我らが専業ブロガー、イケダハヤト氏のアフィリエイトが最近凄いらしい。
月商200万オーバー。イケダ氏は直近、新車を買いさらに35年ローンを強烈にディスった。そのあたりはハヤトフリークには覚えが良いかと思う。こういった言動の背景にはこんなフトコロ事情があったのかもしれない。
広告といえば、iPhone6Sと同時に登場するiOS9。こちらでは、広告を非表示にする機能がwebブラウザsafariに追加されるという情報もある。ブロガーをはじめ、純広告やAdsenseで糊口をしのいでいる人にとっては、戦々恐々の話題だろう。
身近なはてなブログの例では、原因がはっきりしないAdsense停止をGoogleより言い渡され、Adsenseからアフィリエイトでの収益化を目指すブロガーも現れた。広告とWebの関係は徐々に形を変えているという事だろうか。
そんな背景から、アフィリエイトって実際どうなの? 収益的にも読者との関係性的にも、と考えているブロガーは多いと思う。また、読者でブロガーの懐具合ややり口が気になる人がいるかもしれない。
その点イケダ氏は、広告収益のアフィリエイト広告へのスライドが驚くほどスムーズに移行しているように思える。数値だけ見れば。
というわけで本日は私がブロガーの皆様と、他人の懷事情が気になる人々に向けて、イケダハヤト氏運営まだ東京で消耗してるの?のアフィリエイト戦略を自由研究し、分析結果を共有する。
件のイケダ氏、ブログ転載歓迎といつも言っているので、今回の公開データの取得・加工と公開は問題ないだろうと個人的に解釈している。
データで見るイケダ氏のアフィ取り組み
重要指標の推移
まずは、本人が公開している売上ほかの指標推移をまとめてみよう。
年月 | 広告 | アフィ | 他収入 | 売上計 | 記事数 | 読者数 | PV |
---|---|---|---|---|---|---|---|
14/12 | 13万 | 30万 | 10万 | 53万 | 56 | 45.7万 | 116.5万 |
15/01 | 12万 | 60万 | 8万 | 80万 | 67 | 49.0万 | 117.4万 |
15/02 | 8万 | 45万 | 8万 | 61万 | 58 | 70.8万 | 142.4万 |
15/03 | 16万 | 50万 | 32万 | 98万 | 56 | 58.0万 | 140.3万 |
15/04 | 16万 | 43万 | 36万 | 95万 | 51 | 55.3万 | 129.2万 |
15/05 | 21万 | 100万 | 56万 | 178万 | 53 | 70.0万 | 154.9万 |
15/06 | 20万 | 70万 | 58万 | 148万 | 63 | 73.9万 | 176.6万 |
15/07 | 20万 | 66万 | 71万 | 157万 | 64 | 77.5万 | 191.2万 |
15/08 | - | - | - | - | 67 | - | - |
【広告】はAdsense,記事広告が含まれる。【他収入】は印税や寄稿、オンラインサロンの売上をまとめた。【読者数】は月間訪問者数だと思っていただきたい。
アフィリエイト売上は波はあるものの着実に上昇しているようだ。今回の解析とは関連が無いが、3月以降オンラインサロンも大幅に寄与しているようだ。増加分のほとんどがサロン売上だ。こちらも特筆に値する。
氏は報酬発生ベースのアフィリエイト内訳も公開しているので続いて見ていこう。
年月 | A8 | 通販系 | アクトレ | バリュコ | Moba8 | 合計 | 確定売上 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
15/03 | 69万 | 15万 | 18万 | 1万 | - | 100万 | - |
15/04 | - | - | - | - | - | - | - |
15/05 | 140万 | 66万 | 10万 | 14万 | - | 230万 | 90万? |
15/06 | 134万 | 54万 | 2万 | 10万 | - | 200万 | 70万? |
15/07 | 110万 | 50万 | 53万 | 10万 | 2万 | 225万 | 65万? |
【a8】などの列名は、アフィリエイト業者の名称。【通販系】は、Amazonアソシエイトと楽天の商品リンクだと想像できる。
アフィリエイトの報酬発生→実際に振り込まれる売上は、25%-40%程度だそうだ。確定売上部分は氏の予想であるが、発生額と連動していないので、想定より承認率が低く、現実に則した予測に変更していったためだと思われる。
それにしても前述の売上推移と、確定売上予測が乖離している。それは、売上に記載した数値が「その月の確定した振込金額」を記載しているのであろう。アフィリエイトでは報酬が確定されるまで60日ほどかかる場合もあるようだ。
