北朝鮮による南侵戦術、一部明らかに

「北朝鮮軍、全面戦争能力劣る」「奇襲攻撃など短期戦に重点」

北朝鮮による南侵戦術、一部明らかに

 韓米両国軍は、今回の北朝鮮軍による軍事挑発で明らかになった潜水艦をはじめとする北朝鮮軍の兵力・装備配備状況などを踏まえ、北朝鮮軍の戦力・作戦計画などの評価作業に着手した。

 韓国軍消息筋は26日「金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党第1書記が先日『準戦時状態』を指示したのを受けた戦力配備の過程で、北朝鮮軍の一部計画や実践準備態勢を把握する機会が得られた。北朝鮮軍に対し過大評価・過小評価していた部分の見直し作業を進めているところだ」と述べた。韓国軍当局は今回の事態で「北朝鮮の一部戦力は予想を上回る水準の動員能力を示したが、全体的な戦争遂行能力は劣る」と評価した。北朝鮮が全面戦争よりも短期決戦に重点を置いているように見えるのも、このためだという。

 ただし、韓国軍当局は「今回の事態に投入されたのが北朝鮮の一部戦力に過ぎないことから、北朝鮮軍の全体的な能力を総合評価するには限界がある」という前提を踏まえて評価作業を進めているとのことだ。北朝鮮が実際に全面戦争に突入することになれば、今回動員されていない戦力を投入する可能性がある。大規模地上軍(約102万人)や戦車約4300台、戦闘機約820機などは今回、これといった動きがキャッチされなかった。地上軍は後方を除き、非武装地帯(DMZ)近くの前方地域兵力に準戦時状態が発令されたため、非常態勢に入ったという。

 北朝鮮は野砲約8600門、放射砲(多連装ロケット砲)約5500門など、韓国よりもはるかに多くの砲兵戦力を保有している。しかし、今回はソウル首都圏を脅かす長射程砲は投入されておらず、76.2ミリ砲など口径があまり大きくない砲兵を中心にDMZ近くに配備し、拡声器を攻撃すると脅した。誠信女子大学のキム・ヨルス教授は「北朝鮮は南北高官協議のさなかに『見せつけてやる』とでも言わんばかりに軍事行動を見せたため、北朝鮮の完全な軍事動向が把握できたとは考えにくい」と語った。

ユ・ヨンウォン軍事専門記者
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 北朝鮮による南侵戦術、一部明らかに
  • 北朝鮮による南侵戦術、一部明らかに

right

関連ニュース