名匠、アン・リー監督によるヒューマンラブストーリー。ゲイであることを両親に隠し、恋人とマンハッタンで暮らすウェイトンは、グリーンカードを欲しがっている中国人・ウェイウェイと偽装結婚することに。だが、結婚式のために両親がやって来て…。
※軽くネタバレあり
確かアン・リー作品を最初に観たのは、これだったように思う。
多分、4度目か5度目の鑑賞。
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マンハッタンに暮らす中国人のウェイトンは恋人のサイモンと一緒に暮らしているゲイ。
しかしゲイであることを知らない中国の両親は結婚をせっつき、お見合い相手を送り込んでくる。
なんとか手を打とうと考えたウェイトンは、部屋を貸している芸術家のウェイウェイと結婚したことにして両親をあきらめさせようとする。
息子の結婚と聞いた両親は、突然アメリカにやってくると言い出す。
仕方なくウェイトンはウェイウェイを自宅に迎え入れ恋人のサイモンを友人ということにして両親を迎える……。
といったお話。
吉本新喜劇にありそうなコテコテのストーリー。
その後、マンハッタンに来た両親相手にウェイトンは冷や汗をかきつつ偽装結婚をやり遂げようとする。
映画はもちろん家族がテーマ。
どんな形であれ繋がり合いそれが家族になる。
ジャケットも家族写真。
アン・リーの初期作(”父親三部作”と呼ばれる)は異文化の嫁舅をテーマにした「推手」や大家族の娘たちの生き方を描く「恋人たちの食卓」にしろそうだが父親役のランシャンがとてもいい味を出してる。
特に「推手」では太極拳で大暴れするので是非一度見ていただきたいところ。
今作では心臓の弱いおとなしいが敏い父親役を演じてる。
作品によってかなり雰囲気が違う(他作品では、総料理長役なので料理シーンも多い)。
Pushing Hands Trailer 1995 - YouTube
※推手(1992)予告
努力もむなしく、母親にはゲイであることを知られてしまう。
恋人はサイモンであり、ウェイウェイとの結婚は偽装。
嘆く母親も心臓の悪い夫には知らせまいとウェイトンらと一緒になって秘密を守る。
中国の文化とアメリカの文化、ウェイトンら新しい文化と両親の古い文化。
時代による変化の間で生まれた奇妙な関係性。
「ウェディング・バンケット」は、複雑な現代を象徴するような家族のかたちを描く映画。