記事中に含まれるアフィリエイトの比率
続いて、記事にアフィリエイトやAmazonアソシエイトがどれくらいの比率で仕込まれているかを見ていく。
解析にあたり、2014年12月-2015年8月の期間で投稿された535記事を、独自にスクレイピング&集計した。スクリーンショットは見づらいと思うが、記事毎にアフィリエイトのリンクやアマゾン・アソシエイトのリンクをカウントしている。
自著に関するアフィリエイトはカウントは除外した。記事外の常設広告もリンクカウントしていない。月ごとに集計したものを以下に掲載する。
年月 | アフィ売 | 売上計 | PV | アフィ率 | アマ率 | 仕込み率 |
---|---|---|---|---|---|---|
14/12 | 30万 | 53万 | 116.5万 | 5.36% | 30.36% | 32.14% |
15/01 | 60万 | 80万 | 117.4万 | 8.96% | 40.30% | 43.28% |
15/02 | 45万 | 61万 | 142.4万 | 10.34% | 20.69% | 27.59% |
15/03 | 50万 | 98万 | 140.3万 | 14.29% | 32.14% | 42.86% |
15/04 | 43万 | 95万 | 129.2万 | 11.76% | 25.49% | 33.33% |
15/05 | 100万 | 178万 | 154.9万 | 20.75% | 15.09% | 33.96% |
15/06 | 70万 | 148万 | 176.6万 | 19.05% | 22.22% | 36.51% |
15/07 | 66万 | 157万 | 191.2万 | 17.19% | 43.75% | 56.25% |
15/08 | - | - | - | 26.87% | 20.90% | 38.81% |
2014年12月の段階では、5%程度だった記事に含まれるアフィリエイトの比率は、最新の2015年8月までくると約27%にアップ。
1記事あたりのアフィ関係リンクの仕込み率は2015年7月でいえば、約50%。2記事に1記事は、なんらかのアフィリエイトを含んだ記事になっているという意味だ。
仕込み率に関しては、記事に関連する書籍のAmazonリンクをちょろっと貼ってある場合なども含まれるので、参考値程度にとどめておいたほうがいいだろう。
逆に、記事広告(お金もらっている書いている記事)は表から判別できないので、それらを含めた真の仕込み率はもっと高くなるのだろう。明らかなトラフィックIDが付いているリンクは仕込み率にカウントしてあるが、そうでないものもあるだろう。
これらのデータから分かることをざっとまとめてみよう
- Amazon率は売上と相関があまり無い
- アフィ率は売上と強い相関がある
- バナー広告の売上は低下していない(おそらく直取引が中心)
- PV比率で見ればバナー広告は低下している
- 6月以降アフィ率の割合に比べて売上が低下している(読者に良案件が一巡した可能性)
最初に書いたamazon率との相関だが、例外的に2015年1月のアフィ売上増加はamazonを仕込んだ事によるものらしい。1月に限ってはそれ以外の原因を導き出すことは難しい。氏は、1月に多くKindleと書籍まとめ記事を投稿している。
さて、ここからは上記データを踏まえつつ、それ以外からも分かる実践的なアフィリエイトに対する取り組みを見ていこう。
手法その1 ブログ下部にアフィ特設リンクを常設する
イケダ氏のブログ記事下部の特徴は、だらだらと長い事だ。
一般的なブログ記事下部には、関連記事や他ページへのショートカット、または単純な広告バナーにスペースが割かれる事が多い。
氏の場合、個人のブランディングに関するリンクが中心だが、それに混じって「人気記事セレクション」と称した記事の独自ピックアップや「イケダの本棚」として、ブログ内のアフィリエイト中心の記事にリンクをおこなっている。
想像ではあるが、そういった記事下部にある、独自ピックアップ記事リンクは、氏の記事群の中でもとりわけ収益性が高いものなのだろう(氏の場合、意見広告的に収益を度外視したリンク掲載もあるかも知れない)。
検索エンジンから流入した読者を、関連記事・人気記事に誘導するのではなく、収益性の高いアフィリエイト記事に誘導する。氏のドメインの検索エンジンからの評価を活かした戦略と言えるだろう。
ともかく、収益性の高い記事を常設リンクとするのは1つの考え方だろう。ただ広告を貼られるより、ブロガーが書いた記事広告のほうが読者には魅力的かも知れない。
手法その2 サイトに合った高額案件、例えば転職サイトのエントリーとか在宅ワークのアフィリエイトを貼る
