことに大変うれしくもあり、ほっと胸をなでおろすような安堵（あんど）感もあります」と心境を吐露した。

　仙台ＰＩＴは、ＪＲ東北線長町駅から徒歩５分の距離にある仙台市太白区あすと長町２丁目に建設予定。総工費は約１２億５０００万円。奥山恵美子市長によると、かつて仙台地区最大の仮設住宅があり、後援住宅の建設も続く地域で、まさに復興を象徴する地区だという。

　震災から丸５年後の来年３月１１日、プリプリの５人は、１２００人（スタンディング）を収容する同所でこけら落としライブを行うが、奥谷は「再々結成ではなくて、再結成の締めくくりということをご理解いただきたく思います」と説明した。“再結集”はファンにはうれしいニュースだが、プリプリの見納めライブとなりそうだ。