Updated: Tokyo  2015/08/28 08:45  |  New York  2015/08/27 19:45  |  London  2015/08/28 00:45
 

中国、株買い支え介入再開―人民元支援では米国債売り-関係者

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  (ブルームバーグ):中国政府は27日に、株式相場下支えのための介入を再開した。一方で、人民元の急落を防ぐドル売り介入のためにこのところ保有米国債を売っていると、事情に詳しい関係者が明らかにした。

介入は非公表だとして関係者が匿名を条件に述べたところによると、中国は9月3日に開かれる「抗日戦争勝利記念行事」の軍事パレードを控え市場の安定化を望んでいる。また別の関係者らは、突然の切り下げの後の人民元急落を防ぐために必要なドルを、中国が米国債売りで調達したと述べた。

今週の初めには政府が介入を控えていたことで、中国株は2日間で1996年以来最大の下落を演じた。11日に発表した新たな為替制度の下で、中国人民銀行(中央銀行)は日々の中心レート設定よりも介入によって元相場をコントロールする政策に転換した。政策変更の中国経済への影響を投資家が測りかね、市場は混乱した。

海通国際証券集団のセールス・トレーディング責任者、アンドルー・サリバン氏は「中国当局は市場とのコミュニケーションにおいて一貫していない。投資家はコロコロ変わる当局にいら立っている」と話した。

27日の上海総合指数 は一時0.7%安となったが、引けにかけて急伸し5.3%高で終了。長期続落に歯止めがかかった。関係者の1人によれば、政府は優良銘柄を購入した。

市場介入で株を買い支える中国の措置は外国人投資家の中国離れを引き起こし、国際通貨基金(IMF)は最終的にはそのような措置を解除するように中国当局に促していた。

今週に入ってからは、政府は株式市場への介入をしていないと事情に詳しい関係者が25日に述べていた。27日に中国証券監督管理委員会(証監会)にファクスでコメントを求めたが返答は得られていない。

米当局に通知

関係者によると、中国の米国債売りは直接売却に加え、ベルギーとスイスの代理機関経由でも行われた。中国は米国債売却について米当局に連絡したと別の関係者が説明した。売却規模は明らかにしなかった。

中国の外貨準備高は過去1年で3150億ドル減少し、3兆6500億ドルになっていた。ブルームバーグ・ニュースが実施した調査では、介入のために年末まで1カ月に約400億ドルずつ減少するとの予想が示された。人民銀が過去2週間に米国債を含め少なくとも1060億ドル相当の準備資産を売却したと、ソシエテ・ジェネラルは見積もっている。

中国外国為替取引システム(CFETS)によると、上海市場の人民元は27日、0.08%高の6.4053元で終了。月初来では3.1%安となっている。

キャンター・フィッツジェラルドの債券ストラテジスト、オーウェン・カラン氏は、中国が米国債を売るのは「驚きではないが、市場参加者はこの可能性を十分には織り込んでいなかったかもしれない」とし、「中国が今後6カ月にかなり大量に売るかもしれないことを考えると、米国債相場の見通しは大きく変わるだろう」と話した。

原題:China Said to Buy Local Stocks, Sell Treasuries for Yuan Defense(抜粋)

記事に関するブルームバーグ・ニュース・スタッフへの問い合わせ先:北京 Nicholas Wadhams nwadhams@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Richard Frost rfrost4@bloomberg.net Michael Patterson, Brendan Scott

更新日時: 2015/08/28 01:58 JST

 
 
 
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