氏のブログではIT系の情報リテラシー高めの読者が多いようだ。そういった読者層に合った高額アフィリエイト案件を多く掲載している。
例えば、転職サイトのエントリーなどは、登録で2,000円、面接まで漕ぎ着けば5万円報酬がらえるような案件もある。
氏が発生収益の承認率に悩んでいるのも、案件ジャンルによる問題が多いと思われる。私も経験があるが、首都圏ではweb経由で面接予約をして現れないリクルーターがそこそこいる。そういった事も背景になっているのだろう。
手法その3 AmazonアソシエイトはKindleと高額商品で攻める
Amazonでは承認率にほとんど悩まされる事が無い。
氏は前述のようなアフィリエイトとは別に、Amazonアソシエイトにも積極的に取り組んでいる。特にKindleマンガの紹介は高頻度で記事にされ、常設リンクとしているようだ。通常の書籍も多く紹介されている。
しかし、Amazon商品は売上の数パーセントしか報酬が発生しない。よってここでも硬軟両方を攻めるように氏は高額商品の紹介を頻繁にしている。電化製品が多い。掃除機、電動歯ブラシ、調理器具などの白物家電、スマホ、アウトドアグッズなどが目についた。
手法その4 ネイティブ広告のようにアフィリエイト記事を作成する
氏は、記事のついでに商品を紹介するのではなく、商品紹介のための記事を作成している。アフィリエイトに本格的に取り組み始めて以降のアフィ率推移を見てもそれは明らかだろう。本人もさすがに否定しないだろう。
間違わないでいただきたいのは、ブログ全体が広告ばかりというわけでは無い点だ。氏の場合、1日2記事以上を投稿し広告記事ばかりになってしまわないように、全記事に含む広告記事の比率を調整しているように思われる。専業で筆の早い氏ならではのアドバンテージだ。
そうやって、一定量の広告記事を投下し、利益率の高いヒット記事が出れば、繰り返し他記事で言及して内部リンクを貼りつつ、ブログ全体からそこへトラフィックを誘導する。
手法その5 過去記事にアフィリエイトをねじ込む
こちらは氏が言及している方法だその1 その2。記事と関連した商品がアフィリエイトされていれば、過去記事までさかのぼってアフィリエイトを差し込む。
おまけ1 1記事で50万円アフィ収益が発生した記事は
氏の記事で「たった1つのブログ記事で、50万円の収益が発生!これがアフィリエイトの面白さです」というのがある。1記事に3つの業者を掲載して50万円収益が発生したそうだ。この記事を当ててみよう。
解析した記事の中で、記載された3つのアフィリ業者を同時に使っている記事はかなり絞られる。売上ボリューム的にまさか「アフィリやりましょう!→アフィ業者リンク集」みたいな記事でも無いと思われる。それらを除外すると殆ど残らないので、
IT企業に転職したい方にオススメ!あなたが知らない転職サイトまとめ
記事だろうと思われる。氏がフェイク情報を混ぜてなければ。フッターリンクでもよく見かけるし、各記事から事あるごとに言及内部リンクを張っているので、収益率が高いと見てまず間違いないだろう。
おまけ2 多く言及されたアフィリエイト一覧
数百記事の中で多く言及(リンク)されたアフィリエイトを業者別に多い順にいくつかピックアップした。ここまでの推察から、利益率の高い案件、ということになるだろう。言及のしやすさ、しにくさも大きく関係していると思われる。
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【A8】月額報酬発生100万円オーバー
- freee
- ワークポート
- もしもシークス
- ギークスジョブ
- BASE
- クラウドワークス
- DMMモバイル
- ヘヤジンプライム
- MakeLeaps
- ランサーズ
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【バリューコマース】月額報酬発生1-14万円
- ビズリーチ
- じゃらん
- JTB
- るるぶ
- Yahoo!トラベル
- 一休
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【アクセストレード】月額報酬発生2-53万円
- Switch
- リクナビネクスト
- Ambitious
いかがだったろうか。
みなさんの中には、読者目線で通常の広告枠に加えてさらにアフィ記事率27%、40%の広告仕込み率は高いと思う人がいるかもしれない。検索エンジンからの誘導がメインであれば、数値に意味は無いと考えるブロガーもいるかもしれない。それが読者に満足を与えればなんでもいいと考える人もいると思う。
最後に、今回の記事はあくまで推論であるので、本当のところが知りたければ氏が月額¥4,980円で運営しているサロンに参加したほうが良いだろう事を付け加えておく。