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Netflixは日本を変えるか?ITジャーナリスト佐々木俊尚に学ぶ
インタビュー・テキスト:宇野維正 撮影:永峰拓也(2015/08/27)
世界最大級のオンラインストリーミング「Netflix」が9月2日、日本に上陸する。世界50か国以上で6500万人の会員を抱えるNetflixは、独自に制作されたオリジナルの映画やドキュメンタリーを含む、様々な映像作品を定額制で配信するサービスだ。デヴィッド・フィンチャーの大ヒットドラマ『ハウス・オブ・カード』の成功によって日本の映画ファンにもその名を知られることとなった同サービスだが、日本では、マーベルの本格アクションドラマ『デアデビル』、ウォシャウスキー姉弟によるドラマ『センス8』などのNetflixオリジナル作品のほか、『テラスハウス』新シーズンや桐谷美玲主演『アンダーウェア』など、日本独自のコンテンツもラインナップされている。
Netflixの最大の強みは、ビッグデータ分析を背景に持つそのレコメンデーション機能にある。そのような新しいテクノロジーがもたらす体験は、これからの社会にどのような影響をもたらすのか? ITジャーナリストの佐々木俊尚に訊いた。
佐々木俊尚(ささき としなお)
作家・ジャーナリスト。1961年兵庫県生まれ。毎日新聞社で事件記者を務めた後、『月刊アスキー』編集部デスクを経て、2003年にフリージャーナリストへ転身。IT・メディア分野を中心に取材執筆、公演活動を展開。著書に『キュレーションの時代』(ちくま新書)、『当事者の時代』(光文社新書)、『レイヤー化する社会』(NHK出版新書)など多数。近著は『家めしこそ、最高のごちそうである。』(マガジンハウス)、『21世紀の自由論: 「優しいリアリズム」の時代へ』(NHK出版新書)。総務省情報通信白書編集委員。
佐々木俊尚
ほとんどマジックにしか見えないような新しいデータ分析の技術がすごい勢いで進化している。Netflixはそういう新しい時代の動画ストリーミングサービスなんですよね。
―まずは、2015年9月というタイミングでNetflixのサービスが日本で始まることの意味について、佐々木さんがどのようにとらえているかを教えてください。
佐々木:外資の動画ストリーミングサービスという点ではHuluもありますし、国内ではドコモのdTVや楽天のShowTimeなど、いろいろあるわけです。だから、サービスそのものに対してそれほど新鮮味がないと思っている人も多いかもしれませんが、僕がNetflixに注目しているのはそのサービスの背景にあるビッグデータ分析による的確なレコメンド、パーソナライズドの機能なんですね。このビッグデータ分析というのは近年におけるすごく大きなITのトレンドなわけですが、それを直球でテレビの世界にもってきたのがNetflixです。これは他の分野でもすでに導入されていて、Apple Music、LINE MUSIC、AWAといった今年始まった音楽のストリーミングサービスに関しても、各社がビッグデータ分析を活用しながらいろいろと試行錯誤しています。しかし音楽のストリーミングは日本ではこれまであまり盛り上がりませんでした。
―どうして盛り上がらなかったのでしょう?
佐々木:日本の従来のストリーミングサービスはレコメンド機能が貧弱だったからです。ほとんどの人は、「ここにある何万曲が全て聴けます」と言われても何を聴いたらいのかわからない。「検索して音楽なんて聴かないよね」という人たちが多かったからです。一方で、アメリカのインターネットラジオPandoraや、北欧で始まった定額ストリーミングサービスSpotifyがどうしてあれだけ普及したかというと、レコメンデーション機能が圧倒的に秀逸だったからなんです。
―Spotifyに関しては、はなかなか日本でローンチしないものの名前はある程度知られていますが、Pandoraはほとんど知られていませんよね。
佐々木:今、アメリカではPandoraが音楽のストリーミング市場を圧倒している状況です。Pandoraのすごいところは、無数にある楽曲を、ジャンルではなく、その曲調やムードによって解析して、それをプロのミュージシャンが細かく分類しているところです。つまり、インターネットラジオの中で音楽のジャンルの意味をなくしてしまった。それを多くのユーザーが支持したわけです。そこからどんな変化が起こったかというと、マーケットにおいてミリオンを売るような音楽とまったく売れない音楽、その2つが完全に分離していた状況だったのが、その間に存在するそこそこマニアックな音楽がよく聴かれるようになった。結果的に、過去には数万枚CDを売っていたけど近年売れなくなっていたようなミュージシャンにとっての収入源にもなるようになってきたんです。結局そこで何が素晴らしかったかというと、そうした音楽をちゃんとリスナーに届ける、優れたレコメンド機能だったんですよ。
―通販サイトのレコメンドや、ネット広告のパーソナライズには、まさに今、我々も日常的に接しているわけですが、正直、あまり褒められたものではないものが多いというか、「これ、もう買ったよ!」みたいなものがよく表示されたりしますよね。海外では、それとはまったく次元の異なる発展したアルゴリズムを持ったサービスが、現在勢力を伸ばしているということなんですね。
佐々木:そうです。現在多くの通販サイトがやっているレコメンド機能には協調フィルタリング(多くのユーザの嗜好情報を蓄積し、あるユーザと嗜好の類似した他のユーザの情報を用いて自動的に推論を行う)という技術が用いられているだけなんですね。わりとシンプルなアルゴリズムなので、その問題点は長年指摘されてきたんです。そこにビッグデータ分析が入ってきたことによって、非構造化データという、たとえばFacebookやTwitterの中で語られている内容まで分析ができるようになってきた。あるいは、ディープラーニング(人間の脳神経回路を真似することによってデータを分類しようとするニューラルネットワークの一種であり、多層構造のニューラルネットワークに、脳科学分野の研究を応用したもの)のように、まったく関連性のない雑多なデータの中から関連性を持ったデータを引っぱりだすこともできるようになった。
―なるほど。
佐々木:その技術を活用したおもしろい例を挙げると、あるスーパーで客の動線と従業員の立っている位置をデータに入力した結果、ある壁の隅に従業員が立っていると売り上げが何%上がるというデータが出てくるんです。これまでも、こちら側でいろいろな仮説を立ててどうしたら売り上げが上がるのかを分析するやり方はあったんですけど、そこではもはや仮説を立てる必要もない。ただ答えが出てきて、その理由は誰にもわからない。そこにあるのは相関関係のみで、因果関係はないんです。実際、その通りに壁の隅に従業員を立ててみると、売り上げが伸びたという。
―へぇー! ものすごい世界ですね。
佐々木:そういう、もうほとんどマジックにしか見えないような新しいデータ分析の技術がすごい勢いで進化しているのが現在で、Netflixはそういった新しい時代の動画ストリーミングサービスなんですよね。実際に、アメリカでは全体の75%がレコメンド機能によって視聴されているというデータがあります。
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